
想いをpocketに詰め込んで
路面電車に乗る
千本通りから右折し
二条から四条河原へ
そして祇園へと向かう
八坂神社前で
あなたと待ち合わせたのは
もう 7年も前の出来事
pocketに詰め込んだままの想いは
あなたに伝えられないままに
7年後の今日も
あの
八坂神社前で
あなたが来てくれるのを
待っていた
伝えられず
pocketに詰め込んだ想いを
自由にしてあげる為に
7年前のように
四条河原まで歩き
河に浮かぶ月が「綺麗だね」って
話しながら
pocketから詰め込んだ想いを
右手に握り締め
あなたの顔の前まで持ってゆき
ゆっくりと
掌を開いて行く
「ずっと あなたが好きだった」
レトロのテープレコーダーから流れる出る音楽みたいに
少し 錆び付いていた
あなたは瞳にいっぱいの涙を溜め
「ずっと あなたの心を探してた」
そう言いながら
泣きじゃくった
やっと
モノクロームの夢を見ることから
解放された瞬間だった