王をのろおうと、ひそかに思ってはならない。寝室でも富む者をのろってはならない。なぜなら、空の鳥がその声を持ち運び、翼のあるものがそのことを告げるからだ。                                                    ―伝道者の書10:20-

悪いことばを、いっさい口から出してはいけません。ただ、必要なとき、人の徳を養うのに役立つことばを話し、聞く人に恵みを与えなさい。
―エペソ4:29-

今週は伝道者の書(コヘレト)から学びましょう。著者は伝統的にはイスラエルの王、ソロモンと言われていますが、謎に包まれています。いつ書かれ、編纂されたのかもはっきりわかっていませんが、少なくとも、3000年ぐらい前の時代に書かれたものかもしれません。冒頭の箇所は当時の状況を物語っています。ことわざで、【壁に耳あり障子に目あり】と言いますが。当時の世の中は監視社会であった事が伺えます。「ここなら誰も聞いていないだろう・・・」と思っていても、思わぬところに間者がいて、権力者に密告され、投獄され、処罰を受けるといった事がよくあったようです。しかし、このあり方は今日の私たちの時代にもそのまま当てはまります。私たちは誰もがスマートフォンを持ち、インターネットに繋がっています。私たちが何気なく投稿した写真や発言はすぐさま、全世界に公表されるのです。そして、時にはそれが思わぬ方向に行ってしまう事もあるのです。ある意味、私たちはお互いがお互いを監視する社会を生きているのです。利便性と危険性の両方を熟知した上で、私たちは現代のネット社会を生きていかなければならないのです。私たちは言葉で人を慰め、励ます事もできれば、追い込み、悲しませる事もできます。私たちは自分の欠点には気付かずに相手の欠点ばかりを見つける事に必死になり、知らず知らずのうちに、否定的な発言をしてしまっている事が実に多いのではないでしょうか?神様の願いは私たちの言葉が聞く人に恵みを与えることです。イエス・キリストが罪深い私たちを赦して下さったようにお互いに赦し合い、受け入れ合うことなのです。今一度、自分自身の姿と発信している言葉を見直す時を持ってみませんか?