12/7(金)~9(日)に行われていました

音声劇団ばなわに! meets AKITOLET提携朗読公演第二弾 『una:chenter Vol.16』

3日間全6公演が先日終演致しました。

たくさんの方にご来場いただき誠にありがとうございました!

 

音声劇団ばなわに!を主催する浅沼さんにお誘いいただき、大好きなAKITOLETさんの童話モチーフの作品Onceシリーズの中から3篇+オリジナルを加えた4篇構成での演目でした。

私が出演したのは「白き雪の王」リトルスノウ、そしてシャッフルキャスト回での「黒の法廷の帽子屋」チェシャ猫チェルシーでした。

ツインテールとかほんといつぶりだよっていう…!

でも来てくださった方々に気に入っていただけたようで良かったです( *´艸`)

チェルシーは稽古中もとにかく楽しく!テンション最高潮に演じました!

「黒の法廷の帽子屋」はアリスと帽子屋が入れ替わるというとても難解なお話でしたが、その魅せ方がとても巧妙ですごく好きなお話でした。

初見ではわからないけど何回も聞いていく度にそういうことだったのか!という気付きが生まれてくるそんな癖になっちゃうお話。

その中でも確信をズバズバついてアリスと帽子屋を揺さぶる役は本当に楽しかったですね!

 

そしてメイン役の「白き雪の王」

いろいろ物議を醸した?衣装です。

えぇ、来る方々みんなに大好評でした!ありがとうございます!!!

王様だからコルセットもガーターベルトもありだよね!と思い趣味丸出しの衣装になりましたよね。

とにかく全身真っ白にしたかった。だって雪の精だもの。

ちなみにマントは当初なかったのですが某シリウス役の方に「寒そう」と言われ追加されました←

 

リトルスノウは本当に最初から最後まで悩まされました。

読み合わせの段階で自分から希望した役だったのですが、元のオリジナルの方では少年だったのですよね。

だからそれをどう女性にするか、そして限られたシーンの中でどう彼女を引き出すか…本当に難しかったです。

浅沼さんにはとにかく「後悔に苛まれてて」と言われた気がします。

自分のせいでスノウレインの人生を狂わせてしまったこと、愛する人の人生を奪ってしまったこと。

生きるには必ず何かの犠牲が必要です。

この「白き雪の王」で何を伝えようと考えたときに私が思いついたのは「孤独」です。

「孤独」によってスノウはレインを欲してしまう。そしてスノウがいなくなると知ったレインは孤独を恐れ供物をもってスノウと一緒にいたいと願ってしまう。

ひとりでは寂しいよね。その思いは痛いほどわかるのでそんな気持ちをスノウに乗せて演じさせていただきました。

スノウの言葉の中で「私の我儘のせいで」ってあるのですが、我儘は言っていいんだよ!だってそれは寂しいって、生きてるって証拠だと思うから。

残された時間の中でスノウレインと一緒に生きられたこと、そして自分の罪に気付かせてくれたシリウスと出会えたこと。

自分の命をもってレインの手を汚さずにひとりぼっちにさせないことができたこと。

彼女は笑顔で消えていくことができました。

そんな悲しくも儚い物語。

 

ということでヴィックにすべて持ってかれましたけどね!いやーずるいっ!でもあれは本当に惚れるよ、あんなお兄ちゃんシリウスやレインじゃなくても欲しくなるよ!!!

あ、今回ビジュアルなかったので髪型で毎回遊んでました。

そして何気にバックカチューシャというものもしていたのですよ。

「RAGA MUFFIN」さんの「雪降る刹那」

いつも頭が寂しいので探していたところドストライクでした。

 

そして今回のために作っていただいた雪の王を象徴とする「青い炎」のネックレス!

共演者の小豆戒斗さんに作っていただいたのですよー!ほんっとうにありがとうございます!!

