カラバル豆です。

硬い殻に覆われていて殻を割ってやらないと水を全然吸いません。


この豆はアフリカのカラバー地帯を主な生息地としていて現地では昔、神明裁判の儀式に用いられていた大変面白い植物でございます。


この植物にはアセチルコリンエステラーゼ

(アセチルコリンは神経伝達物質の一つでこれを分解する酵素のことをアセチルコリンエステラーゼといいます。)

を阻害するアルカロイドフィゾスチグミンが含まれており、摂取すると作用機序が違えど悪名高き神経剤と同じ症状をきたします。


ここだけ見ると毒草ですが、ハシリドコロやベラドンナに含まれているアトロピンなどのアセチルコリン阻害剤と拮抗します。

(ただ、カラバル豆を薬草として使うにはあまりにも致死量がピーキーすぎるので実用性はありません)


そんな本種は豆科で無胚乳種子です。


(画面中央左側の子葉付け根部分が胚)

種子が大きく、子葉に栄養が蓄えられているのですが、この植物めちゃくちゃ栽培に向きません。

主に四つの難所があります。

1.殻が厚くて水を吸わないので殻を剥く必要がある。

2.胚が小さく子葉の節が部分が脆い

3.子葉が大きいので腐りやすい。

4.手に入りにくい。

大体殻を剥いている時や、水を吸わせた後管理している時に子葉がブチっとちぎれます。

そして大抵腐ります。

実生するのが死ぬほど難しいです。


このように半分になっても成長しますが、あまり大きくなりません。