ちょっとタイムリーなネタを。
4月に実施された全国学力テストの、
都道府県ごとのランキングが報じられましたけど、
あれホントアホですよね
このテストは順位付けるのが目的じゃないんですよ。
そもそもこういう風に「できる」「できない」って格付けしたから、
テストの結果を無理矢理にでも上げようとしたことが問題になったんじゃないですか。
点数の低い子どもを休ませたり、とかは有名な話ですよね。
だから、ランク付けすることにまだ意味はあっても、
それを公表したり、順位がどうとか論じるのは全く無意味なんですよ。
「順位を上げるための教育」、これって違いますよね?
まぁ、文科省が逆にそれを狙ってなければ、いいんですけど…。
大変申し訳ありません。
現在中学1年生で学習している「対称な図形」は、
2011(平成23)年度からは小学6年生で学習することになるようです。
きちんと調べないまま誤った情報を載せてしまったことを、
訂正してお詫びします。
先日の文章の「対称な図形」の部分を、「角柱・円柱の表面積、角錐・円錐の体積・表面積」に置き換えて読んでいただければ幸いです。


ちなみに、「対称な図形」は移行措置の対象にはなっていないので、
2010(平成22)年度に小学6年生の学年は、まだ「対称な図形」を学習していません。
その1年後の2011(平成23)年度に中学1年生に進級した際には、
中学ではまだ移行措置期間であり、
「対称な図形」は中学1年生で学ぶことになっているので、この年に学習します。
一方、小学校では既に新学習指導要領に移行しているので、
小学6年生で「対称な図形」を学習することになります。
つまり、2011(平成23)年度は、
小学6年生でも、中学1年生でも「対称な図形」をやるということなのです。


こういった現象はこれまでにも起きていて、
中でも非常に面白いのが、
例えば、2009(平成21)年度の場合、
算数の「立方体と直方体」という内容が、現行学習指導要領では6年生に該当するので、
まだ学習していない6年生は当然勉強します

そして、新学習指導要領で移行先となる4年生ですが、
ここで学習しないと、2年後に6年生になった時には消えてしまっているわけですから、
移行措置として、4年生でも学習することになります

(これは、移行措置を実施する意義を示すのにとても適した例です)

そして、5年生ですが、
これまでは6年生の内容であったわけですから、当然まだ勉強はしていません。
次の年に6年生になった時に学習してもよさそうですが、
実はその年は他の追加内容で手一杯で、
「対称な図形」を学習する余地がなかったのです。

というわけで、2009(平成21)年度の5年生も、これを学習することになりました。

さぁ、もうお気づきだと思いますが、
2009(平成21)年度は、「立方体と直方体」の単元を
4年生でも5年生でも6年生でも学習することになっていたんです!!

ここで、ひょっとすると下の学年のほうが、上の学年よりも先に勉強する、なんてこともありえるのが興味深いポイントなんですが、
どのタイミングで学習するかは教科書の構成によっても異なり、一概には言えず
並大抵の努力では調べ尽くせません。
それほど奥が深いのです。
2011(平成23)年度の「対称な図形」に関しては、
小学校の教科書が東京書籍発行の場合、
小学6年生が1学期、中学1年生が2学期になると思われるので、
まさかの小学生のほうが先に勉強するパターンになりそうです。
うーん、体のどこかがむずがゆい気がしますね。

これ以外にも同じような例はたくさんありますので、
また別のところでも触れることになります。
次は<2009(平成21)年度入学生(1996(平成8)年度生まれ)>です。
この学年は中学3年間まるまる移行措置期間です。

1年生(2009(平成21)年度)の時は、数学が年間35時間増えました
選択や総合からまかなわれています。
「四則」「不等号の式」「関数」「図形の移動」「球の表面積と体積」「資料の整理」などの内容が増えました。
正直増やしすぎかな…旧学習指導要領への反動という印象です。
ただ、旧学習指導要領で「対称な図形」は小学6年生で習うものを、現行では中学1年生に移行しましたが、
新学習指導要領では中学1年生で据え置き。
つまり、全部が全部前に戻ったわけではないので、そこはまだいいかなと思います。