人間が「赤い炎」というのは話中に出てきていたのですが、改定後の台本では雪の精霊は「青い炎」というところがカットされててハッ!(°Д°)となりましたが、まぁニュアンスで…←

 

長々となってしまいましたが、今回の座組の方々本当に皆様にお世話になりました。

こういうチームごとの演目に出るときはいつも自分たちのが一番良い!って思って臨むのですが、そんなこと思う余裕もなく、むしろ素晴らしいものばかりだからぜひ見て!自分の見なくてもいいから他の見て!!ってなるくらい素敵なものばかりでした。

 

「白い鏡の林檎姫」

まさかの白雪姫の後日談とのことで成長した白雪姫と王子様のお話。

これはキャスト宛書きというのも相まって本当にはまっていました。

パートナーに愛されたいという誰もが持っている感情を一心不乱に演じたイヴ役戸來真由美さん。

声で聴いているだけでも存在感抜群でその女性ならではの美に対する執着を痛いほどに感じる演技、そして愛する人を自分の手で葬ってしまわなければいけない苦しみ。

いつも聴いていて胸に刺さってました。あぁ私もお客さんになって間近で見たかった!!!

狂った王子を演じたジュリアス役山本モリヒトさん。その狂気は元々持っていたものなのかはたまた鏡の呪いに囚われてしまったからなのか。

改めてお話を考えると確かに死体にキスするってそういうことだよな、と白雪姫について改めて感じさせられますよね。

お話はファンタジーだけど普通の夫婦間でも起こりえることなのだろうなと思うと、本当にいつまでも一緒にいるって難しいことなのかなと思いました。

魔術師カイン役・浅沼諒空さんはまー煽る煽る。

稽古中も楽しく演じられてましたが本番でも期待通り煽ってなんて楽しそうなんだと思っていつも聴いてました。

浅沼さんは本当に低音が素敵でその声での煽りからの確信についてくる台詞はいつも聞き惚れてます。

こういう役は本当に似合うなぁと。

白き鏡のエラ役・AYAさん。

淡々と冷静に読んでいるのにその澄んだお声が強く印象に残るさまが本当に物語のキーである鏡そのものでした。

1回代役で読んだのですが、本当に難しい役です。

歴代の王妃に付き従いながら何度も白雪姫のような惨状を目の当たりにしてきたのかなぁと思うと鏡も救われないですよね。

でもそれこそが彼女の使命なのかなと。

 

「黒の法廷の帽子屋」

アリスを神様とした世界で、ひとつの駒を愛したがために起こった悲劇。

先述したように読めば読むほど物語が紐解かれるそんなお話。

聞く方はめちゃくちゃ頭を使うお話ですがその分たくさん考えさせられるので本当に大好きなお話です。

台本中でもチェルシーとして「アリス」と言っているところでもそれは本当の「アリス」に言っているのか「帽子屋」に言っているのかと考えるだけでもまた違った読み方ができますよね。

元のモチーフ「不思議の国のアリス」が好きだったのでこういう風な新たな解釈でお話を楽しむことができ、それに関われたことが本当に嬉しいです!

 

「金の魔笛と死の葬列」

始まる前からTwitter上でめちゃくちゃ推していた作品!

皆さまのアンケートを見ても断トツ人気でしたね。

物語の展開がピシッとしっかりしていて後半のジェットコースターのような展開は溜まらないっ!!!

それを演じる皆さまも本当に熱演の嵐で、千秋楽の勢いは輪をかけて素晴らしかったです。

アルメリア役・美鈴さんは稽古中からフルスロットルで読み合わせの段階からアルメリアを掴んでいるかのようで、毎回叫びに脱帽しておりました。可憐な少女があんなに残虐になるなんて…!

神父を刺すところなんてみんなして手を振り上げてましたからその様はまるでライブ中の観客のよう…w

アルメリアという静と動を一体にした役どころは演者なら挑戦という意味で演じてみたいと思うのですが、あのクオリティを出すのはかなりの経験や技術が必要だと思います。本当に尊敬します。

グレミオ役・モリサキタテワキさんは稽古中からその狂気っぷりに悩まれていたようですが、後半の方では本当に憑かれていたかのように豹変しましたね。

元のモリサキさんが神父のような方なのでその変わる様は本当に圧巻でした。アルメリアに対する恫喝も素晴らしかったです!

素晴らしい変態でした!というのが許されるのが役者ならではですよね?

42回+稽古中の刺されっぷりお疲れさまでした!

