ネット上では永遠の19歳(願望)のシーナですが、自由意志で未知のもの未完成なものに向かっている時などに、ふと19歳の頃の感覚が蘇ることもあります。で、思わず鏡を見ると、エアロスミスのドリーム・オンが必ずBGMに流れるのですが・・・。
わたしがリアル19歳だった頃、部屋に二枚のポスターが貼ってありました。
机の前にはチープ・トリックのレコード『蒼ざめたハイウェイ』に付いてきたと思われるジャケットのまんま、ギターのリック・ニールセンとドラムのバン・E・カルロスを除いたイケメン(笑)ツーショットが。
そして机に向かって右の障子にはJAPAN、下のYou-Tubeの画像と同じようなスタイルで、たぶんメンバー全員がポケットに手ぇ突っ込んで立っている感じのポスターでした。Vo.デビシルとDs.ジャンセンが兄弟であることは知らなかったのか、そこまで関心がなかったのか?




$Day dreamer's trailここからが本題で、元JAPAN赤髪べーシストのミック・カーンが昨年ガンで亡くなっていたんですね。その闘病中に録音し、文字通り遺作となってしまったミニアルバムが日英同時発売になりました。

写真二つ折の縦長ジャケットの下の方には for Metis 1984 2011 DALIS CAR と、ジャンセンが撮りためていた写真の日本版ボーナスブックレットの表紙には Mick Karn 24th July 1958-4th January 2011 という文字があります。つまりダリズ・カーというユニットとしては27年ぶり二枚目のアルバム、ミックはわたしと同級生52歳という若さでこの世を去ってしまったのでした。
わたしがあれこれ言うよりも、ブックレットの中に音楽活動を共にしてきた仲間たちのコメントが寄せられているので、その一部をご紹介したいと思います。翻訳はミック・カーンの自伝も翻訳している中山美樹さんです。

恥ずかしがり屋で、内向的で、クリエイティブな男・・・・・ミックの最期の日々、彼のそんな側面と絆を深く結ぶことができて本当に良かった。そしてこの『InGladAloneness』は彼へのはなむけだ。僕たちがまた会う日までの・・・・・。
Vo.ピーター・マーフィー

数年一緒に作業をしていなかったのだが、ミックは最後のレコーディングに僕にも参加して欲しいと言ってきた。更にレコードのミックスまでも僕に任せると言われた時には心が震えた。それほどまでに僕を信用していてくれたのだから。
ミックスが終わるまで彼が生きていて欲しかった。たぶん完成した音を喜んでくれたと思う。
Ds.スティーブ・ジャンセン


全5曲のうち彼独特のフレットレス・国境レスのベースが聴けるのは3曲までで、そこに凝縮されたミックの存在感が凄いと感じます。
どこか宗教的な祈りにも似た4曲目のSubhanallah、最後は残された者の悲しみを歌っているようなカバー曲 If You Go Away、クラシックギター?の伴奏に漂う余韻と喪失感・・・
全曲で20分に満たない演奏も名残惜しく、ついまた最初に戻って聴き返したくなってしまうのです。
InGladAloneness/Dalis Car

¥1,800
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5/5追記 連休に家でゆっくりアイロンがけをしながらKOSSのヘッドホンでアルバム通して聴いていたら4曲目の途中から寄り添うようにメロディーベースの音が聞こえてきて、おや?と思いました。
普段iPodでは電車の中で音漏れしないよう最小限の音量で聴いているのですが、それにしても何を聴いていたのやら・・・汗訂正、お詫び申し上げます。