問題は理科です。内容は増えるのに、授業時数は増えません
しかも移行期間だけでなく、新学習指導要領になってからもです。
私は現場の人間ではないので分からないのですが、いかがなものでしょうか…。
「力のつり合い」「中和」は省略されて3年生に移行・パワーアップするものの、
「水圧」「重さと質量」「ばね」「シダ植物・コケ植物」「密度の求め方」「質量パーセント濃度」「溶解度」「プラスチック」「岩石」「褶曲」などが増えます。
果たしてこれでつり合いは取れるのでしょうか?
旧学習指導要領で入っていた「熱」は復活しないですが、それでも…。
(勝手な推測ですが、理数系の先生は、学習内容が増えることには概ね賛成の気がします。
ただ、そうはしたくても授業が終わるかどうか…というジレンマの先生も多いのではないでしょうか?)

続いて2年生(2010(平成22)年度)の時は、
昨年度(2009(平成21)年度)同様数学の省略があります。
更に、この年から、理科の時間が年間105時間から35時間増えて140時間になります
選択の必修時間が減らされ、理科に回されます。
内容はかなり増えていて、
「電子」「電力量の求め方」「無脊椎動物」「進化」「日本の天気」「海陸風」などが増え、
「細胞の構造」「酸化還元」などが3年生から移行してきます。
内容的にはやむを得ないところも認めざるを得ないところはありますが、
それにしても増えすぎな気が…。
旧学習指導要領以上の学習内容になっていると思います。

最後に3年生(2011(平成23)年度)です。
3年生は、2009(平成21)年度は理科が増え、
2010(平成22)年度は更に数学が増え、
2011(平成23)年度は、これらに加えて更に理科が増えます。35時間(1コマ)分。
その分は、選択授業からまかないます。
この年度の理科は、前の2年間に比べて、内容も当然更に増えます
「エネルギー保存」「放射能」「環境保全と科学技術」などが追加され、
1年生で省略した「力のつり合い」も「合力・分力」を加えて復活、「中和」も「イオン」と絡めた扱いで復活してきます。
ただし2年生の移行措置で学習した「細胞の構造」「酸化還元」などは省略します。


以上、この学年の数学と理科は新学習指導要領とほぼ同じ内容になっています。
そして、高校での新学習指導要領実施は2013(平成24)年度に高校に入学する学年、
つまり1997(平成9)年度生まれの生徒からなのですが、
1996(平成8)年度生まれも理数に関しては中学で新しい内容に即した勉強をしてきたので、
高校3年間は、主に理数系の科目に対して移行措置が行われます。
例えば週1時間道徳の授業があるとすると、年間で35時間、授業があることになります。
逆に言えば、1科目あたり年間(標準)時数が35時間であれば、週に1時間の授業があるということです。
35時間=1コマという表現もあります。

では、<2008(平成20)年度入学生(1995(平成7)年度生まれ)>情報です。
1年生(2008(平成20)年度)は現行学習指導要領です。
2年生(2009(平成21)年度)から移行措置期間です。
2年生の時は、授業時数に大きな変更はありませんが、
数学で「円周角」を省略するので若干ですが時間に余裕ができます。
3年生の時は、2007(平成20)年度入学生と同様、理科の時間が増え、選択授業の時間が減ります。
そして、この年度では更に、数学の時間が年間35時間(1コマ)増え140時間になり、
その時間を選択からまかなうため、選択は2年前と比べて60時間も減りました。
(内訳は、理科のために25時間、数学のために35時間)
内容は、「二次方程式の解の公式」「相似の面積・体積比」「標本調査」などが、この年から増えます。
2年で省略した「円周角」も、「円周角の定理の逆」が加わってパワーアップして3年に返ってきます。


