ヨナは初め、その町にはいると、一日中歩き回って叫び、「もう四十日すると、ニネベは滅ぼされる。」と言った。そこで、ニネベの人々は神を信じ、断食を呼びかけ、身分の高い者から低い者まで荒布を着た。 このことがニネベの王の耳にはいると、彼は王座から立って、王服を脱ぎ、荒布をまとい、灰の中にすわった。
                                                  ーヨナ3:4~6-
神である主は一本のとうごまを備え、それをヨナの上をおおうように生えさせ、彼の頭の上の陰として、ヨナの不きげんを直そうとされた。ヨナはこのとうごまを非常に喜んだ。しかし、神は、翌日の夜明けに、一匹の虫を備えられた。虫がそのとうごまをかんだので、とうごまは枯れた。太陽が上ったとき、神は焼けつくような東風を備えられた。太陽がヨナの頭に照りつけたので、彼は衰え果て、自分の死を願って言った。「私は生きているより死んだほうがましだ。」ると、神はヨナに仰せられた。「このとうごまのために、あなたは当然のことのように怒るのか。」ヨナは言った。「私が死ぬほど怒るのは当然のことです。」主は仰せられた。「あなたは、自分で骨折らず、育てもせず、一夜で生え、一夜で滅びたこのとうごまを惜しんでいる。4:11 まして、わたしは、この大きな町ニネベを惜しまないでいられようか。そこには、右も左もわきまえない十二万以上の人間と、数多くの家畜とがいるではないか。」
                                                  ーヨナ4:6~11-
教会学校のお話でおなじみのヨナの物語ですが、そこに語られているメッセージはとても深く、ユニークです。強い愛国者であったヨナはある時イスラエルの敵国アッシリヤの中心都市のニネベに行って伝道するように言われました。自分の理想と異なるこの言いつけにヨナは背き、別の方向に行く船に乗りました。ところがその船は嵐に会い、船員達が誰のせいでこうなったのかを調べるためにくじを引くとヨナに当たりました。ヨナは自分が神様に逆らったからこうなった事を告げ、自分を海に投げこむように言いました。神様は大きな魚を送り、ヨナを飲み込ませて助けました。魚のお腹の中でヨナは神様に心から悔い改めて、ニネベに宣教に行きました。ヨナのメッセージを通して、王をはじめ町中の人々や動物たちまでが神様を信じるようになりました。しかし、ヨナはこの事で腹を立ててしまいました。多くの人々が神様を信じたので、ニネベの町が滅びから救われたからです。不機嫌になったヨナのために神様はとうごま与えてヨナの機嫌を直されましたが、一日で虫に噛まれてとうごまは枯れてしまいました。再び不機嫌になり、自分の死を願ったヨナに神様は優しく語りかけられます。一夜で枯れたとうごまをヨナが惜しむように、神様はニネベの町の人々を愛し、慈しんでおられたという事を。ヨナは一見するとわがままで感情的で、およそ立派な信仰者とはほど遠いかもすれませんが、神様はヨナを愛し、豊かに、用いられました。皆さんはヨナの姿に何を見出されますか?