2014年度の社会保障給付費は約112兆円です。日本のGDPは500兆円ですからGDPの22.4%に当たります。その内訳は、多い順に年金54兆円、医療36兆円、福祉その他12兆円、介護9兆円です。医療と介護を合わせると45兆円と社会保障給付費の多くを占めていることが分かりますね。

 安倍内閣はこの10年間でGDPを100兆円増加させる計画を打ち出していますが、本当に上手くいくでしょうか。

 2025年にはどのような姿になっているかというと、政府の推計によれば社会保障給付費は約150兆円まで膨らむということですから、さらに38兆円の増加が見込まれている事になります。

 しかもその増加する38兆円の内訳は医療の増加分18兆円、介護の増加分が11兆円です。年金の増加分は6兆円ですから医療と介護の増加分が年金の増加分をはるかに上回る計算になります。

 

 2017年の日本の財政に目を向けると興味深い内容が見えてきます。歳入の総額は97.5兆円です。そのうち税金は58兆円、国債(つまり借金)が34兆円で、その他が5.5兆円です。

 日本の社会保障給付費112兆円のうち、国が負担している社会保障費の支出は32.5兆円ですが、国は他にも公共事業や、教育、防衛費、エネルギーなど支出するべきものが沢山あります。

 消費税を1%上げると国の歳入は約2兆円増えます。2014年に消費税が5%から8%に上がりました。更に2019年には2%上がって10%となります。

 5%の消費税増税で増える歳入は10兆円です。仮にその全てを社会保障費に当てたとしても、増加する社会保障費の支出と計算が合わないのは明らかです。

 日本もスウェーデンのように所得税を50%、社会保険料を6%払う日が来るかもしれませんね。