1994(平成6)年度生まれと、1995(平成7)年度生まれは、
それぞれ中3と、中2・3で移行措置期間となり、学習内容に変化がありましたが、
高校に進学してからは、基本的に現行学習指導要領に逆戻りとなります。
中学で「二次方程式の解の公式」を学習しても(1995(平成7)年度生まれのみ)、
現行指導要領では中学で学習しないことになっているために高校数学で出てくる「二次方程式の解の公式」を、
削除することにはなっていません。 (※スパイラル学習の概念はここでは無視)
理科でも同じようなことがいえます。
つまり、この2学年については、中学でここまで詰めた移行措置をやる必要があったの?と問うてしまいます。
高校入試での負担が増えてしまうかもしれないのに…。
まだ、高校でも移行措置として学習内容の整理があれば別だったのですが。
「ゆとり」だの「学力低下」だのはよく聞くのに、
それ以上に現実味のある「移行措置」には誰も振り向かない現状を打破しなければならない!
そう思った私は、「移行措置」について語り始めることにしました。
「移行措置」がここまで大好きなのは、多分世界中探しても私だけでしょう!

で、そもそも「移行措置」って何だ?といいますと、
文字通り「物事の移行期に特別な対応を行う」ということですけども、
検索をかけてみるとわかるように、
教育用語として使われることがまずほとんどなはずです。
「移行措置」とは、教育の指針を示した「学習指導要領」が改定される直前期に、
学習内容の学年間のブレを最小限に留めるために行うものです。

この「移行措置」、小中高と行われるのですが、
小学校はかな~り複雑で、追求すれば面白いのですがそこまで時間もないので…
一方中学校は比較的わかりやすくて興味深いので、ほとんど中学校のことを中心に扱っていきます。

今は「移行措置」の真っ最中です。
小中では去年2009(平成21)年度から始まり、
小学校では今年2010(平成22)年度まで、
中学校では来年2011(平成23)年度まで続きます。
そして、小学校では来年2011(平成23)年度から、
中学校では再来年2012(平成24)年度から、新学習指導要領の完全実施となります。
ん、じゃあ2008(平成20)年度以前はどうなるの?というと、
実はどうにもなりません。。
あくまで2009(平成21)年度以降が対象になるのです。

では、新学習指導要領になって、一番分かりやすい変化をお伝えしましょう。
理論上、今までの中学校は6時間の日が週3回、5時間の日が週2回でした。
これが、2012(平成24)年度からは、6時間が週4日、5時間が週1日になります!
つまり、1週間に授業が1時間増えるということなんです。
放課後余計遊べなくなっちゃいますよねー。これでいいんでしょうか??
(あ、ちなみに、私に「理想の教育」というのはないに等しいので、
中身の良し悪しについてはほとんど語りません。ここでは言っちゃってますけど。)

それでは、手始めに、
中学校の入学年ごとに、授業内容がどう変わるのか簡単にご説明していきましょう。
まずは、<2007(平成19)年度入学生(1994(平成6)年度生まれ)>からです。
1年生(2007(平成19)年度)と2年生(2008(平成20)年度)の時は現行学習指導要領のままです。
3年生(2009(平成21)年度)の時、つまり去年から移行措置が始まりました。
この学年では、理科が年間80時間だったのが105時間に増えました。
増えた25時間分は、「選択」の必修部分からまかなわれました。
つまり、この年の3年生は、前の年の3年生よりも選択授業が減っているはずです。
その分、理科では、割とメディアにも登場した「イオン」などの内容が増えました。
実は、こういった「イオン」や、「遺伝法則」「仕事」「月」などの内容は、
新学習指導要領施行の2012(平成24)年度からではなく、
もう既に去年から教えられ始めていたのです!ご存じでしたか?

次回は、2008(平成20)年度入学生以降の情報をお伝えします。