今年のノーベル化学賞に生物の遺伝情報を自在に書き換えることができるゲノム編集の新たな手法を開発した二人の研究者が選ばれました。山中しんや京都大学教授も以前にこの研究について話していました。

DNAを書き換えるすごい技術です。数年以内に受賞されると思います。

今年のノーベル化学賞、数年以内に確実にとした山中さんの言葉通りに、受賞になりました。DNAの情報に書き換えるのがゲノム編集です。受賞が決まった二人の研究者は、ゲノムの狙った部分を極めて正確に切断したり切断したところに別の遺伝情報を口に入れたりすることができるクリスパーキャスナインと呼ばれるゲノム編集の画期的な手法を開発したことが評価されました。

京都大学の山中教授は今夜コメントを発表。

クリスパーキャスナインを使ったゲノム編集技術は医学のみならず全生命科学における画期的な発見であり、その業績に心から敬意を表します

とコメントしました。

ゲノム編集の技術の発展に貢献した九州大学大学院石野良純教授は、

非常に眠いです興奮しております。。

DNA編集技術はあまりにも画期的と言いますからね。もう革命です。

ゲノム編集とは

まずゲノム編集とは DNA の配列の中で狙った場所を切断して書き換えたり新たな別の遺伝子を目的の位置に組み込むことができる技術です。生命の設計図に当たる遺伝情報を自在に書き換えることができます。今回受賞した一人ジェニファー・ダウドナ氏です。彼女たちが開発したのがクリスパーキャスナインという手法です。実際の丸いところがキャス9と呼ばれる酵素の働きを撮影した映像なんです。これが狙った部分を正確に切断します。簡単に狙い通りの操作ができるようになりました。しかもコストも低いということで、世界中の研究者が使うようになったんです。

ではどんな風に使われているのか。2匹の真鯛。違い分かりますか？上の真鯛がこの技術で身を大きくした真鯛なんです。大きい上に筋肉質で引き締まって、味も美味しいと言われているんです。さらに農作物を病気に強くしたり、収穫量を増やしたりするなど品種改良にも応用されています。

近年の生命科学の三大発明の一つ

医療の分野にも応用が期待され、ガンなど様々な病気の治療法の開発を目指す研究が世界中で進められているところです。今回の研究はどのくらい画期的なものなんでしょうか。「近年の生命科学の三大発明の一つ」とも言われるほどなんです。一つはですねがのコロナ対応で有名になった PCR それから IPS に代表される細胞の初期化ですね。そしてこのゲノム編集は、原理的にはあらゆる生物の遺伝子を改変できるようになり、品種改良や医療への応用が急速に進んでいます。そして今新型コロナの検出。ウイルスの検出などにも使われるという風になってきているんです。医療への応用が期待されるということでした。実際にどこまで今研究は進んでいるんでしょうか。はい「治療が難しいがん」とか、遺伝性の病気などについて、原因となる遺伝子を操作することで病気を治す治療できるんではないかと、そういうに期待されているんです。アメリカではですね免疫細胞にゲノム編集して、免疫の働きを抑える遺伝子を取り除くなどして、癌の治療効果を高める臨床研究が行われたと発表されているんです。

倫理的な問題があるんじゃ

どこまで手を入れていいのかについては、「倫理的な問題があるんじゃないか」っていうことや、生物というものに対してどこまでを擁護するか、懸念する研究者もいるんです。遺伝子を入れ替えるということは生物学にとっては大変な問題ですからね。本当に実験室から外へ漏らしたりするとえらいことになる可能性ありますからね。それは気をつけて利用してほしいと思いますけどね。人の受精卵に対してゲノム編集すると、その改変は次世代にも受け継がれていくことになります。「遺伝子を原因とする病気を根本的に治す可能性がある」という意味では期待される面もあるんですけれども、長い人類の歴史を考えてみると、思いもしないことを引き起こすのではないかという恐れもあります。それに人の場合には、「やってみて失敗しちゃったからちょっとやり直そう」というわけにはいかないんですね。2018年には中国の研究者がゲノム編集を受精卵に対して行って、双子の女の子が生まれ世界的な波紋を呼びました。この時は HIV ウイルスに感染しにくくなる改変をしたんですけれども、「それでも本当に必要なのか」といった議論や、「実施するにはまだ早いんじゃないか」といった反対意見が噴出して、世界的な議論になりました。

ノーベル委員会がこの技術を今回選んだ背景には、ゲノム編集を使うことで開かれる新しい可能性とともに、「この技術を正しく使うべきだ」というメッセージが込められていると思います。大きな可能性を秘めているだけに今後幅広い議論が必要ですね