「キモっ」
そういうと、椅子から立ち上がった。
「もういても意味ないし、帰る」
「そうかい」
「っていうかさ」
「あん?」
「わたしって、あんたにとってのなに?」
めずらしいな。愛澤からそんな人の気持ちを気にするような問いかけは。
「いや、さっきあの女に聞かれてふと気になったのよ。そういえば、なんなんだろうって」
「うーん」
俺は、首を捻り、頭を捻って言った。
「他人なんじゃね?」
「まあ、そうよね」
あれ?なんていうか、さっきの愛澤の答えを皮肉って答えてみたけど、どうやら真面目に受け取っていた。
どうやら俺は、冗談とか皮肉とかがものすごくわかりにくい人間なのかもしれない。
「じゃ、さよなら」
そう言い、教室から出ていく。ドアの閉まる音。一人、教室の中に、取り残された。
俺は頭を掻いた。
まあ、同居しといて、他人はないだろ。
そのあとは普通に授業を受けて帰った。
