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ポール・サミュエルソンの「経済学」
初期のケインジアンたちは、経済安定化政策において最も効果を発揮するのは財政政策であり、金融政策は補完的なものにすぎないと考えていました。それは、金融政策の波及効果は短期金利を変化させてマネーサプライを増やし、民間投資を拡大させるものであったのに対して、財政政策であれば政府が直接的に需要を創出できるように思われたからです。彼らはさらに、そのようにして生み出された需要は、必ず人々の所得となり、その所得がさらに需要を生むという形で、社会全体に波及するしていくと考えていました。つまり、政府の拡張的財政政策は、所得と需要の連鎖を通じて、増幅的な経済拡大を持つと考えられていたのです。これが、ある時期まではケインズ経済学の核心とさえ考えられていた乗数理論です。マクロ経済学の初級ではマクロ経済を描写する経済モデルとして、「45度線モデル」ともいわれるケインズ型の乗数理論が用いられています。ケインズの「一般理論」に提示された有効需要の原理を、教育目的のために「45度線図」という分析用具によって再構成したのは、アメリカの経済学者ポール・サミュエルソンです。その初版は1948年に出版されたサミュエルソンの「経済学」は、ケインズ経済学に基づいて書かれた経済学教科書としては史上2番目のものであったが、ケインズ経済学の普及と大衆化という点に関しては、それ以前や以後のどの書物よりも大きな貢献を行ったと言われています。45度線モデルとは、一国のGDPがもっぱら一国の総需要から決定される、最も単純なケインズ型経済モデルです。その分析的焦点は、政府の拡張的財政政策が一国のGDPをどのように拡大させるかにあります。一国のGDPとは人々の所得の総計であり、それは人々の支出の結果として生じるのものです。したがって、政府が拡張的財政政策を行えば、それは必ず誰かの所得になり、一国のGDPはその分拡大します。そのモデルの中核となる乗数理論は、拡張的財政政策によって人々の所得が増えれば、人々はその増えた所得の一部を必ず消費に振り向けるだろうという仮定に基づいています。その場合、その新たな消費は必ず誰かの所得になるから、その所得がさらに新たな消費を生むことになります。つまり、政府の拡張的財政政策は、この所得の連鎖を通じて、一国のGDPの増幅的な拡大をもたらします。これが乗数効果と呼ばれるものです。
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