個性豊かな12人のお話(*´`)♡ -2ページ目

個性豊かな12人のお話(*´`)♡

EXOの妄想です。
苦手な方は回れ右・*・:≡( ε:)







ニョル視点only



今さらバレンタインネタすみません○┓














「ベクー?ベクー?なぁ!ベクってばぁ!!」


『なんだよー!うるさい!今調べ物してんの!忙しいの!静かにしてて!』



そういって携帯の画面を食い入るように見ているベク。俺の大切な大切な恋人。







きっとベクと好きの大きさを比較したら、俺の方が何倍も大きい。


先に好きになったのも告白したのも俺。でもベクはツンツンしながらも俺の隣に居てくれるからすごく幸せだった。















でも最近ベクが冷たい。宿舎にいる時はずっと携帯いじってるか、ギョンスの所で何か話してる。


俺なんかしたかな………?
ウザすぎて嫌われた……?





バレンタインの日も出かけようって誘ったら無理!って即答されたもんな……




そんな事を考えながら大きくため息をついた。チラッとベクを見ても相変わらず携帯とにらめっこ。俺はヘッドホンをつけて布団にもぐりこんだ。寝て起きたらベクの機嫌が直っててくれないかなぁ…なんて考えながら夢の中へ落ちていった。





























俺の目の前には今にも泣きそうなベク。


( なんで…?なんで泣いてるの…?ベク…? )


そう思って手を伸ばしてもベクには届かない。目の前で俺の可愛い恋人が泣いているのに抱きしめることができない。

どうしても理解できなくて言葉にできない感情が俺を支配する。



そんな俺を見てベクの頬にとうとう一粒の涙が流れた。

ベクは悲しそうな表情のまま俺に背を向けて歩き出す。何度呼んでもベクは振り向かない。俺は泣きながらベクの背中に向かって叫んでいた。


「やだ…!ベク!ベク!行かないで……!ベ…ク…ッ!!!」































目を覚ますと、見慣れた天井に見慣れた部屋。


あぁ…夢か……


隣のベッドを見るとベクはいなかった。夢のせいか、汗をかいていた俺は喉を潤すために重たい身体を起こしてリビングへ向かう。


キッチンには一生懸命作業するジョンデがいた。チラッとのぞくとイーシンヒョンにあげるだろうチョコレート。


そっか…バレンタイン明日だったか……


そう思いまたため息をつく。











"吸って…!はやく…!"


ジョンデが急に叫ぶから持っていた水を落としそうになった。


「えっ……?」

"だから吸って…!はやく……!"




あまりにも神経に言うから、俺はスーッと息を吸った。ジョンデは満足そうにうなずきながら笑う。



"ため息つくと幸せ逃げるよ?ましてこっちはルンルン気分でチョコ作ってるのに隣でため息つく人いる?"


「いや…だからって吸っても……」


苦笑いする俺には目もくれず作業を続けるジョンデ。



"で?何かあった?ベクと喧嘩でもしたの?バレンタイン前日だっていうのに。"



ジョンデは昔から直球で聞いてくる。俺が悩んでることなんて全部お見通しだって位、ジョンデが切り出すタイミングはいつも絶妙だった。それだけ人の事を見てるんだろう。ジョンデはいつだって俺のいい相談相手だった。




「いや……ベクは……?」


"ベク?ベクならさっきギョンスと買い物行くって出かけてったけど?"


「実はベクが最近冷たいんだ……」


"ベクが冷たい?そんなの今に始まったことじゃないじゃん "


「違う…いつもと違うんだよ…なんか遠くに行っちゃう感じ…?明日だって出かけようって言ったら無理!って断られたし……バレンタインだよ?バレンタインに他に用事あるって……」


"なんだ…そんな事で悩んでたの??"







ジョンデの言葉に少しムッとした。



「そんな事じゃない…!真剣に悩んでるんだからな…!!」


"ごめんごめん。怒るなよ。でもそんな心配いらないと思うよ?"


「なんでジョンデが分かるんだよ…?」


"いや、少なからず俺の前ではベクはお前の話しかしないからな!さっきだってギョンスと話してる時、お前の名前チラッと聞こえたもん。"


「なんだよその根拠のないフォローは…」






俺はまたため息をついて部屋に戻った。後ろでジョンデがなんか言っていたけど、俺の耳には入ってこなかった。






そんな慰めいらない。
ベクは遠くへ行ってしまうんだろう。
成長しない俺に嫌気がさしたかな?



