本日はドラマ&映画『伊藤くんAtoE』のご紹介。
変なタイトルw と思って長らく見てなかったこちらのドラマ(酷い)、いざ見てみるとドラマ全体の作りが非常にユニークで面白い!と思ったこの作品。映画との連動も秀逸!
是非見てほしいなー。脚本家がテーマなだけあって、なんかシナリオに気合いを感じるw(いや、小説原作かw)
主人公の矢崎莉桜(木村文乃)先生がまたかっこ可愛くてよきなのですよねぇ。
【作品紹介】
『東京ドールハウス』で売れっ子脚本家への道を拓いた矢崎莉桜(木村文乃)は、その後ヒット作に恵まれず「落ち目の脚本家」と陰口を叩かれる日々。そんな中、かつて彼女を一躍有名脚本家にした敏腕プロデューサー・田村伸也(田中圭)のアドバイスによって、
自身の講演会に来ていた「イタイ女性たち」を題材に新しいドラマのプロットを書くことに。
ところが取材を進めるうちに取材対象者の女性たち、A・B・C・Dのどうしようもない恋愛相手「伊藤」はどうやら同一人物である可能性が浮上して………?
ドラマ版では2話完結で一人ひとりイタイ女性たちの恋愛が紹介されていきますが、先生は本人の顔を知らないので、彼女たちの話に出てくる「伊藤」を莉桜先生の身近な人で再現する形(つまりこの伊藤は先生の妄想上の人物として表現する形)で物語が進行。
まず、この構成が面白くないですか?!(力説!)
想像上の伊藤を先生の身近な人に置き換えることで、少しずつ先生の周りの人間関係や先生自身の姿を紐解く無駄のなさよ。
おまけに、いよいよ本物の伊藤が登場するに至って、ドラマ版の物語を補完する形で満を辞して映画版公開。ドラマで散りばめた伏線を映画で回収していく、というトリッキーで斬新な演出!(興行的にも上手い!)
このプロットを切った人は神ですか?
我らが中村倫也さんは莉桜先生の後輩の売れっ子脚本家・久住健太郎(中村倫也)、通称クズケンとして登場。クズケンがマジでめっちゃいい奴やねん………。惚れてまうねん。
で、イタイ女性を演じるのはこちらの皆さん。
Aの女:島原智美(佐々木希)都合のいい女
Bの女:野瀬修子(志田未来)自己防衛女
Cの女:相田聡子(池田エライザ)愛されたい女
Dの女:神保実希(夏帆)ヘビー級処女
あれ、AtoEじゃないの?と思ったそこの貴方!それもまたこのドラマのシナリオの巧さよ………。
それはさておき。
クズケンを想像上の伊藤として進行する物語は第3・4話、志田未来ちゃんのターン。
この不気味ヤバイ伊藤クズケンとマジでいい奴なリアル・クズケン(第7・8話)の演じ分けの妙をお楽しみください!!(倫也さん倫也さん!さすが倫也さん!!)
よ!カメレオン俳優!
あ、最近はミミックオクトパスだっけ?笑
てか、ミミックオクトパスって何www
(※擬態の上手いタコです)
映画もひっくるめて見どころ!
イタイ女性、と紹介されてますが
(映画版ではそれについても言及ありますが)、実はみんな等身大の女の子でリアルで素朴で総じて可愛い子たちなのですよ。
それをドラマ版では莉桜先生がモノローグでめった斬りしていくのですが、徐々に莉桜先生自身の投影でもあることに彼女自身気付いていく、という。
なんて無駄がないんだー!!
天才かこのやろー!!
第3・4話の伊藤クズケンは、ただただ不気味ww
神堂さんほどの大物感はないけど、小物な(失礼w)不気味感w
台詞じゃないけどスピッツのチェリーを歌ってるシーンがあるのでそこは必聴!!
美声!なんだけど、それもまた凄い不気味w
アラジンの爽やかさ皆無。
(ちなみに第7話でハッピーバースデーを歌ってるリアルクズケンは、はしゃいだ感じが可愛いすぎる)
なんつーか、伊藤クズケンにキモさはあんまりないけど、得体の知れない不気味さがあるんだよねぇ。
第7・8話のリアルクズケンは、ただただイケメン!!!!
クズケンいけめん!いい奴!!好き!!(告白)。
なんでこんなイケメンいい奴でしかも売れっ子脚本家なのにクズケンじゃだめなのぉぉぉーーーーー。
おっとw
この話に出てくるDの女こと実希ちゃんは、伊藤先輩のために処女捨てたい!という可憐でウブな(イマドキこんなピュアな子いるんかいなという感じの)純粋培養100%な女の子。
そんな彼女のために一肌脱ぐことにしたクズケン、下心あってもすげーいい奴。むしろ下心あるからすげーいい奴。
ホテルで会って、「あれ、なんか今日色っぽいじゃん」ってニヤニヤ素で褒めるクズケンがチャーミングだし(ちょっと髪型気にしながら待ってるところもワクワク感出てて非常に良き!)、部屋に直行せず、先に飯食っちゃおーぜ!ってレストランに誘うクズケンがイケメンすぎるし(しかもサプライズ用意してる周到さ!!)、部屋に入る前に「最後の確認だけどさ」とか言い出すクズケンがほんとに彼女のこと大切にしてるんだなーーーーーーーーー!!という感じが伝わって好きすぎる。
実はずっと彼女のことが好きだったクズケンが、終始そわそわワクワク楽しげで嬉しそうなんだけど「でもいいのかな、大丈夫かな」ってほんとに彼女を気遣ってる感じが、きゅん死必須。
からの、取り柄は顔だけなリアル伊藤こと伊藤誠二郎(岡田将生)登場。
ああああ、台無しぃーーーーー(※映画主演です)。
ほぼ同じシーンが映画にもありますが、
映画版クズケンの「お前、残酷だよ……」の絞り出す声、切なすぎる。倫也さんの辛そうな顔………!
誰でもいいとか言われてガチで傷ついてる子犬クズケン………
よしよししてあげたい………
ドラマ版も映画版もこのホテルのシーンは終始クズケンに恋出来る♡
(ただひたすら気の毒でならないが。)
ちなみに映画版は部屋に入るときに手を繋ぐ2人が初々しくて(クズケンがマックス嬉しそうで)可愛い!!
映画版は最後に莉桜先生にキレるクズケンもいいんだよなーーーーー。
しかし個人的にはこの作品最大のハイライトは映画のラスト、
「でも、私は書くよ」
と言い放つ莉桜先生の言葉。
心に染みすぎて泣ける……。
表現者はどれだけ素晴らしい作品を書いても(それをどれだけ役者さんが素晴らしく演じても)絶対に絶対に評価されて批判される運命。
死ぬ思いで、泣きながら、吐きながら、もがき苦しみながら、
(映画版の言葉を借りるなら「無様に、のたうちまわりながら」)
決死の思いで生み落とした作品を否定され、罵倒されるのは本気で辛い……。
一度売れたって、売れ続けなければそれもまた非難されて、その連鎖に終わりはない。
(作品が売れても魂売ったとか言われるしね………)
矢面に立ち続けるということは想像を絶する苦しみなのでございます。
だから、今回は負けたよって素直に認められた莉桜先生も素敵だし、
「でも」って言えた先生がかっこよすぎて眩しい。
でも、書くよ。
いい台詞だなーーーーーーーーー!!
ドラマも映画もどっちも見てほしい!!
おわる!!