その場は、生徒にわびた。「Y さん。ごめん。そこのところまだ上手く説明できないんだ。来週までに調べておくから待ってもらえる?」と。


 彼女曰く、「あ、大丈夫だよ先生。ここ予習でやっているんで新学期までにわかればいいんだ。」


 正直ホッとはしたが、でも自分としては悔しくてしょうがなかった。と、本棚に目をやったとき中2の教科書が目に入ってきた。何の気なしにてにとってパラパラめくっていると、たまたま一次関数の単元だった。


 早々、この単元からわからなくなったんだっけな。などと考えながらページを進めて行ったわけだが、なんとなく先が見えてきた気がした。


 今の今まで、絶対私には理解できないであろうと思っていた単元である。早々簡単にはいかないだろうなとは思ったが、そこはそれ、必死な思いで彼女の席の前に行って聞いてみた。


「一緒に考えてみようか。どこまで考えた?」と