「空海」の書 |    書家 片山諭志 オフィシャルブログ

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こんばんは



今日も湿度が高くて蒸し暑い富山でした



人間にとっては不快な天候ですが動植物に

とっては恵みの雨かもしれません



「書」でも天候・湿度は制作において
とても影響があります



湿度が高いと紙面上で墨が滲み
やすくなります


私は書道経験ゼロから筆を持ち言葉を
書き始めて11年が経ちました



今でも師はいませんが色んな書・藝術
作品から学ばせてもらっています



11年前は筆ペンからスタートし


書き慣れた頃に筆と墨に変えましたが
とにかく書きづらくて

 

 


書道家は何てすごいんだろうと
その時初めて気づきました 笑



当時は我流というより好きな書家の字を
真似て書いていましたが



いつまでもこれではいけないと思い

 

 


「書」と向き合う事に



それで始めたのが臨書です




臨書とは古典を模倣(真似る)し
そっくりに書き写す字の稽古



これは書家にとって必衰のもの



世の中に古典は様々ありますが



中でも特に有名なものが



国宝「風信帖」

弘法大師空海


 





私が臨書を始めた時最初にお手本として

選んだ古典です



これは空海が最澄に宛てた手紙



手紙が国宝とは凄すぎです




私がなぜこの古典をお手本に選んだか
というと書の世界でも特に素晴らしい
評価を得ていたからです



歴史上の大先生方が声を揃えて
空海(風信帖)の字を越えるものは
いまだに無いと



だから多くの書家はこの風信帖を
臨書しているのです



何がそんなにすごいのか

 

筆致、バランス、間はもちろん

 

 

 

一番は空海の人としての器の大きさです

 

 

 

細かい話をすると始まりは「風信雲書」の
4文字から始まるのですが



その1文字目の「風」の1筆目に
空海の凄さが現れています



「弘法も筆のあやまり」



というように空海は書を極めたひとり



そして日本仏教界のカリスマとして

日本に多大なる影響を与えました

 



私は書家になるまで空海の事をあまり
知りませんでしたが



この事をきっかけに空海にも関心を持ち



高野山へ何度も訪問しています



数年前に東京国立博物館で
本物の「風信帖」を見た時は



その場から動けず感動で魂が震えました



空海を語ると止まらなくなるので
今回はこの辺で  笑笑



最後に空海が残した多くの言葉の中で
私が最も好きなものをご紹介します



虚空尽き

衆生尽き

涅槃尽きれば
わが願いも尽きん




宇宙が尽きるまで
悟りを求めるものが

尽きるまで
生きとし生ける者が
全て輪廻転生から
解脱するまで
私の願いは
尽きることが無い




私はこの言葉に感動し2015年の

初個展で書にしました


 





高野山では空海が入定してからも
1200年燃え続ける火(灯り)があり



毎日2回空海にお食事を運ぶ
生身供が行われています

 


 




今年もまた高野山へ行きたいです♪