私は23歳からエステサロンを自分で出すためにキャバクラで働いてきた。


指名でお店に頻繁に来るお客さんは絶対に

彼女がいても、結婚してても

「終わってから一緒飲みに行こう」

「休みの日に遊び行こう」

って誘ってくる。


誘ってこない人なんて1人も居なかった。


キャバ嬢は口説けそうで口説けない女が1番モテると思う。


【もしかしたら、付き合えるかも】

【もしかしら、抱かせてくれるかも】

って言葉で思わせる。

でも、絶対になにもさせない。


だから、私はお客さんに「かっこいい」「好きになりそう」「絶対モテる」「彼女何人いるの?」って男性が気持ちよくなる言葉を言う。


【もしかしたら】を想像させる。


でも、彼にはそれが通用しなかった。

私は誘って来ない彼が不思議で仕方なかった。

むしろ、誘って来ない彼にすこし不満を持っていた。


《彼女いるのかな》《私の事どう思ってんだろう》私の中で彼が気になる存在に変わった。


彼がエステサロンに来てくれた。

マッサージしながら問う。


私「彼女おるん⁇」


彼「いや、もう2年くらいおらんよ」


《彼女いないのに何故誘って来ないんだ》って余計に不満に思う。


私「ホタル見に行こうよ!」


人生で初めて自分からデートに誘った。


彼「えっ、みきさんが俺なんかと行ってくれるん?  これ、なんかのドッキリ?」


私「ドッキリ⁇笑 そんなワケない!笑 

  ホタル見たことないから見に行きたくて♪

  連れてってよ!」


彼「いや、全然いいんですけど、ドッキリだったら  早めに教えて下さい。」


私「笑。よしっ♪ぢゃぁ、ホタルデート決定♪

  私もデートプラン考えておくからそっちも考え  てて!楽しそうな方が勝ちね!」


彼「わかった!俺負ける気しかしないけど考えとく  ね!」 


そう約束して彼は帰っていった。