旧教育=詰め込み式の個を無視した教育
新教育=生徒主体の自発性を伸ばす教育

新教育運動とは、それまでの旧い教育法を批判するかたちで生まれ、19世紀末から20世紀の初頭にかけて、欧米諸国を中心として中国やインド、日本などのアジア各国にまで広がった国際的な教育改革運動であった。

当時の欧米諸国は、初等教育の義務化を図り、教育の機会均等を保証する国民教育制度を確立しつつあったが、その実際の教育体制は、暗記諳誦による旧くからの注入主義的な教授方法が行われており、子どもの人格や個性が無視されている、教育の中心が児童の「外側」にあるようなものであった。

そのような旧態依然としたやり方を批判し、子どもの興味・関心、自発性を尊重し、子ども自身による作業や活動を強調し「教育の中心を児童」にしたのが、新教育運動であった。その思想は、ルソーの子どもを一人の人間として認め、その発達や個性を尊重する教育理論の継承、発展を基本としており、ヨーロッパでのこの運動の始まりは、セシルレディによって創設された「アダッツホルムの学校」からであると言われている。

アメリカでは、民主主義を基礎にパーカーによってこの運動が始まり、シカゴ大学の実験学校を創設したデューイによって継承発展され、進歩主義教育運動として展開され、広く影響を及ぼしていった。それは例えば、キルパトリックのプロジェクトメソッドであったり、個別学習を行うウイネツカ・システムやドルトン・プラン、そして『児童の世紀』を刊行したエレン・ケイなどであり、日本の大正自由教育にも、自由な自己活動を尊重する新しい教育が試みられたように、世界的に発展していった。

新教育運動の理論と実践はますます多様化してきており、現代の教育にも脈々と流れている。