いまばりスマートライド2012自転車キャラバン隊募集!
夏休みだからこそ、思いっきり参加型の
アクティブに、触れ合って、五感を刺激する
サイクリング、いいっ!
とお薦めするわけです。
キャラバン隊や、ヘルメットデザインコンテストなど、
たくさんのサイクリストの参加を募っているようです。
http://cyclo-shimanami.com/
へへへ・・・。
わたしももちろん!参加します


へたれな自転車輪行失敗談も・・・披露しちゃうかも

女子サイクリスト大大大歓迎~


洞爺湖で餓死?!
洞爺湖で餓死?
朝左に曲がり損ねた道の角に定食やさんが一軒あった。もうすぐ2時になる。おなかぺこぺこだし、ここでひと休みしようか、それとももう少し先に進もうかなどと考えているうちにお店の前をす~っと通り過ぎてしまった。まあ、いいわ。観光地だから飲食店はいっぱいある。
洞爺湖の周回道路132号線は、木漏れ日と湖からの光の反射が織りなす林の中を駆け抜ける緑のトンネルルートだった。
トゥルルルリ。初めて聞く鳥のさえずりが頭上を横切る。
木々の精霊が透明の風を運んで、
呼吸するだけで細胞が蘇ってくるようだ。
車もほとんど通らない。
りん子のためだけに用意されたレッドカーペット。
こんな悠々とした空間をひとりじめできる贅沢を、思う存分味わうのだった。
やっぱり来てよかった。
感激しながら洞爺湖を満喫していると、おなかがグウッと鳴った。そろそろおそばやさんがあってもよさそうなのだけれど、ないのよ、これが。最高に素敵な緑のトンネルルートは果てしなく続き、時たま小さな集落や畑が山側に出現するだけ。おそばやさんもラーメン屋さんも定食やさんもまったくなかった。行けども行けども同じ風景。
しまった、セブンイレブンでバナナを買っておくんだった。洞爺湖は温泉街だから食べ物屋さんには不自由しないだろうと高をくくっていたりん子の的は大ハズレ。確かに北海道を代表するりっぱな温泉地にはまちがいないのだけれど、それは南側のほんの一角。湖のまわりのほとんどは森林に覆われていた。しかも、雄大な大自然。
このまま温泉街までなにもなかったら、あと30キロ以上走らないと食べ物にありつけない。そこまで保つかどうか、そっちの方が心配だわ。
自転車は適度に栄養補給しないと絶対走れない。要は車と同じわけ。ガソリンが切れたらどんなことしたって動かないのと一緒。人間がエンジンで、おなかがすいたらピタッと止まってしまうのだ。「ひとり輪行の鉄則7 おなかをすかさないこと」に觝触した罰が下ったのだわ。うえ~ん。こんな素敵な場所で飢え死にするのだけはかっこ悪るすぎる。なんとしてでも生き延びねば。
りん子はぷるぷるっと首をふり気を取り直した。アクエリアスは2本買っておいたのであと少し残っている。水分補給してるから死ぬことはないわ。そして、おなかなんて空いてないもん、気のせい気のせい、と自分に言い聞かせる。下繋がりで恐縮だけど、トイレに行きたくてどうしようもなくなった時、いいえわたしはトイレになど行きたいもんですか、と自己暗示をかけるのと同じです。ええ、どんな時も前向きに。それがりん子のいいところ。
とにかく前進しよう。こんな素敵な道、できることなら感動を実感しながら走りたいのに、りん子は気もそぞろであった。すると、前方に集落発見。民家は点在している。畑もある。でも、おそばやさんはなかった。
平常心、平常心。今度は、前方にノボリ旗発見。お店? なになに? 近づいてみると、このノボリは、野菜直売。がっかりして肩が落ち、少しからだが小さくなった。小さくなったというより、おなかがぺしゃんこなのだった。
気を落としながら進む。見つけた!前方に大きな建物発見。物産展とかやっていたら、おまんじゅうぐらいあるに違いないわ。近づいてみると、青少年センターだった。しかも、しまっている。
あ~、もう絶望的。りん子は餓死するんだわ。目眩がしそうになったその時、畑のまん中に「日帰り温泉」の文字が。ということは、おそばあるでしょう! フラッフラッフラッとペダルをこぐたび左右に揺れながらゆるい丘を進んだ。そして、自転車をおりるとよろめきながら「財田温泉」の入り口に入っていった。
左が食堂だ。ガラスのパーテーションにメニューが貼ってある。ラーメン、そば、飲み物etc
よかったあ。たすかったあ。天は我を見放さなかった。ラーメンライスてんこ盛りを頼もう。
ドアに手をかけ中に入ろうとした瞬間、凍り付いた。なんと、ドアに「休憩中」の札が・・・。
あ~~~~~~~。足下がふらついて、その場にしゃがみこんだ。う、うそでしょう。だって、ラーメンって書いてあるのに、う、うう・・、泣いてやる。大人だっておなかがすいたら涙が出るのよ。というより、期待が裏切られた悲しさ、ぬか喜びとはこのことよ。うえ~ん。
ふと、だれかの視線が気になった。顔をあげると、温泉の入場券のカウンターにいたおじさんが申し訳なさそうにりん子を見ていた。目と目がバチっと合った。
「食堂は2時で終わっちゃったんだよ。」
おじさんはキャスターの福留功男に似ていた。
どうしても、どうしてもですか? りん子は必死に食い下がった。
「厨房が閉まっちゃって、もうだれもいないんだよ。」
そうですか・・・、それじゃあ、しょうがありませんね。りん子が力なく腰をあげかけたその時、
「おじさんのでよかったらカレーライス食べるかい。」
不憫に思ったおじさんが慈愛に満ちた目をして言った。
はいっ、いただきます!
