朝から止むことのない雨が降りしきる中、国分寺二中の選手たちがグランドを整備してくれて、早めに試合をスタートさせました。初回上位打線につかまり、エースが2点献上してしまいました。ただし、2点目は、防げる失点でした。ツーアウトランナー一・三塁。牽制で一塁ランナーを誘き出し、ランダンプレーになったのですが、ボールを受け取った一塁手がサードライナーを牽制することなく、一塁ランナーを追いかけてしまい、その隙にホームを陥れられてしまったのです。昨日紹介した「ミス」の中でも、一番やってはいけないミスでした。

相手の動きを止める武器はいくらでもあります。あの場面ではどうすれば良かったのでしょうか?「目」は相手を止める上で大きな効果があります。ボールを取ったすぐに、サードライナーを目視するだけで、体や思考はストップします。それでも止まらなければ、一歩、二歩とランナーに近づく。距離で相手の動きを止めることが出来ます。そして、一番大切なのは、準備です。次に何がおこるのか、想定をして準備をする。野球は、試合中も考える時間を与えてくれるスポーツです。頭の中で様々な場面の想定をしておく準備が必要なのです。

これが初回だったから、まだ救われましたが、僅差ゲームの終盤に、こんなプレーが出てしまったら、大会では九分九厘負けてしまいます。雨中の試合でしたが、序盤はまだマウンドの泥濘みが少なく、二回以降はエースも本来のピッチングを取り戻しました。いや、初回からいつも通りのピッチングに見えましたので、相手チームの打力が優っていたのだと思います。

また、相手ピッチャーも、球威があり、スライダーのキレも抜群でしたので、追いつくのは至難の技かもしれないと思っていましたが、三中打線も少しずつ芯で捉える打球が増えてきて、3回にツーアウト満塁から4番打者がレフトオーバーの逆転ツーベースを放ち、さらに追加点を挙げ2点差としました。

朝からの雨が降り止まず、4回には、水が浮いている状態になり、5回からマウンドを任された右腕は、自慢のストレートを投げられず、四球を連発、3点を加えられ再逆転を許してしまいました。両チームの監督がこれ以上試合続行が不可能と考え、5回で終了する事になりましたが、最終回の攻撃で再々逆転に成功し、サヨナラゲームとなりました。

大会では日程の関係上、このようグランド状況でも試合が行われる可能性があります。試合成立の5回まで試合が出来たことは、大会に向けていいシュミレーションとなりました。必死にグランドを整備してもらった国分寺二中の野球部には、本当に感謝しています。多摩地区の強豪と真剣勝負を出来たことも選手たちにとって、いい経験となったと思います。今度は絶好のコンディションでやってみたい相手です。

試合の途中で、近隣の方から苦情が入りました。国分寺二中の先生の話だと、滅多に苦情は来ないという事でしたが、それだけ三中野球部の声が大きかったという証拠でもあります。「ベンチと一緒に試合する」、少しずつ完成しているのかもしれません。

 


雨の中アップが始まりました。この時点では、グランドは十分に野球に耐えうる状態でした

 

 

最終回(5回)には、ホームベースも見えない状況になりましたが、勝ちにこだわって最後まで諦めずに試合したのは立派でした。