悪いことが頭の中をぐるぐる回ってて、さっきの夢を思い出して追い討ちをかけてしまった。





















結局ベクが帰ってきたのは夕飯の直前で、話しかけようにもずっとギョンスと何か話してるから見て見ぬフリをした。


食べ終わってからシャワーを浴びて、いつものようにリビングでベクを待ってたけどいつになってもベクはギョンスの部屋から出てこなかった。


いい加減落ち込んだ俺はギョンスの部屋に怒鳴り込みに行こうと思い、立ち上がった。でもそんなことしてもベクはさらに怒るだけだろうなと思って大人しく自分の部屋に戻った。








本を読んだりギターを弾いたりしてベクを待ったけどやっぱり帰ってこない。モヤモヤした気持ちが自分の心の中だけでは到底おさまらなくて、


「わぁぁぁぁぁ!!!!」


と思い切り叫んだ。その声が相当大きかったみたいで、カイとセフンがリビングから飛んできたけどベッドにダイブしたまま動かない俺を見て、ヤバいと思ったのか何も言わず出ていった。




何にも考えたくなくて大きな身体を器用に丸めて小さくなる。子どもの時から不安なことがあるとこの体制じゃなきゃ寝られなかった。

ゆっくり目を閉じて意識を手放した。
























次の日、目を覚ますと隣のベッドにベクの姿はなかった。結局ギョンスの部屋から帰ってきたのか帰ってこなかったのかさえ分からない。


そんなに俺のこと嫌いになっちゃったのかな…?



そう考えるとまた気持ちは沈んだ。







気持ちを少しでも切り替えようと顔を洗いにベッドを降りる。ふと机の上を見ると、可愛くラッピングされた小さな箱。その上にはカードが置いてあった。


箱とカードを手に取り、もう一度ベッドに腰かける。カードを開くと見慣れた字が並んでいた。


ベクだ…











チャニョラへ


サプライズバレンタインだよ。びっくりした?
昨日ギョンスに手伝ってもらって作ったんだ。
俺が作ったんだから美味しいに決まってる!
変なものは入ってないから安心して。笑


最近あまり一緒にいれなくてごめん。
どうしてもサプライズで渡したくてわざと素っ気なくしたんだ。ジョンデから聞いたけど悩んでたんだってな。ほんとごめん。

でもね、俺チャニョラが思ってる以上にチャニョラのこと好きだよ。いつだって笑顔で真っ直ぐで俺のこと包み込んでくれるチャニョラが大好きだよ。

お前はいつも「俺の好きの方が大きい!」って言うけど、俺は自分の方が大きいって思ってる。チャニョラの好きよりも俺の好きの方が大きい!

だからあんまり悩むなよ!大丈夫!俺にはチャニョラしかいないんだから。恥ずかしくて言葉にはしないけど、チャニョラの事大好きなんだから。



これからもよろしく。ずっと俺から離れるなよ?






ベッキョンより










読み終わった俺の目には涙が溜まっていて、でもそれは悲しい涙じゃなかった。ベクの言葉にあっという間に胸が温かくなった。


箱を開けると、ハートの形をしたチョコレートケーキが入っていた。






あぁ、俺ばっかりじゃなかった…
ベクもちゃんと愛してくれてるんだ…







無性にベクに会いたくなった俺は箱とカードを持ったまま立ち上がった。すると立ち上がったのと同じタイミングで部屋のドアが開いて、ギョンスがベクを連れてきた。




"ちょっと、どうにかして下さいよ…。恥ずかしくて部屋に居られないとか言い出すんですから…。"



そう言ってギョンスはベクの背中を押して部屋へ入れると、じゃあ…と出ていった。ベクは箱とカードが俺の手にあるのを見て顔を真っ赤にしたが、泣いてる俺の顔を見て目を丸くした。





『えっ…?チャニョラ…?なんで泣いてんの…?えっ…?美味しくなかった…?』


ベクがあたふたしながら泣きそうな顔するから、思わずプッと吹き出してしまった。



「大丈夫…。大丈夫だよベク…。悲しくて泣いてるんじゃない…。嬉しくて泣いてるんだ…。」



俺の答えにほっと胸をなでおろすベク。



『ねぇ!美味しかった?』


って心配そうに聞くから


「まだ食べてない…。ベク…?食べさせて…?」


ってお願いしてみた。


もう、しょうがないなぁ…ってフォークでケーキをすくって俺の口に運ぶ。真っ赤な顔のベクを見て、やっぱり俺の好きの方が大きいって思った。



『どお?美味しい?』


満面の笑みで俺をのぞき込むベクが可愛くって俺はベクを思い切り抱きしめてキスを落とした。


「美味しいよ…。ありがとう…ベク…。でもベクの方が美味しい…。」


『なっ……/// 何言って……/// 』


さらに真っ赤になった顔でベクが俺の胸に顔をうずめるから胸の奥がキュウってなった。




「やっぱり俺の好きの方が大きいなぁ…。」


俺がそうつぶやくと、ベクは勢いよく顔をあげてほっぺを膨らませた。


『ちーがーう!俺の好きの方が大きいのっ!』


「いや、俺の好きの方が大きいよ。毎日毎日ベクを好きになっていくんだ…。」


『そんなの俺だって一緒っ!!絶対絶対俺の好きの方が大きいっ!!」


「わかった!俺はベクに愛されてるんだな…。ありがとう…。」






そう言って頭をなでると満足そうにベクは微笑んだ。























甘い甘いチョコレートみたいな時間

一つ食べたらとまらない

きっとこの先もベクに染まっていく








~ end ~