YRC IMADOKI・REPORT VOL.9(2014年7月24日)
~山手線に新駅ができる~ 


以前にも「山手線に新駅ができる」をテーマに取り上げましたが、先月、新駅が建設されることが正式に発表されましたので、改めてこの山手線の新駅についてお伝えします。

新駅の概要
新駅の住所は港区港南、品川駅から北へ約0.9km、田町駅から南に約1.3kmの場所です。山手線に新駅が出来るのは1971年の西日暮里駅誕生以来のこと。2020年の東京オリンピック開催に間に合わせて暫定開業する予定です。今後、東京都・港区、鉄道事業者が周辺一帯の開発を含め計画をすすめます。

JR東日本が打ち出すコンセプトは、「世界中から企業と人材が集い、多様な交流から新しい価値が生まれる国際的な交流拠点」「歴史や文化が感じられ、歩いて楽しい歩きたくなるような自然豊かな街づくり」で、新駅と街が一帯となった、国際的に魅力ある街づくりを目指します。
駅は2階建て、1階にはホームやバスターミナル、2階には改札とコンコースが設けられます。駅全体を透明の大屋根で覆い街全体を見渡せるようなデザインになっており、新駅前の広場空間では、大勢の観客で東京オリンピックのパブリックビューイングが出来そうなイメージです。

新駅のイメージ
新駅のイメージ (東日本旅客鉄道株式会社)



山手線に新駅を作るには大前提となるものがあります。2015年3月開通予定の東北縦貫線です。これまで上野駅発着だった宇都宮線・高崎線・常磐線を東京駅まで延ばし、東海道線とつなげます。これにより、現在の品川車両基地の機能を田端車両基地(尾久)に移すことが可能になり、品川車両基地の広大な土地が空くことになります。その品川車両基地の跡地を再開発し、新駅を作るのです。東京ドーム約2.8個分、約13ヘクタールもの広さがあります。
新駅の建設は、羽田空港につながる京急線の泉岳寺駅の近くに予定されていることから、この2駅は連絡通路等でアクセス可能になることが想定されます。
東北縦貫線が開通すれば、北関東方面から、新駅や品川駅を経由して羽田空港へのアクセスも格段に良くなります。加えて、2027年には品川駅を始発とするリニア中央新幹線が開通する予定です。上野駅と東京駅、このわずか3.8kmの区間をつなげることで、品川周辺エリアは日本の一大交通拠点の役割を果たし、更には日本の玄関口としての役割を担うことになります。


新駅の設置位置
新駅の設置位置(東日本旅客鉄道株式会社)


品川は、都心と羽田空港の間に位置しており、東京の南の玄関口・国際ビジネス拠点としてふさわしい場所であることから、東京都は2007年に「東京サウスゲート」と位置づけました。また、このエリアは「アジアヘッドクォーター特区」に指定され、国際競争力の強化を目的とし、海外企業のアジアの拠点を東京へ誘致するプロジェクトのもと、街づくりが行われます。
品川車両基地跡地の開発は、官民一体となり総事業費5000億円以上を掛け再開発を行います。JR東日本は高層マンション3棟、オフィスや商業施設が入る高層複合ビルを5棟建設する予定。この再開発エリアで働く人の数はおおよそ10万人規模、六本木ヒルズの3倍以上とも言われています。



ところで、新駅周辺の地価はどうなるでしょうか。一般的に再開発が行われる土地の地価は上昇します。開発の前と後では土地の利用価値が格段に上がるためです。人を呼びこむ街の力が、地価の上昇につながっています。新駅予定地の最寄りの公示地価(地番:港区高輪2丁目1番9)の過去10年の推移を調べてみました。2008年の金融危機後下落した地価は昨年底を打ち、今年わずかに上昇に転じました。公示地価は1月1日時点の価格です。新駅の建設が発表されたのは6月ですので、今年の新駅予定地最寄りの公示地価には反映されていません。恐らく来年の公示地価から徐々に上昇幅が大きくなっていくのではないでしょうか。

<新駅予定地の最寄りの公示地価の推移>
最寄の公示価


さて、注目の新駅の名前は何になるでしょう。
港南、高輪、といった地名から、新品川、東京サウスゲートなど、様々な候補が上がっているようです。
駅名はひとつのブランドです。分かりやすくて皆に愛される駅名、そして、日本の玄関口に相応しい駅名が待たれます。

出典:東日本旅客鉄道株式会社 http://www.jreast.co.jp/press/
   日本経済新聞 2014.7.17記事
国土交通省 土地総合情報ライブラリー