ジョセフ(青年)役・小倉ミツハルさん、真面目で真摯な青年がとてもよく似合っていたのですが、あのルードヴィッヒに育てられてよくそんな子に育ってくれたよとよしよししたくなる飼いたい系男子。短い稽古期間の中でピンポイントで役の特性を自分のものにしているなぁという印象でした。グレミオに圧されているところの怯えはたまりませんね…あそこで見ている方みんな同じ気持ちだったのでしょう。

ジョセフ(少年)役・小豆戒斗さん、要所要所に出てくる回想ジョセフ少年は本当に人生の一番深いところを演じるわけでその闇が深い分めちゃくちゃ大変で稽古中もすごいなぁと見てました。誘拐されて媚を売るなんてなかなかできる芝居じゃない。そんな生死の分け目を本当に熱演してました。だからこそ最後の「友達だよ」というところは胸が熱くなりましたよね。

ルードヴィッヒ役・浅沼諒空さん、カインも楽しそうだったけどこちらは本当に素の浅沼さんに近いところもあって見ている側を楽しませてくれました。今回の朗読出るまで名前と声とあと数回会ったくらいだったのですが、稽古中もとっても自由であぁこういう方なんだなと良い意味で印象付けられました。それもあって幕間の挨拶とか真面目なところはどういう構造をしているのかとても気になりますよね←

 

「白き雪の王」

原作が「雪の女王」とのことでしたが元の話を知らなかったので本番前に調べましたよね←

表題が「雪の女王」でも話自体は連れ去られた少年少女の物語なので自分の立ち位置にすごく悩みました。

シリウス役・平峰裕太さん、「黒の法廷の帽子屋」のブラックとのギャップが本当に激しい!!

ジョセフと人気を二分する可愛い系男子なのですが、そのギャップの高低が恐ろしいです。そこが両方できるのならもう怖いものなしなのでは?さらに今回のオリジナルドリンクも彼考案なので才能がいろんな方面に長けていて恐れ入りますという言葉しか出ないです。

音響もやっていて大変だろうに周りにも目を向けていて本っ当にありがとうございます!!

ヴィック役・山本モリヒトさん、ジュリアス王子と違い持ち前の兄貴的な魅力を十分に発揮させてました!

みんなの頼れるお兄さん、一家に一台欲しいくらいですよね。ふたりの弟(分)に対する思いはそれぞれ違えど、それぞれを大切にしたいという思いがとても伝わってきて、死んだ身で横で聞いてても胸が熱かったです。

この雪の王ならもっと別の方法でみんなを導いてくれるのかなと。

スノウレイン役・松田遊也さん、静かなようで熱いところを持っている、そんなところがレインに似ているのかなと思いました。

赤い炎を奪われてスノウの導きにより雪の王となったレイン。ここに来るまでに彼はどんな心情なのだろうなとスノウの立場からはあまり考えられなかったのですが、その葛藤の末にスノウと生きたいと思ってくれたこと、スノウのために命を狩ろうとしてくれたことはそこにもちゃんと愛があったのかなぁとスノウ役としては嬉しいですね。

このふたりのラブロマンスが描かれない間での物語にあってほしいなと願ってます。

 

 

という取り留めない言葉で綴ってしまいこんな長々と読んでいただきありがとうございます!

言葉がまとまらず役と演者ごっちゃになってしまって本当にすみません!

 

最後に、この演目を彩ってくれたものたちを!

イヴ役戸來真由美さんが作ってくれた素敵なイラスト!

それぞれの物語を描いておりその表現力が素晴らしい!!

 

平峰くん考案・オリジナルドリンクより「金の魔笛と死の葬列」

度数の高めのお酒ですが2時間の公演中に飲めるようにと考えて作られたというのを後で聞いて、さすがだなと思いました。

私も後で飲ませていただいたのですがピリッとしていて物語を表しているような味でとても好きでした!!

 

「白き雪の王」のオリジナルドリンクで、最初は赤、そして混ぜると青くなるというまさに赤い炎を狩られ青い炎(雪の精)になるという物語そのもののドリンク!感服しました。

味もほんっとうに美味しくてこれがもうこれでしか飲めないのかと思うととても残念で仕方ないです…。

 

初めてのBar公演ということもありお客様とこんなに近い劇場は初めてだったのですが、その分演目中の空気も皆さまと一体になれていたのかなと思います。

素晴らしい共演者の方々とご来場くださったたくさんの方々に、本当にお礼申し上げます。

素敵な舞台に立たせていただき誠にありがとうございました!!!