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世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)

先日、世界経済フォーラム年次総会、通称"ダボス会議"が開幕しました。



ダボス会議は、毎年1月にスイスの保養地ダボスで開催される会議で、政財界をはじめとする各界のリーダーたちの連携を通して、世界の経済・社会の現状の改善に向けて取り組むことを目的としています。


毎年、参加者は2000人を超えると言われています。




今会議では、成長の中心が先進国から新興国に移る中で、新たなリスク対応への議論がなされたようです。


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しかし、議論の中で、先進国は財政悪化の対応に追われ、新興国は責任の分担には及び腰で、協調への道のりが険しいことが浮き彫りとなったようです。







また、今回のダボス会議には日本の管総理も参加しました。


他にも↓


ドイツ   : メルケル首相
イギリス : キャメロン首相
フランス : サルコジ大統領
ユーロ  : トリシェ中央銀行総裁
アメリカ  : ガイトナー財務大臣


このように各国の首脳、元首脳が参加する中、管総理が個別で会談出来たのは、アメリカの大投資家ジョージ・ソロス氏だけでした。


滞在時間が短かったとはいえ、誰も日本の総理と積極的に会談したがらないのは、悲しいというか情けないというか・・・。






そして、巨額の公費(=税金を使い、政府専用機で行く意味があったのでしょうか。

日本長期ソブリン格下げ

本日、大量に円が売られました。








スタンダード&プアーズ(S&P)の日本の長期ソブリン格下げによる影響です。






ムーディーズでは据え置きでしたが、S&Pでは今までの「AA」から「AA-」に格下げされました。




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今回の引き下げにより、日本の国債価値は中国やサウジアラビアと同等と位置づけられれる事となりました。






AAA : 米国、英国、ドイツ、フランス

AA+ : ニュージーランド

AA : スペイン

AA-日本、サウジアラビア、中国、台湾、クウェート

A+ : イタリア

A : アイルランド

A- : ポルトガル

BBB : ロシア

BBB-: ブラジル

BB+ : ギリシャ







一般的に格付けが下がれば、国債が売られ、長期金利が上がります




そして、短期間のうちに、連続して格下げがあると、ギリシャの二の舞になります。








今回の日本国債格下げによる影響については、様々な意見がありますが、為替に限って言えば個人的には限定的なものではないかと思います。






S&Pの声明によると、民主党政権には債務問題に対する一貫した戦略が欠けており債務問題が深刻化しているという理由で今回格下げしましたが、現在、日本円が国際的に信認を得ているなどの理由から、当面の見通しは安定的だとして、追加格下げの可能性を否定しています。




また、日本国債は、その95%を日本人が保有しているので、ギリシャのような急激な国債売りには繋がりにくいということもあります。








しかし、S&Pは「日本の財政見通しを再び引き下げた場合には、格付けへの下方圧力が再度強まるだろう」と警告しており、もし、次に日本の格付け見通しを引き下げるときは、ギリシャなどと同様に、それは本当に日本が奈落の底へ落ちる号砲になり、日本国債暴落や、金利急上昇や、円の暴落など、一般に想定されている事態が現実のものになるかもしれません。










決して、○総理のように「疎い」と問題を遠ざけていてはいけませんよ。
















モンゴル投資

昨今、個人投資家のモンゴルへの投資が過熱しています。





先日見たニュース番組では、邦人向けのモンゴル視察ツアーが取り上げられていました。

-30℃にもなるモンゴルの地へ降り立ったのは、20名弱の個人投資家。



まず一行が向かったのは、モンゴル証券取引所でした。


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モンゴル証券取引所の時価総額は1000億円と、東証一部のおよそ3000分の1ほどの規模ですが、その勢いは勝ると言います。


次に、2つの炭鉱を所有するカナダ資本の企業と、カシミヤの加工をする企業を視察し、最後にモンゴル株の取引ができる口座開設のアテンドも設けられていました。





より良い投資先を求めて『ミセス・ワタナベ』と言われる個人投資家が海外を飛び回っているのは、日本の近況を察するに、当然の事と言えます。

今はまだ、未知数のモンゴル投資ですが、鼻が利く投資家にとっては魅力的な投資対象として映っていると思います。





勝ち組の投資家は、何に投資するかはもちろん、いつ投資するかそのタイミングの重要さを熟知していますから。


発展段階説(クローサー)

日本国が今後、どのような発展?衰退?の道を辿るかを考える時に、様々な分析方法がありますが、今日は非常に興味深い考え方をお話します。





経済学者のクローサーが唱えた、発展段階説です。



発展段階説とは、簡単に言うと、一国の発展と国際収支とが非常に密接な関係にあるという考え方です。





下記の図を見て下さい。


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国は、国際収支動向により、6つの段階を経て発展していくというものです。






それぞれの段階を解説すると以下のようになります。


Ⅰ.未成熟な債務国 : 産業が未発達のため貿易収支は赤字、資本が不足するため海外資本を導入するので資本収支は流入超、投資収支は赤字


Ⅱ.成熟した債務国 : 輸出産業が発達し、貿易収支が黒字化するが、過去の債務が残っているため所得収支が大幅赤字、結果的に経常収支は赤字


Ⅲ. 債務返済国 : 貿易収支黒字が拡大し、経常収支が黒字に転換。対外債務を返済できるようになる。これにより資本収支が流出超となる。


Ⅳ. 未成熟な債権国 : 対外債務の返済が進み債権国となり、所得収支が黒字化。


Ⅴ. 成熟した債権国 : 貿易収支が赤字に転換するが、過去の対外債権からの収入があり、所得収支が黒字のため、経常収支は黒字


Ⅵ. 債権取崩国 : 貿易収支の赤字が拡大し、経常収支が赤字に転落。対外債権が減少する。

(wikipediaから引用)



これを各段階を現状の国と当てはめると、



未成熟な債務国 → カンボジア、イラク

成熟した債務国 → ペルー、東南アジア

債務返済国 → 中国、ブラジル

未成熟な債権国 → 日本、ドイツ

成熟した債権国 → アメリカ(1980年代)、スイス

債権取り崩し国 → アメリカイギリス

となります。





一国として、理想的な段階は成熟した債権国だと言われています。



1980年代のアメリカが典型的な例です。




そして日本は今後、貿易収支が赤字に転換すれば、成熟した債権国へと発展します。



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しかし、これはあくまで表面的なことで、日本の現状からいくと、クローサーの唱えた発展段階説における成熟債権国とは成り得ません。




理想的な発展を遂げた、アメリカやイギリス、スイスなどの国は外需から内需への転換により、成熟債権国となりました。




上記の例では、内需が外需を上回る事により、貿易収支の赤字となっていますが、日本の場合はその限りではありません。


内需拡大の伴わない外需の減少は、即ち衰退を意味します。





しかしながら、一言に内需拡大と言っても、今の日本には容易なことではありません。


アメリカやイギリスが過去に発展していったその背景には、国家レベルの金融政策がありました。


両国は、国を挙げての金融政策、言い換えれば、投資を行なうことによって内需拡大に成功し、成熟した債権国になっていったのです。



もちろん、国全体の収支が変動するには、政策だけではなく、国民一人一人が投資を行なうことが必須です。


内需拡大は国民の所得(資産)増大によってもたらされます。


不景気で所得が上がらない状況下では、資産を増やすしかありません。


国民一人一人が金融リテラシーを身に付けることによって、はじめて国家の発展と成り得るのです。





激動の世界情勢のなか、日本は現状維持ができる状態ではありません。


クローサーの発展段階説から、我々日本人が向かうべき道筋が見えてくるのではないでしょうか。




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