これは小笠で持ち込まれた、全く動かなくなったというプレゼントペット ピンキーリボン。原因を調べるには、縫い目を解く必要があり、後の縫い付けも考えると非常に面倒な縫い包み。
今回は、足の部分を分解して、不動原因は直ぐに判明した。両足に電池ボックス(単4×3本×2ヵ所)があるが、片方の足の一本の配線が端子から外れていた。ここをハンダ付けすると動きだけは復活した。しかし、ネットではうるさい位に音が大きいと書かれているが、モーター音のみで無音。
足だけでなく頭の方まで布を解き調べると、予想が外れてスピーカーは健在で、基板のコネクター端子でも鳴るので配線含めてOKだった。更に遡って調べていると、またも不動が再発。どこかショートさせたのかと慌てたが、原因は修理したのとは別の電池ボックスの同じ配線外れだった。分解していない側が何もしてなくても外れる様だと、半田付けの品質管理が疑わしい。市中で同原因で不動になったおもちゃが、他にもある可能性は高い。
音が出ない原因は、SOP-8のアンプIC”NY9A001”をネットで調べ、入力端子にシグナルインジェクター(昔、ラジオ修理時の定番アイテム)で当たると、ICは健在だった。セラミックイヤホンでCOBからの信号(鳴き声)は出ているのを確認でき、途中のパターン切れが原因だった。正確にはパッドは残っているが、有ったはずのチップ抵抗が蒸散したかの様に消え、溶けて流れたかのような汚れだけになっていた。アルコールを浸ませた綿棒で清掃し、新たな10KΩチップ抵抗をハンダ付けすると、うるさい位の鳴き声が復活した。これには33Ωの抵抗をスピーカーに直列に入れて、音を少し小さくして組み戻しておいた。
今までにチップ外れは散見したが、溶けたかのように消えたのは初めてみる修理だった。