民主政策見直し:3党合意の確認書全文 (毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20110810k0000m010024000c.html

 民主、自民、公明3党が9日合意した民主党主要政策見直しに関する確認書は以下の通り。

 民主、自民、公明の3党は、以下の点について確認する。

 一、歳出の見直しについては、以下の通りとする。

 高速道路無料化については12年度予算概算要求において計上しないこととする。

 高校無償化、農業戸別所得補償の12年度以降の制度のあり方については、政策効果の検証を基に、必要な見直しを検討する。

 なお、これらを含めた歳出の見直しについて、11年度における歳出の削減を前提に、11年度第3次補正予算ならびに12年度予算の編成プロセスなどに当たり、誠実に対処することを確認する。

 一、歳出の見直しと併せ、子ども手当等の見直しによる歳出の削減について、11年度補正予算において減額措置することを、特例公債を発行可能とするための法案の付則に明記する。

 一、法人税減税等を含む11年度税制改正法案(その内容を一部切り出して6月22日に成立した法律にあるものを除く)については、復興のための第3次補正予算の検討と併せ、各党間で引き続き協議する。

 一、東日本大震災復興基本法第8条に規定する復興債の償還財源の具体的内容や償還ルールなど、あらかじめ決めることとされているその償還の道筋については、第3次補正予算の編成までに、各党で検討を進める。

 一、11年度第1次補正予算における財源措置として活用した年金臨時財源については、第3次補正予算の編成の際に、復興債で補填(ほてん)することとし、そのための財源確保策と併せて、各党で検討する。

 一、以上を踏まえて、特例公債を発行可能とするための法案について速やかに成立させることとする。

 以上、確認する。


毎日新聞 2011年8月9日 19時12分
小沢氏、首相は「裁判が終わってからでないと」(読売新聞)
8月9日(火)0時30分配信
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110808-OYT1T01200.htm

民主党の小沢一郎元代表が自らの首相就任の可能性について、資金管理団体の政治資金規正法違反事件をめぐる訴訟が継続している間は難しいとの認識を示していたことが、8日分かった。元代表側近の平野貞夫元参院議員が国会内で行った講演で明らかにした。

 元代表は平野氏に「首相という地位は司法権を干渉できる。痛くない腹を探られたくない。自分がそういう地位をやらせてもらうには自らの裁判が終わってからでないとだめだ」と語ったという。

【以下全文引用】


2011年5月26日(木)
http://www.mentsu-dan.com/diary/bn2011_05.html

 ここのところ連日のようにマスコミから「原子力発電の危険性」と「再生可能エネルギーによる発電、特に太陽光発電を推進しようとする動き」のニュースが出てくる。けれど、どの報道を見ても読んでも一番大本の「どれだけ電力をカバーできるのか」と「いくらお金がかかるのか」をきちんと前提として書いてないので、「それは実現可能なのか?」が全くわからないのである。だから私は仕方なく自分で計算して、自分なりに「何事か?」を理解しようとしているわけですが、合っているのかどうかよくわからないけど、だいたい合っているような気もするので、とりあえず私の判断基準を紹介します。間違ってたら指摘してください。チンペイは無理せんでええぞ。

 まず前提として、

(1)火力発電よりは原子力発電の方が、他国の動勢(石油戦略)に影響されることが少ないから、自前のエネルギー政策としては都合がいい。
 単純に、火力発電の最大のエネルギー源である石油が他国に依存している、というだけの理由です。あと、島国だからヨーロッパみたいに他国から電力をおいそれと買えないということもあって。ちなみに「二酸化炭素を排出しない」というのは、二酸化炭素が地球温暖化の主因であるという話が科学的に証明できないことがバレているので、関係ないと。

(2)石油は発電に回すより石油化学製品に回す方が断然重要である。
 今の自分たちの周りの生活用品のほとんどすべてが石油化学に頼っていることを考えれば、これもたぶん今のところ正解ですね。で、以上2つの理由から、日本は火力発電一辺倒から原子力発電に少しずつ移行してきて、今、日本の総発電電力量の30%くらいが原子力発電になっていると。そんな理解でよろしいでしょうか。で、今回の事故で「安全性」の問題が大きく浮上してきて、こういう前提が話の中心になってきた。

