「パパはわるものチャンピオン」
略してパパわる! なのかどうかは知らないが、「カメラを止めるな!」以上に父と子のアレやコレやが描かれる、まさに、タイトル通りの真っ向勝負な王道父子物語!
しかも、父と息子という汗臭さがまたいいじゃない。
うちは、女子力が高すぎるだけに、こういう汗臭さもたまにはいいじゃない。
ちなみに、映画に登場する息子と同年代である長女は、おそらく、自分がこの息子に好かれていた女子ヒロイン役になったかのような錯覚に陥りながら鑑賞していたとみられ、試合シーンでは、映画の中のお客さんと共に思わず叫び声をあげて大応援していた(笑)。
かたや、最初は観るのを嫌がっていた次女も、鑑賞後には、なぜだか試合の真似事をはじめ、パパわるポーズでシャーと言いながら襲いかかってきたところをみると、たぶん、なんだかんだで楽しめたのだと思われる。
そして、プロレスについてまったく無知な私は、原作の絵本を読んでいたため、どんな脚本に仕上がっているのかに興味がわいていたが、そこは、さすが、これからの邦画を背負って立つ和製コーエン兄弟⁉︎ 随所に仕掛けられた細かいシュールな笑いに、長女も次女も爆笑していたし、もちろん、私もおおいに笑わせて頂いた。
監督、相当プロレス研究したのだろう、ノー知識な我々でも楽しめるうえに、たぶん、きっと、プロレスファンにとっても魅力的なアレやコレやが、これまた随所に仕掛けられていたのだとも感じられた。
なにより、エンターテイメントについてはかなり辛口な子どもたちをしっかり楽しませ、同時に大人も楽しめるという映画づくりは、なかなかどうして一筋縄ではいかない作業なわけで、にもかかわらず、鑑賞後に思わず拍手をしてしまった次女と、それにつられてパパである私も手を打ったのだから、これはもう、お見事! というほかあるまいて(笑)。
そう、プロレスってどんなものなのかよくわかってないのだけれども、なんとなく、歌舞伎的な「ヨイショー!」、または、「いよっ! 千両役者!」みたいなノリがあるものだと思われ、そういうプロレス的な「ヨイショー!」が、意図的に脚本・演出に散りばめられていたように感じられ、それが物語に引き込まれやすく、かつ、一緒に応援したくなる気持ちにさせられた要因なのではないかと、偉そうに分析、さらに、豪華キャスト陣、大泉洋さんや仲里依紗さんの絶品演技、棚橋さんの素の可愛いらしさ、エンディングを飾る高橋優さんの名曲なども相まって、まさに、これぞエンタメ! 的な、笑って泣ける、「良いSHOW」に仕上がっていたのではないかと思われたのである。
ラストの試合シーンなんかは、まさに「いよ! 千両役者!」と叫びたくなる感じだったしね!
と、いうことで、同期であり、友でもある藤村監督の渾身の一作、ぜひとも劇場に足を運んで、楽しんでみてください!
どどん。
食べろー。