この遠慮もへったくれもない腹っぺらしは、山盛りのカレーライスとどんぶりに入ったわかめのお味噌汁が目の前に運ばれて来た時、初めて気づいた。これ、おじさんのお昼ごはんだったんだ。
北海道のひとはなんて情が深いんだろう。今まで食べたカレーの中で一番おいしい。かみしめながら、ものすごい勢いでほおばっているりん子を、おじさんは満足そうに見ていた。
「そうかい、自転車で来たのかい。この先においしいコーヒーを飲みながら洞爺湖を見下ろせるところがあるんが、行ってみるかい。」
そう言われたら行かない手はないでしょう。おいしいものには目がないりん子、好奇心の虫がまたうずき出した。
「ただねえ、目印がないから教えにくいんだよ。もうっちょっと待っててくれたら案内してあげるよ。」
はいっ、よろしくお願いします。給油満タン元気回復オロナミンC(昭和チックな最上級表現です)な返事。しまった、また遠慮するの忘れちゃった。でもそこがりん子の良いところなのだ。(何度も自分で言うなってか)
すっかりおなかがいっぱいになったりん子はおじさんを待っているちょっとの間、椅子にもたれた大爆睡。目が覚めると、からだが鉛のようだった。昭和新山越えの疲れがどっと出たのだわ。
おじさんは、ゆっくりと車でりん子の自転車を先導してくれた。少し走るとハザードを出して待っててくれ、りん子が追いつくとまた先に進む。まるでマラソンランナーのようだった。
道はさらに細くなり、左サイドにガードレールがなくすぐ下が湖というサイコーにしびれるロード。小刻みなS字カーブは溢れる木々の葉に遮られ、洞爺湖ならではのスリリングな道を演出していた。研ぎすまされた感度とやわらかな感受性で駆け抜けていく。
心地よい集中が途切れ、到着した場所は、きつつきカナディアンクラブ。コーヒーの香りが緊張を解きほぐす。
おじさんとはここでお別れ。
「コーヒーにつきあってくれてありがとう。楽しかったよ。」
こちらこそ、親切にしていただいてありがとうございました。
丘の上に建つ大きなログハウスから見下ろす洞爺湖は、永遠に目に焼き付けたい風景だった。
ひとり輪行の心得 『鉄則7 おなかをすかさないこと』
水分補給とともに大切なもの、それは栄養補給。観光地だから、とか、街中だから
だいじょうぶと侮ると、大変な事態を巻き起こしかねません。燃焼しやすい消化の
いい食べ物を燃料切れの前に補給するのです。燃料が切れたとたん、自転車走行は
不可能になり、それが山中や人気にないところだったら生死に関わります。スポー
ツ飲料、バナナ、チョコレート、おにぎりなど、必ず持参してツーリングしましょ
う。
謎の昭和新山越え
謎の昭和新山越え
7キロの平成ふるさとの道を完走し終点。小さくゴ~ル! マイナスイオンシャワーをからだいっぱいに浴びて、心身ともにリセット。お金払って酸素カプセル入るより、このサイクリングロード走った方が絶対効果てきめん。さて、問題はここから先。洞爺湖方面に向かうには、国道をどっちに進めばいいんだろう。
分岐点でしばし地図を眺める。時間だけがたつ。地図が立体的に頭に入ってこないのだからどうしようもない。地図を読むのは2次関数解くより難問よ!
そして、眺めても眺めても一向に埒があかないのにはもうひとつ理由があった。りん子は、ここがどこなのか全くわからなかったのだ。来た道とは微妙に違う国道だし、最大の疑問は、標識に昭和新山と書いてあることだった。どうして、最初に挫折した昭和新山が、目の前にあるのだろう。伊達市は昭和新山の真後ろにあるの? 謎は深まるばかり。
決めた。迷った時にはインスピレーション。りん子は昭和新山新道を進むことにした。新しく開通した道だから広くて走りやすい平坦な道に違いないわ。
しかし、5分も走らないうちに、その希望的観測はものの見事に玉砕した。なんのことはない、この道は最初に断念した昭和新山頂上へのルートを逆方向から山越えする道だった。
もう後戻りできない。この峠を越さなければ洞爺湖に戻れないのだ。ああ、神様はりん子に試練を与えたのだわ。人生にはどうしても越えなければならない山がある。その山の向こうには幸せが待っているのよ! よっしゃ~、がんばるで~! りん子は気合いを入れ直した。
ギアを一番軽くし、呼吸を整え、ふひっふひっふひっと息を吐き出す。無駄な体力を使わないようできるだけ力まない。心がけるのは同じリズム。それでも、週末のほほん輪行のりん子にはしんどい。
車がひゅ~んと追い越して行く。ああ、どこまで続くの、登り坂。自分のひとり言に苦笑する。まるで、演歌の歌詞みたいだわ。まだ笑いが出るだけ余裕がある。次のカーブまでがんばろう。人間目標があると底力が出るもんです。ゆっくりゆっくり車輪が前に進む。りん子エラい!