(3)原子力発電より太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーの方が安全である。

 これも今のところたぶん正解ですよね。太陽光発電が宇宙規模の大爆発を起こす恐れがあるとか、人体に何か長期的な悪影響を及ぼすとかいう話は聞いたことがないし、まあ先には予測不能な何かが起こるかもしれないけど今のところは原子力よりは安全だろうから、ここはゆるがないでしょう。従って、実現可能なら「原子力発電も、あるいは火力発電さえも再生可能エネルギーによる発電に移行する方がよい」。

 という3つを私は念頭に置いております。再生可能エネルギーによる発電は「他国の資源に頼らず自前の電力調達ができる」「貴重な石油をあまり消費しない」「安全である」というすべてのよい条件を整えているので、火力発電よりも原子力発電よりも望ましいことは間違いない。従って私は、何か出るたびに「それは実現可能かどうか」という一点でニュースを見ているわけです。ポイントは先に書いたように、
(1)どれだけ電力をカバーできるのか?
(2)いくらお金がかかるのか?
の2つだけです。

 この2点を見る時の基礎数値は、関係機関が発表しているデータを信用して(長生塾Q&A参照)、
(1)発電電力量について
●日本の総発電電力量=約9660億kwh
●原発の総発電電力量=約3000億kwh(上記のだいたい30%)
この2つの数字だけを基準にして、そのうちどれくらいをカバーできるのかを判断する。

(2)費用について
●原発1基を作るのに2000億円くらいかかる。
というアバウトな基準だけ。

 どうせ再生可能エネルギー発電の推進構想自体も数字の詳細はアバウトなんだから、比較する基準数値もこんなもんでいいのではないかと(笑)。で、今話題になっている太陽光発電の「発電電力量」と「費用」の私が使っている基準数値は、以下の通りです。これも「長生塾Q&A」で紹介されている数値ですが。

(1)太陽光発電の発電能力
●太陽光発電パネル1㎡あたり、年間150kwh
*計算根拠は、1㎡あたり150w(太陽電池が日本で最も強い状態の太陽エネルギーを電気エネルギーに変換できるほぼ限界に近い電力)×1000時間(日本で太陽光が最も強く当たっている状態を年間時間換算した時間数)
(2)太陽光発電の費用
●太陽光発電パネル10㎡あたり、100万円
*費用の根拠は、今、6畳(約10㎡)の屋根置き型パネルが100万円くらいするから。

 この2つ。これを元に、ニュースを見るわけです。例えば、ついこの間、

「菅直人首相が25日、パリで開かれた経済協力開発機構設立50周年記念事業で講演し、2020年代早期に自然エネルギーの総電力に占める割合を20%に拡大する方針を表明した」
「実現のために提要電池の発電コストを20年に現在の3分の1に、30年には6分の1にまで低減することを打ち出した」
「また、太陽光パネルを1千万戸の家屋の屋根に設置すると表明した」

というニュースが流れましたが、それを自分で総発電量と総費用の数値に置き換えてみるわけです。

 まず、総発電量の20%ということは9660億kwhの20%だから、まあだいたい2000億kwh。これを仮に全部太陽光発電で賄うとすると、太陽光発電の発電電力量は1㎡あたり年間150kwhだから2000億kwh÷150kw=約13億。ということは、13億㎡のパネルがいる。これを10㎡の屋根置きパネルに換算すると、13億㎡の10分の1だから1億3000万。1億3000万戸の家の屋根に6畳のパネルを置かないといけないじゃないか! 1千万戸では総発電量の20%のうちの7~8%、つまり総発電量の1.5%にしかならないじゃないか…という話になるわけです。

 すると、この菅首相の発言は「太陽光発電を推進する」じゃなくて「自然エネルギーの総電力に占める割合を20%にする。そのうちの1.5%は太陽光発電で賄う。残りの18.5%はその他の自然エネルギーで賄う」ということになる。風力やバイオマスは太陽光発電のさらに一桁下の発電量しか期待できないから、ひょっとしたらこれは「水力発電を全面的に推進する」という宣言か? みたいな(笑)。

 ちなみに「費用」も計算してみると、1000万戸の家に100万円のパネルを置くと、10兆円かかることになりますね。もちろん政府が全額負担するわけでなくて、設置した個人が大半を負担して行政がいくらかの補助金を出すことになる。仮に1軒に5万円補助金を出したら1000万戸で5000億円、10万円補助金を出したら1兆円。10年後にパネルの価格100万円がコストダウンで30万円になったとしても、役人と政治家のメンタリティを考えたら比例して補助金の額を下げるとは思えないので、行政の負担はたぶんこれくらいに規模の話になる。今のバラマキ政府ならこれくらいのお金は出すと言い出すでしょうね。

