【積み上げる事で作品は生まれる】 |    書家 片山諭志 オフィシャルブログ

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      日常の思いや作品を載せています

書と絵画の決定的な違いは
「線」であるということ


書は一回制の藝術でありその書線は
2度と同じものを再現できない


いざ制作に入るとこんな線は
もう書けないと思える位まで
文字と向き合う


最終的に納めるものは1枚のみ
残りのものは全て破棄


制作中は良いなと思う
作品(1軍)をよけていき

ある程度たまったらそれを壁に張り


1軍に残すもの
2軍に降格するものに
 


さらに選別する


大体はこれだと思うモノが
ダントツで飛び抜けているが

最後までどちらにするか悩む時もある


実はこの取捨選択する時間が
私にとって至福の時間♪


作品として選ばれた1点というのは
それまでに書いたすべての作品が
あったからこそ生まれたもの


それは1枚1枚をこれでもかと
積み上げていくような感覚


積み上げる段階はほとんどがボツ

だけれどそれは失敗ではなく

最高の1枚を生み出すために

必要な過程の一つ


かと言って始めから積み上げようとか
練習だからという氣はさらさら無く


一枚一枚すべてに全神経を使って挑む


人生に例えると

どんな経験も無駄ではなく最高の
出来事に繋がっていると捉えている


だから失敗を恐れてやらないより

やって失敗した方が良い



制作ではとにかく氣力と体力を使うので
夜はお酒を飲みたくなるが

これも自然なこと


藝術家や音楽家にはタバコ、飲酒を
嗜む人が多いのには納得できる


私は以前、アパートで独り暮らしの時に
2年間で大作を100点制作したが


その頃は、ほぼ毎晩飲んでいた 笑



今まで作品として額装したものでも


その際に選別して破棄できないような

1軍レベルはこのように残している


いつ作品にしても良いように


その時が楽しみだ♪