YRC IMADOKI・REPORT VOL.8(2013年11月29日)
~中古住宅市場の現状と今後の展望~
新築文化の国 日本
アメリカ90.3%、イギリス85.8%、フランス64.0%、日本13.5%・・・何の数値でしょうか?
これは2008年の住宅流通における中古住宅シェアの各国の比率です。欧米諸国が6割~9割なのに比べ、日本は13.5%。建物の構造の違いや、歴史や文化の違いがあるとはいえ、ずいぶんと大きな差があるものです。日本は新築文化の国であり、中古住宅の流通はほんの一握りなのです。

なぜ中古住宅は流通しないのか
なぜ、日本において中古住宅は流通しづらいのでしょう。建物の評価方法がその一つの理由です。住宅は築年数が経過するごとに減価償却されます。日本の場合は償却期間が短く、木造の戸建て住宅の場合、築22年で会計上残存価格はほぼゼロになります。市場の価格も同様に、築年数が相当程度経過した建物に価値を見出すことはないといっても過言ではありません。例えお金をかけてこだわりの内装を施した高級住宅であっても、第三者から見ればそれほどの価値はありません。住宅資金に余裕がある人であればある程、自分の住む家にはこだわりを持ちますし、自分の城を建てるでしょう。あえて中古住宅を購入するのは、その不動産が立地条件的に希少価値が高いなどの価値を見出した場合と考えます。日本の不動産の価値は「土地」にあるのです。
首都圏の2013年10月度の新築住宅平均成約価格は3,560万円、中古住宅平均成約価格は3,008万円でした。新築と中古の価格、その差は約500万円というのが現状です。正直なところその程度の差であれば、リフォーム費用や、保証問題、住宅ローン減税、住宅ローン利用可能年数の面を考慮すると、やはり“新築”となるのが自然ではないでしょうか。
求められる長期優良住宅
リフォームして「住みたい」と思える高品質かつ、値ごろ感のある中古住宅が圧倒的に少ないというのも現状です。日本の住宅の平均寿命は約30年。アメリカの55年、イギリスの77年と比較しても極めて短命です。そもそも流通しないから寿命が短いのか、あるいは寿命が短いから流通しないのか・・。そんな背景の中で、長期優良住宅の普及の促進に関
する法律が施行されたのは2009年のことです。環境に配慮し、100年・200年と長く住むことが出来る家づくりの推進について、法が整備されてわずか4年です。ようやくここに来て先進国らしい、環境配慮型かつ、高品質の住宅が着目され始めてきたのではないでしょうか。
中古住宅市場の活性化
一方、中古住宅市場を活性化させようとする動きも出てきています。国土交通省も、中古住宅市場の活性化を推進しており、先日、大手不動産会社が中古住宅市場に参入するとの報道がありました。
その理由の一つに、住宅の一次取得者の大半である30代の所得の低下があります。新築住宅を取得することが経済的に厳しい状況なのです。例えば東京では、若い世代は都心へのニーズが高いのですが、都心エリアでの新築住宅の購入は難しく、値ごろ感のある中古住宅を購入して自分の好みにリフォームして住むというスタイルが、注目され始めています。中古住宅は潜在的な需要があるのです。
ここ数年、首都圏において中古マンションの成約件数は徐々に増えています。中古戸建住宅ではなく中古マンションの成約率が増えているというところがポイントで、住宅を選ぶ際に如何に利便性が重視されているかが分かります。駅に近いマンションの方が、少し離れた戸建より人気があるということでしょうか。

政府の取り組み
政府も、中古住宅を活性化させるために、現在抜本的な整備に向け以下の取り組みを検討しています。
1. 中古住宅の適切な建物評価を目指した評価手法の抜本的な改革
2. 市場プレーヤーの行動に働きかけ、中古住宅流通を改善する方法
3. 住宅金融市場へのアプローチ
新築重視からストック重視の住宅政策へのシフトを図るべく、その動きが始まっています。
新築好きの日本人の意識は変わるのか
それにしても日本人は新築が好きです。しかし、在庫の中古住宅を市場に流通させるには、市場は活性化していかなければなりません。
建てては壊し、建てては壊し、ではなく、100年・200年と長期の資産価値を維持出来る住宅がどんどん増えていけば、日本人の「新築好き」は変わるのかもしれません。
出典:国土交通省/中古住宅流通促進・活用に関する研究会 参考資
総務省/平成20年住宅土地統計調査
東日本不動産流通機構/首都圏不動産流通市場の動向
~中古住宅市場の現状と今後の展望~
新築文化の国 日本
アメリカ90.3%、イギリス85.8%、フランス64.0%、日本13.5%・・・何の数値でしょうか?
これは2008年の住宅流通における中古住宅シェアの各国の比率です。欧米諸国が6割~9割なのに比べ、日本は13.5%。建物の構造の違いや、歴史や文化の違いがあるとはいえ、ずいぶんと大きな差があるものです。日本は新築文化の国であり、中古住宅の流通はほんの一握りなのです。