 で、この「発電量」と「費用」の2つの数字を並べてみて、何事であるかを考えるわけです。すると、今回の菅首相の公約は、「行政が出せるお金をもとに『1000万戸の屋根にパネルを置く』と言ったけど、発電電力量が頭になかったので『総発電量の20%を目指す』という話とまるで整合性がとれなくなった」という間抜けな話になっているのではないか? みたいなことが発覚する。何か大きな計算間違いをしていて「私が間抜け」なことになっているのかもしれないけど(笑)。うーん…どっかでゼロ1個とか2個とか間違ってないだろうな(笑)。間違ってたら皆さん自分で計算して正しておいてください。もし間違いを発見して私のメールアドレスを知っている人がいたら教えてね(チンペイは無理せんでええぞ)。

 いずれにしろ、こういうふうに数字で「総発電電力量」と「費用」をセットで確認していくと、何となく「どういうことなのか?」が具体的に見えてくるわけです。とりあえず先の菅さんの公約は、たぶんとんでもなく間抜けな計算になっていると思う。新聞記者の人って、計算もせずに記事を書いているんですかね。

 ちなみに、今度ソフトバンクの孫さんが打ち出した「自然エネルギー協議会」の話の中に出て来た「休耕田と耕作放棄地の20%に太陽光パネルを設置したら原発50基分の電力が得られる」という数字も、発電電力量と費用の計算をしてみると片方で愕然とする数字が出て来ます。費用の方です。休耕田と耕作放棄地の20%にさっきの10㎡100万円の太陽光発電パネルを敷き詰めると、200兆円を超えますよ。どうするの、それ(笑)。

 でも、優秀なビジネスマンである孫さんがお金の計算なしに構想をぶち上げるはずがないから、そうすると、あの構想からは「日本のエネルギー政策」としてではなく、「民間企業としての発電ビジネス」としての巨大なる思惑が見えてくる。たぶん、あのニュースの本質はそこですよ。なのにマスコミはそれを、

「大規模太陽光発電所(メガソーラー)の建設などを進めるため、全国19都道府県とソフトバンクが自然エネルギー協議会の設立を目指すと発表した」
「ソフトバンクは事業費の大半を負担する方針を示している」

と書く。そんな書き方したら、多くの人は「ソフトバンクが全部お金を出して原発50基分の太陽光発電を推進する」と思うじゃないですか。ソフトバンクが200兆円も出すわけがない。仮にパネル代が3分の1になっても、70兆円も出すはずがない。だから、このニュースの本質が「民間企業が日本のエネルギー政策を担う」という話でないことはすぐわかります。

 …みたいな。素人計算だからどこかに穴があるような気もするけど、とにかく「発電電力量」と「費用」が書かれていない再生エネルギー利用発電の記事は、私は自分で計算してみるか、聞き流すことにしています。でも、行政は乗っかっちゃうんだろうなあ。自分のお金でないから、違う目的で動くからなあ。

【コラム】米政治を分断する二つの潮流 (THE WALL STREET JOURNAL)
Capital Journal―政治コラム
2011年 7月 26日 19:43 JST
http://jp.wsj.com/US/Politics/node_279786


 国家財政機能の維持という最も基本的な任務さえ果たせないワシントンの現在の体たらくは確かにひどいかもしれない。だが、驚くべきことではない。

 8カ月の警告期間を経へてもなお、赤字削減や債務上限引き上げ策に合意できずにいるのは、異常な出来事でも何でもない。むしろ、米政界における二大潮流が最高潮に達した論理的な結果だ。その潮流とは、政府の規模をめぐる、とめどない議論と、下院を中心とする議会内での行き過ぎた党派争いだ。
 民主・共和両党の指導部は顔を合わせれば、今週末のように、いつも「相手を打ちのめす」必要性を叫んでばかりいる。これでは、同じ国家を運営するパートナーではなく、冷戦時代の敵国同士だ。

 オバマ大統領は昨晩全米にテレビ中継された演説で、米国民にとっても、世界にとっても、いかに愚かしい状況であるかを率直に認め、「政府の分裂状態は米国民による投票の結果だが、政府の機能不全は違う」と述べた。

 両党の相互不信は、21世紀の米国社会における政府の規模と役割について、両党の理念に大幅なかい離があることに端を発している。

 民主党は、社会の高齢化が進み、経済の成熟度が増すにつれ、政府の役割は徐々に拡大すると考えている。さらに、高齢化に対処するとともに、中国をはじめ中央集権的国家が政府の権限を利用して優位を得ている世界的経済環境で争いながら社会契約を遂行する国家にとっては、政府の役割拡大は必然的かつ望ましい進化であるとみている。

