待つこと10分~15分
ふすまが開いて
花さんが
『どうぞお父様を見て差し上げて下さい』と笑顔
髭も整えて
顔色も少しだけ明るくしてもらって
経帷子を着せてもらった父がいた
経帷子を着た父は全然違和感がない
むしろ似合っている(笑)
横でオットと叔母が
「なんかすごく似合ってるんだけど~」と笑ってる
母も「あら、お父さん」と笑顔
私も弟もそこにいた全員が
一瞬で笑顔になった
花さんが
『こんなに経帷子がお似合いの方は
なかなかいらっしゃらないです』
『今までで一番お似合いの方です』と
褒める褒める(笑)
確かに『水戸のご老公様』のよう
(あくまでも娘の意見です)
似合う似合うと褒めまくったので
父も照れ臭かったに違いない
「そうね、似合っとうね」と
父の笑った顔がふっと浮かんだ
賑やかに湯灌が終わって
いよいよ納棺となる