反抗を繰り返すしながらも

時間は確実に過ぎて中学を卒業して

私立の女子高に通うことになった。


同じ中学から同じ高校に行く友達も数人いた。

今までは教室に男子もいたのに女子だけの教室。

それは新鮮で楽しかった。

授業中に後ろの席から小さく たたんだ手紙が渡された。

中を開けて読むと

「次の授業、一緒に サボらへん?」

そんな事が書いてあった。

ワクワクして

「いいよ」

私は そう言った。

学校を抜け出しサボる授業。

姫路のみゆき通りで慣れない化粧をして はしゃぐ二人。

仲良くなるのに時間なんて要らなかった。


そして また抜け出した学校。

その先で出逢った人・・・橋本幸一(ユキ)。

これから大スキになる男性だった。


サユリが連れて行ってくれた広場に他にも男子がいた。

サユリの彼氏も初めて紹介してもらった。

楽しい時間の帰り、追いかけて来てくれて送ってくれたのがユキだった。

バリバリと音をたてて走る原付。

「俺の後ろに乗せたる。特等席やで」

少し照れたように笑ったユキの事…今でも覚えているよ。

施設の近くで

(私)「止まって。ここでイイ。送ってくれて ありがとう」

(ユキ)「暗いし家まで送るで」

(私)「イイ。親うるさいし」

大きなウソ。サユリにも話してない事で

家が施設とは とても言えなかった。

(ユキ)「なぁサチ、明日も迎えに行っていい?一緒に帰りたい」

何だか恥ずかしくて

(私)「ユキが どうしてもって言うなら別にエエよ。じゃあね」

走って帰った。本当は嬉しくて部屋に帰ると「やったぁ」っと叫んでいた。



学園の先生から母の死を聞いたのは

姉と帰った日の夜やった。

母の死を口にして先生が泣いていた。

「悲しいときは泣いてもいいんやで」

先生は そう言った。

涙は もう枯れてしまったもかもしれない。一粒も流れなかった。

(私)「話は それだけ?あたし見たいテレビあるから」

部屋を出て みんなと一緒にテレビを見て笑った。

その次の日やった。

(先生)「先生に色々話しにくいなら中田先生と話してみる?」

中田先生は月に三回ほど学園に来るカウンセリングの人。

(私)「あたし何か おかしい?」

(先生)「おかしいくないよ。ただ中田先生となら話せる事もあると思う」

話したいことなんて何もなかった。

中田先生と部屋に入ると寝たり本を読んだり雑談すらもしなかった。


学園の規則にはウンザリの日々だった。

門限は17時。朝はマラソン。掃除。時間の縛り。規則…

万引きをしては どんちゃん騒ぎをする日々…

タバコを吸う未成年。酒を飲む未成年。

この頃 年上の人との付き合いの中で影響を受けたのが尾崎豊の音楽。

歌詞、メロディが冷え切った心に響いた。

共感出来る歌詞は心臓が動く意味さえくれたような気さえした。

盗んだ原付で夜中走る未成年…

星が綺麗でホンノ少し自由な気がした。

尾崎豊の音楽は癒しで安定剤のような音楽だった。

見えない未来に・・・行き場のナイ思いに…苛立ちに…反抗期に…

淋しさに…大人になるのが怖い あたしに そっと寄り添ってくれた音楽だった。

その日は突然やって来た。

部活をサボり帰ろうとすると

「サチ~」

声のする方を見ると愛歌音(姉)ちゃんが立ってた。友だちも一緒やった。

(私)「どーしたん?」

(姉)「一緒に帰りたいなぁって思って・・・」

何とも言えない表情をしてた・・・

(私)「うん。帰ろ」

愛歌音ちゃんの友だちは

「また明日ね」

そう言って帰って行った。

(私)「こうやって一緒に帰るの久しぶりやなぁ」

(姉)「今日なぁ友だちと学校サボったねん」

(私)「エエなぁ~楽しかった?」

(姉)「寂しかった・・・」

自転車で二人乗りしていたから どんな顔をしていたのかは分からんかった。

でも背中から十分伝わってきた。

(私)「なぁ自転車おして歩こ」

そう言うと止まってくれた。私は自転車の後ろから降りて

姉は自転車を押しながら 私はその横を歩きながら・・・

(姉)「昨日 先生(学園)に呼ばれてさぁ、お母さんが亡くなったって・・・」

歩いていた足が なぜか止まった。

(姉)「歩き!!泣いたらアカンで」

涙は出んかった。そして歩いた。


母親がこの世を去った時、私はどんな時間を過ごしとったんやろう・・・

死ぬ間際、何を想ったんやろう・・・

「なんで私を産んだのか」一番聞きたかった事、聞く相手がいなくなった。

生きる意味が本間に分からなくなった。

ここから私の反抗期は酷くなった。