 一方、共和党はそれを、国家が従来の経済的より所を失い、本質的欠陥のある欧州的社会主義や中国的商業主義へと流されつつある姿と捉えている。彼らは、社会契約は経済の成熟化とともに抑制されるべきものであり、経済において政府が果たす役割は中国と競うために拡大されるべきではなく、むしろ米国モデルと中国モデルとを差別化するために縮小されるべきだと考えている。

 こうしたかい離が、政府が経済に及ぼす影響力をめぐる議論のこうちゃくを招いている。共和党は、国内総生産(GDP)の19~20%の予算で十分と考えているが、民主党は22%程度は必要、としている。この違いはわずかに見えるかもしれないが、実際は今後数年で数千億ドルに相当し、それが両党を大きく分かつ原因となっている。

 これら異なる見解の妥協点を見つけることは、理論上は決して不可能ではない。だが実質的には米政界における2つ目の大きな潮流によって、ほぼ不可能な状態になっている。すなわち、約30年におよぶ政治的な流れによって共和党は右に、民主党は左に傾き、議会内の中道派が弱体化し、ほとんど消滅してしまったことだ。

 両政党が過去30年にイデオロギー的根拠に沿って体制作りを行った結果、最終的に両党の間には思想的に重なり合う部分が実質ゼロになってしまったのだ。一世代前の民主党には、主に南部出身者を中心とする健全な割合の保守派が存在していた。

 それら保守派は、主に北東部出身者を中心とする共和党リベラル派とイデオロギー的に近かった。したがって、一部の共和党員より保守的な民主党員や、一部の民主党員よりリベラルな共和党員がいることもそう珍しいことではなかった。

 それら議員が議会のイデオロギー的論争で中間に位置していたことで、たとえ両党の見解が極端に違っていても妥協点を見いだしやすい状況にあった。

 だが今やそれら南部出身者を中心とする民主党保守派は共和党員になり、北東部出身者を中心とする共和党リベラル派は民主党員になるか、単にいなくなってしまった。

 共和党のロナルド・レーガン大統領が下院の民主党保守派60人の支持を得て自らの予算案を通過させたり、民主党のリンドン・ジョンソン大統領が共和党リベラル派の賛成票を得て公民権法を成立させた日々が遠い昔に思える。

 こうした傾向は下院で特に目立つ。複雑さを増す選挙区割りの結果、党派的・イデオロギー的な色分けが強まっているからだ。共和党も民主党もさまざまなデータや最新技術を駆使して、全米で保守派またはリベラル派中心の選挙区を編成しようとし、自党の議席確保に努めている。

 そのおかげで、党の路線を順守する議員ほどいい思いをし、それを逸脱する議員ほどつらい仕打ちを受ける仕組みが出来上がってしまった。

 上院では、かつてはそうした党派的線引きはあいまいだった。だが近年、上院は元下院議員が多くを占めるようになっており、そうした体質が上院にも持ち込まれつつある。

 それは党派的分断を生み出すための仕組みといってもよく、その結果は今ご覧のとおりだ。


記者: Gerald F. Seib

秋以降も「菅外交」続くという悪夢 (産経新聞)
2011/07/24 21:12
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110724/plc11072418010007-n1.htm


【酒井充の政界××話】

 菅直人首相が10月の中国訪問を検討している-。最初にその情報に接したとき、冗談かと思った。6月に退陣の意向を表明した首相が4カ月も先の外交日程を組むのは、常識に照らしてあり得ないからだ。だが、どうも本気らしい。「常識とはなんぞや」と考えてしまうが、なんだかんだと言い訳を積み重ねて2カ月近く延命している菅首相のことだ。この際、常識を無視して外交と予算をキーワードに「菅政権の今後」を夢想してみた。

 まず9月前半。5月の主要国(G8)首脳会議(仏ドービル・サミット)の際に行われた日米首脳会談で、オバマ大統領から直接招請された米ワシントンへの公式訪問が控える。

 菅首相の「8月末退陣」は岡田克也幹事長はじめ民主党執行部の統一見解となりつつあるが、肝心の菅首相は明言していない。ズルズルと9月に突入し、「日本の首相」である菅氏が訪米する可能性は高い。米側が政権末期の首相訪問に応じるかどうかは現段階で不透明だが、自ら招請した手前、「行きたい」という菅首相の願いをむげに断ることもできそうにない。

