ある朝、早く出勤して少し席をあけて戻ってみると、机の上にビニール袋が無造作にのっかっていた。
「ん⁉︎」
中を覗くと、何やらきのこがわさわさと。
そこへ同僚がやってきて、「これ、もらいものだけど、食べてみて。こっちのきのこは、土と落ち葉と汚れを取って煮て、そっちはそのまま煮て、その後に残った汚れを洗い流せばいいから。」
ふむ、見た目はあまり変わらないけど、煮方が違うのね…煮る⁉︎ということは、だし醤油か何かでかしら。待てよ、汚れ付きのまま、味付けはしないよね。
「煮るって、茹でるってことですか?」「うん、そう。」
これは、方言か、個人的感覚の違いか…どっちにせよ、秋、きのこ、旬…道の駅で見かけて欲しいな~と思ってたから、ありがたくいただいた。生姜醤油で食べるのが、
スタンダードなのだとか。
昼休み、自宅に戻りざるにあけ、しばし鑑賞。これを採りに行くのだって、ひと苦労。きっと、年配のじいさま、ばあさまがみんなを喜ばせようと採ってきてくれるんだろうな~なぞと想いを馳せる。
さて、シンクに移しましょ、とざるを持ち上げたら、テーブルの上をうごめくものたち複数…ちっちゃなちっちゃないもむし~
ふむ、自然のものをいただくには、他の生き物ともシェアする心構えが必要だもの。これがあたりまえ。極小サイズだから、気にならずというところではあるけれど。
晩に早速、洗わず煮るきのこから調理してみた。湯に入れたら色が変わって、黄金色から銅色に。そして、流水にさらしながらさて、汚れを取りましょと思って手に取ると…傘の裏っかわにぴょこぴょこと、所々から顔出す白い細い物体が目にとまり…
「ん⁉︎」
いもむし~‼︎熱さに耐え切れず、ひだから出てきたものの、抜け出し切れずに残ったものたちがここにも、あそこにも。茹でてるし、食べたって害はないんだろうけど、見てしまったからには取り除かねば気になって。ちまちま、毛抜きならぬ、いもむし抜きにしばし没頭。
やっとこさ、食せる頃には、何かとても貴重なものをいただくようで、ありがたみが増した。こりこり食感良く、おいしゅうございました。香りは、煮方が長かったのか、あまり感じられず。こんなものなのかな。
食し方はレクチャーしてもらったけど、きっとそこここのばあさま方が調理すると、絶妙な火加減と時間で、よりおいしい状態に持って行けるのだろうな…長年の知恵と勘とで。
まだまだ修行が必要、ひとさまにお出しする一品を作るには、と思う週末のひととき。