昨日の続きになります
昨日の清少納言ごっこ
の贅沢な時間を終えると、ふと
平安時代のお香ってどんなんだったんだろう
と気になってしまい
調べましたら、当時は
練り香(ねりこう)
というのが香りの主流だったらしいんですね
練り香とは
数十種類の天然香料(沈香、丁子、白檀、麝香など)を粉末状にしたものを調合し、
甘葛(昔の甘味料)や梅肉などをつなぎとして練り合わせ、
丸薬上にまるめて壷にいれ、
それをさらに地中に埋めて熟成させて作られるそうです
出来上がるとこんな感じ
画像はamazonさんのサイトよりお借りしました
ちょっと正露丸っぽい?!笑
源氏物語にも出てくる
薫物合わせ(たきものあわせ)
ですが、これは
各々が作った自家製のこの練り香を焚き、どの人のお香が一番素晴らしいかを競い合う遊び
だったんですね~
なんて優雅!なんて雅!!
平安貴族たち、お香を手作り!
その家秘伝の調合もあったとか
同じ香料を使っても、わずかなさじ加減の調合具合によって香りも大きく変わるので、
平安時代の貴族たちは正にそれぞれ
オンリーワンの香り
をまとっていたことになります
また身分が高い人ほど、希少な上級の天然香料が手に入るので、余計に憧れられちゃいますよね〜
市販の物が沢山あって、便利ですぐ手に入る現代もいいけど
個々の個性が出まくる、手間隙かけた手作りの香りもまた雅でいいわぁ
電気もない、まっ暗闇の平安の夜
身にまとう香りで、人を判別したとも言われています
または思い人が通っただけでその人と分かる匂いに一喜一憂したり
もうもうロマンチック~~
またまた枕草子からの引用ですが、
192段 心にくきもの
薫物の香、いと心にくし。五月の長雨のころ、上の御局の小戸(こと)の簾(す)に、斉信(ただのぶ)の中将の寄り居たまへりし香は、まことにをかしうもありしかな。そのものの香ともおぼえず、おほかた雨にもしめりて艶なるけしきの、珍しげなきことなれど、いかでか言はではあらむ。またの日まで御簾にしみかへりたりしを、若き人などの、世に知らず思へる、ことわりなりや。
訳)奥ゆかしいもの
薫物の香りは実に奥ゆかしい。五月の長雨の頃、上の御局の小戸(こと)の簾に、斉信(ただのぶ)の中将が寄りかかっていた香りは、本当に素晴らしかったものだな。何の香りかは分からず、概ね雨に湿って香りが際立っている様子であり、それは珍しいことでもないけれど、どうして書かずにいられるだろうか。翌日まで御簾に香りが移っていたのを、若い女房たちが、世に二つとない良い香りだと思っていたのも、当然のことである。
もう斉信の中将さまのまとっていた香りってどんななの~?!
想像力をかきたてられるー
何の香りかは分からないけど、雨に湿って一層香りが際立っている様子
雨による湿度が香りに一役かっている様子も伝わってくる
それは別に特別なことではないけれど、それでも書かずにはいられない、と言うほどの良い香り
次の日まで御簾にその香りが移っていたのを、
世に二つとない良い香り
とキャーキャーはしゃぐ女房たちって。。。
もう
どんだけ~~?!
表現するのが難しい嗅覚に対する世界を活き活きと書き表した清少納言さん、素敵すぎる
※現代語訳はまたまたediscoveryさんより引用させて頂きました
但し、冒頭の”薫物の香、いと心にくし。”の部分、なぜか抜けていたので私が勝手に付け加えました
今度は練り香で是非、清少納言ごっこをやってみたい!と思う私です
そしてできれば練り香も作ってみたい
あ~ いと楽しからずや