ときわ公園にはたくさんの彫刻があります。
抽象的なものも多いですが,
わからなくても,自分が好きかどうかで楽しみたいと思います。
以前,何人かで美術館に行ったとき,
展示室に入る度に,
「せーの!」の掛け声で,それぞれが好きな作品を指さしたことがありました。
自分の好み,感覚にあったものを瞬時のうちに選ぶ楽しさもあり,
ほかの人の好みと比べたり,感想を(小声で)言い合ったりするのも新鮮な経験でした。
ときわ公園を訪れる機会がおありの時は,ぜひ,自分のお気に入りを見つけてください。
私が一番好きなのは,
『風になるとき』(西田康造作)
風が吹くと,ゆらゆら動いて,とても美しいです。
日常でなかなか美しいものに出会わないので,
「美しい」という言葉は,めったに使わないのですが,
この言葉がぴったり来ます。
そして,気になるのが,
こちらの彫刻
『思考空間・9・69 「くう...おのれのみしは...」』
大きいので,カメラに入り切りませんでしたが,煙突のような作品です。
12mもの高さがあります。
説明文から
「煙突のような作品で中に入ることができる。
中から見えるのは、円形に切り取られた空だけだ。
晴れならば空の青さを、
雨ならば真っ直ぐに落ちてくる水滴を、
雲が動けば時間の流れを感じるだろう。
外側につけられた「空」の文字がだんだんと小さくなるのにも注目してほしい。」
怖々,中に入ってみました。
上を見たところです。
空が丸く切り取られています。
・・・・・・
村上春樹の「ねじまき鳥クロニクル」を思い出しました。
ノモンハンの井戸で間宮中尉が見上げた空。
考えることがあって,自ら井戸へ下りた主人公が見た空。
そして加納姉妹の妹クレタも。
奇しくも,この作品のタイトルは『思考空間 』
井戸が考えられるためにあるのだとは,知りませんでした!
この作品が作られたのは,1969年。
『ねじまき鳥クロニクル』は1994年。
小説をもとにして作られたわけではないですね。