はじめてみると、それまでの自分は何だったんだろうか、と思えるくらいすらすらと問題が解けてゆくのだった。また、ちょっと難しい問題にもめげてしまうことがなくなっていった。


 文章問題などは、はなからあきらめていたのだが、問題に向かう際の意識が変わり、どこかに必ず手がかりがあるはずだ、まだ見つけられていないだけのことだ。といった前向きな気持ちが強くなり、あきらめなくなった分だけ解ける問題が増えた。


 それまでは、文型の人間だと自分を決めつけ、数学理科はわからなくて当然と考えていたが、意識が変わり、モチベーションが高まるにつれて、能力が高まった。


 これは、それまで眠っていて、手がつけられることのなかった部分の遺伝子情報のスイッチが入ったのだということをその後に筑波大の、村上名誉教授の講義で確認させてもらうことになる。


 また、このことによって生まれた自信が、その後の自分の人生も大きく変えてくれることになる。