なぜ中古住宅は流通しないのか
なぜ、日本において中古住宅は流通しづらいのでしょう。建物の評価方法がその一つの理由です。住宅は築年数が経過するごとに減価償却されます。日本の場合は償却期間が短く、木造の戸建て住宅の場合、築22年で会計上残存価格はほぼゼロになります。市場の価格も同様に、築年数が相当程度経過した建物に価値を見出すことはないといっても過言ではありません。例えお金をかけてこだわりの内装を施した高級住宅であっても、第三者から見ればそれほどの価値はありません。住宅資金に余裕がある人であればある程、自分の住む家にはこだわりを持ちますし、自分の城を建てるでしょう。あえて中古住宅を購入するのは、その不動産が立地条件的に希少価値が高いなどの価値を見出した場合と考えます。日本の不動産の価値は「土地」にあるのです。
首都圏の2013年10月度の新築住宅平均成約価格は3,560万円、中古住宅平均成約価格は3,008万円でした。新築と中古の価格、その差は約500万円というのが現状です。正直なところその程度の差であれば、リフォーム費用や、保証問題、住宅ローン減税、住宅ローン利用可能年数の面を考慮すると、やはり“新築”となるのが自然ではないでしょうか。
求められる長期優良住宅
リフォームして「住みたい」と思える高品質かつ、値ごろ感のある中古住宅が圧倒的に少ないというのも現状です。日本の住宅の平均寿命は約30年。アメリカの55年、イギリスの77年と比較しても極めて短命です。そもそも流通しないから寿命が短いのか、あるいは寿命が短いから流通しないのか・・。そんな背景の中で、長期優良住宅の普及の促進に関
する法律が施行されたのは2009年のことです。環境に配慮し、100年・200年と長く住むことが出来る家づくりの推進について、法が整備されてわずか4年です。ようやくここに来て先進国らしい、環境配慮型かつ、高品質の住宅が着目され始めてきたのではないでしょうか。
中古住宅市場の活性化
一方、中古住宅市場を活性化させようとする動きも出てきています。国土交通省も、中古住宅市場の活性化を推進しており、先日、大手不動産会社が中古住宅市場に参入するとの報道がありました。
その理由の一つに、住宅の一次取得者の大半である30代の所得の低下があります。新築住宅を取得することが経済的に厳しい状況なのです。例えば東京では、若い世代は都心へのニーズが高いのですが、都心エリアでの新築住宅の購入は難しく、値ごろ感のある中古住宅を購入して自分の好みにリフォームして住むというスタイルが、注目され始めています。中古住宅は潜在的な需要があるのです。
ここ数年、首都圏において中古マンションの成約件数は徐々に増えています。中古戸建住宅ではなく中古マンションの成約率が増えているというところがポイントで、住宅を選ぶ際に如何に利便性が重視されているかが分かります。駅に近いマンションの方が、少し離れた戸建より人気があるということでしょうか。

政府の取り組み
政府も、中古住宅を活性化させるために、現在抜本的な整備に向け以下の取り組みを検討しています。
1. 中古住宅の適切な建物評価を目指した評価手法の抜本的な改革
2. 市場プレーヤーの行動に働きかけ、中古住宅流通を改善する方法
3. 住宅金融市場へのアプローチ
新築重視からストック重視の住宅政策へのシフトを図るべく、その動きが始まっています。
新築好きの日本人の意識は変わるのか
それにしても日本人は新築が好きです。しかし、在庫の中古住宅を市場に流通させるには、市場は活性化していかなければなりません。
建てては壊し、建てては壊し、ではなく、100年・200年と長期の資産価値を維持出来る住宅がどんどん増えていけば、日本人の「新築好き」は変わるのかもしれません。
出典:国土交通省/中古住宅流通促進・活用に関する研究会 参考資
総務省/平成20年住宅土地統計調査
東日本不動産流通機構/首都圏不動産流通市場の動向