学校が始まり、何も決まらないまま日々が過ぎていく。そんな日常の中で働いている人たちの姿を目で追う様になっていた。歩き回る営業マン、工場で働いてる人、店で接客をしている人とバックヤードで事務仕事をしている人。世の中には様々な仕事があるんだなと意識する様になった。

ある日の帰り道、電車を降りると一人の中年男性が駅員に詰め寄っていた。どうやら改札機に切符が詰まってしまったらしい。駅員は苦戦して、奥から上司が出てきてお客様に謝っている。
その光景を見たときに鉄道会社は「接客業」なんだと認識した。
家に帰り、業界研究をしてみようと思い鉄道会社各社のHPなどを調べてみると鉄道会社は電車を動かすだけでなく、お客様に時間と安全を提供する仕事であり、お客様と対面する機会も非常に多い事がわかり、特殊な業界だという事を強く感じたと同時に就職活動の中で初めて興味が湧いた瞬間であった。
それから私は電車に乗るたびに、そこでは働いている人の姿を目で追うようになった。