 次の外交日程は9月21日から米ニューヨークで始まる国連総会一般討論演説だ。菅首相が出席すれば昨年に続き2年連続となる。これは野党時代に国会で数々の論戦を展開してきた好敵手、小泉純一郎元首相(平成16、17年)以来となる。

 菅首相は小泉氏をことさらライバル視しており、5年半以上の長期政権を築いた点に関しては尊敬すらしている。演説で5月のサミットに続き、根回しなしで「太陽光パネル1千万戸設置」構想のような「サプライズ」を狙っているかもしれない。

 9月の2つの訪米の間に首相を代えるのは、なかなか容易ではない。民主党代表選を行うには少なくとも1週間はかかる。さらに国会を開いて新首相の指名や組閣を行わなければならない。9月前半の訪米が「花道」ならば別だが、菅首相はすでに外務省側に国連演説の草稿準備を指示しているというから、辞める気はさらさらないようだ。

 その次が10月10日前後の訪中計画だ。これも側近に対し、検討を指示したことが明らかになっている。なぜか産経新聞以外は目立って報じないが、意欲を示していることは間違いない。

 この話を聞いたときには本当に驚いた。菅首相は6月2日の民主党代議士会で「東日本大震災の取り組みに一定のめどがついた段階で若い世代の皆さんに責任を引き継いでほしい」と語った。野党が前日の1日に内閣不信任案を突き付け、与党からも賛同者が出て可決される可能性は極めて高かった。この状況を考慮すると、菅首相の真意は「退陣を表明するから不信任案可決だけは勘弁してくれ」と言っていたと解釈するのが常識だ。

 だが、ここで菅首相のしぶとさを見誤った。その後、菅首相は国会答弁で「辞めるとは言っていない」と強調した。確かに「辞める」とは言っていない。不明を恥じるばかりだ。

 では、いつまで続けるのか。菅首相は国会や記者会見で聞かれても時期は絶対言わない。それもそうだ。10月に訪中したいのだが、それを言ったらさすがに猛反発を受けるからだ。

 辛亥革命勃発から100年にあたる今年の10月10日は、菅首相の65歳の誕生日でもある。それもあってか菅首相は辛亥革命への思い入れが強いようで、1月の施政方針演説でも取り上げた。昨年9月の沖縄・尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件で演じた失態を、自らの訪中による戦略的互恵関係の推進で補いたいようだ。

 中国は辛亥革命100年を盛り上げようと躍起だ。記念行事を予定しているが、そのムードに日本の首相も乗るのか。東シナ海のガス田共同開発に関する条約締結交渉は昨年9月の中国の一方的な延期通告から途絶えている。訪中で再開にめどでも付けられれば面目躍如か。

 この後はしばらく目立った外交日程はない。ところが、今度は国内の問題が大きな局面を迎える。平成24年度予算案に対する各省庁からの概算要求の期限を迎えるのだ。

 概算要求の期限は通常8月末だが、東日本大震災復興のための22年度第3次補正予算を編成する関係から、通常よりも1カ月程度すれ込む可能性があり、10月は予算編成の真っ最中となる。その途中に首相が交代すれば編成作業が仕切り直しになるかもしれず、ちょっと考えにくい。

 そうこうするうちに11月を迎えると、今度は2~3日に仏カンヌで主要20カ国・地域(G20)首脳会議がある。12、13両日は米ハワイ・ホノルルでアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が、17~19日ごろにはインドネシア・バリ島で東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の首脳会議が待っている。いずれも首相の出席が欠かせない重要な外交日程だ。合間を縫って首相を代えるのも難しい。

 すると12月の音が聞こえてくる。24年度予算案が決定する時期だ。来年1月の通常国会、予算案審議を前に首相が交代すれば、「予算案を編成した首相が審議に出ないのか」との矛盾を抱える。

 例年通り3月中に予算が成立すると仮定する。すると菅首相は「予算を成立させた首相が執行すべきだ」と言い出すかもしれない。そのうちに9月に菅首相の民主党代表の2期目の任期が来る。民主党は現在、代表選の連続立候補を禁止していない。「衆院議員の任期の間は首相は交代すべきではない」が持論の菅首相のことだ。25年8月の衆院議員任期満了まで首相を務めることが筋だと有言実行を目指すなら、3選に挑戦するかもしれない…。

 以上、ほとんど妄想に近いが、今の菅首相の執念をみると、幻想とも言い切れないような気がする。