私には大好きなおばあちゃんがいます。
私が2歳の頃、弟が生まれました。
弟は生まれた時から体が弱く、1歳の時には、大病を患って入院し、母はずっと弟につきっきり、父も遠い病院と家とを行き来する、大変な生活でした。
当時まだ物心がつくかつかないかの私は
おばあちゃんに預けられ、おばあちゃんと毎日を過ごしていました。
今思えば、お母さんやお父さんが家に居なくても寂しくなかったのは、おばあちゃんが傍に居てくれたからだと思います。
おばあちゃんはいろんなことを教えてくれました。
ひらがなの書き方
いろは唄
おはじきに折り紙、お手玉、あやとり、歌遊び
おばあちゃんが教えてくれることは全てが新鮮で、全てが楽しかったです。
弟が退院してからも、小学生になっても、
両親が共働きの私たち姉弟は度々おばあちゃんの家で過ごして居ました。
土日はもちろん、平日の学校終わりもおばあちゃんの家でした。
当時やんちゃで我儘、世界は自分中心に回っているとさえ思っていた私は、言いたい放題やりたい放題
毎日のようにおばあちゃんを困らせていました。
それでもおばあちゃんはいつもニコニコして
いつも優しく抱き締めてくれました。
高校を卒業して一人暮らしをすると報告に行った時、お仏壇に手を合わせ、「どうか早く、無事に帰ってきてほしい、本当は行かないでほしい」と言いながら泣いているおばあちゃんを見たときは、早く立派になって帰ってこよう、おばあちゃん孝行をたくさんしようと心に誓いました。
専門学校を卒業して就職し、やっと仕事も覚えてきた頃
お父さんが亡くなりました。ガンでした。
最愛の息子に先立たれたおばあちゃんは、お父さんの亡くなった日をきっかけに、どんどん弱っていきました。
遠くに住んでいて、なかなかおばあちゃんに会いに行けなかった私は、できるだけ電話しました。
お盆やお正月は必ず会いにいきました。
そんな今年の5月です。
弟が成人式だったため、私は弟の晴れ姿を見るために帰省していました。
スーツをバシッと着こなした弟と一緒に、おばあちゃんに成人の挨拶にいきました。
すっかり小さくなったおばあちゃんは、
私と弟の顔を見て
「本当に立派になった、本当にいい子に育った、ありがとう、ありがとう」
と言って、何度も頭を下げました。
ここまで育ったのはおばあちゃんのおかげだよ。
またお盆に会いに来るから、元気で待っててね。
そういう私たちにおばあちゃんは
「お盆までにおばあちゃんは居なくなるけれど、最後に弟の晴れ姿が見れてよかった」
と言いました。
そんなこと言わないでよ。縁起でもない。
おばあちゃんが居なくなったら困るの。
そう言う私たちにおばあちゃんはいつもと変わらない優しい笑顔でニッコリと笑って
ありがとうと言いました。
その1週間後でした。
おばあちゃんは空へと旅立ちました。
正直、何も実感は沸かず、信じられませんでした。
人の為に生きて、いつも自分のことは後回し
誰かが喜んでくれるなら、誰かが笑ってくれるならと、人の為に尽くしてきたおばあちゃんは、お星様になりました。
きっと、頑張りすぎるおばあちゃんを見兼ねて、空からお父さんが迎えに来たんだと思います。
おばあちゃんは、幸せでしたか?
おばあちゃんは、楽しかったですか?
おばあちゃんは、嬉しかったですか?
私たちと過ごした時間、幸せでしたか?
後から考えるのはおばあちゃんの気持ちばかり。
今さら考えても遅いとわかっていても、知りたいのです。
もし、少しでも、ほんの少しでも、私たちと過ごした時間を楽しいと感じてくれていたら、幸せです。
おばあちゃんが旅立って1ヶ月
最近よくおばあちゃんの夢を見ます。
夢の中のおばあちゃんは、いつもと変わらない優しい笑顔で、ニコニコしています。
おばあちゃん、私、頑張るよ。