カーブ到達。しかし、上りはまだ続いていた。じゃ、その次のカーブまでがんばろう。少し持ち手を変える。
あ~、よろよろする。初夏の北海道は清涼飲料水のようなシュワっとさわやかな空気なのに、背骨を伝って汗が流れ落ちる。からだが茹で上がりそう。
第2目標のカーブ到達。しかし、見上げると坂道はまだ延々と続いていた。気力が一気に萎えた。もうだめ~。とうとう自転車をおりる。道端にすわりこんでアクエリアスをがぶがぶ飲む。そうなのだ、りん子は自転車をこぎながらボトルを口にすることができないのだった。未熟。
もう1時をまわっている。おなかもすいてきた。いつまで休んでいてもおなかは満たされないので前に進もう。細胞の隅々に水分が吸い込まれ元気を取り戻したりん子は、ヘルメットを閉め直し自転車を起こした。
トンネルが見えてきた。あのトンネルを抜けたら絶対頂上に違いないわ。ペダリングに力が入る。吸い込まれるようにトンネルに入ると、ひんやりと涼しい。湿った冷気が火照ったからだをクールダウンさせる。暗やみから発射する助走を加速させ、一気に明るい空間へ飛び出す。一瞬ホワイトアウト。光の焦点が合ってくると、画像は変わらない風景だった。道はまだまだ上っていた。がっかり度120パーセントで自転車をおりる。とほほ・・・。
ふと顔を上げる。すると、りん子の右真横に木々の衣服を身に纏わない赤茶の山のてっぺんが息を吐いているではないの。頂上に着いたのだ。ごつごつした山肌からは湯気が立ち上り、大地が生きている証をまざまざと見せつけられる。りん子は圧倒され、疲れも吹っ飛んでしまった。やっぱり地球は生きている。
1943~45年に起きた噴火によって隆起が始まり、溶岩が顔を出して標高406、9メートルの昭和新山は形成された。数十年に一度、水蒸気爆発で甚大な被害をもたらしてきた噴火活動も今は沈静化して、遊歩道も整備されて火口付近まで歩いていくことができる。
自然は恐れ多い存在であり、また恵みももたらしてくれる。人間なんてちっぽけな存在なのよ。だから尊大になってはいけないのだ。自然を敬い感謝して、ともに生きる道を謙虚に模索すれば、環境破壊や温暖化を食い止めることができるはず。
ガキ大将の顔をした山は、「そうだよ、そうだよ」と今にもしゃべりだしそうだった。
一気に下る。時速56キロ。あっという間に、さきほどUターンした地点に到達。振り出しに戻りひとり苦笑い。それにしても、どうして湖を周回しているはずが、昭和新山の真後ろにいたのか、未だ謎だわ。
洞爺湖周回道路の出発地点からまたやり直し。同じように反時計周りに走り始めた。ひまわり畑の黄色に目を奪われ、静かな湖面の煌めきに心奪われ、ペダリング。
そして、あった。最初の下り坂の前に、左に曲がる標識が。あまりに気持ちよく走っていたため、さっきはその標識を見落としていたのだ。おかげで、昭和新山を制覇できたわけだから、禍い転じて福と成す。
ひとり輪行の極意 『 道に迷うのはオプショナルツアー 』
ひとり輪行は、時間にとらわれない、人間にとらわれない、スケジューリングメーカーは自分自身。その先になにが起こるかわからないワクワク感が極上旅の醍醐味
なのです。だから、道に迷うことも楽しんでほしいのです。あわてない。悲観的に
ならない。どんな状況もポジティブにとらえることがひとり輪行の成功の鍵です。
ただし、絶対に危険を冒してはいけません。登山と一緒です。無茶をすると命にか
かわる大惨事を招くこともあるし、周囲に大変な迷惑をかけることにもなりかねま
せん。危機回避能力は必要不可欠です。
平成ふるさとの道〜洞爺湖編
平成ふるさとの道
眠い目を凝らして見ると、カーテンの向こうが透けて輝いている。快晴。洞爺湖は無口な大男のような風体で腕を広げていた。よおく来たなあ、と目を細めてりん子を抱きしめてくれているようだ。早くあったかい腕の中に飛び込みたくて気が急く。
8時45分。自転車のセッティング完了。湖のまわりをのんびり一周しようと、ざっくりとした目標みたいなものはあるのだが、それ以上はなにもない。まずは、宿泊している湖畔の宿かわなみの右隣りにあるコンビニエンスストアに向かう。そこでアクエリアスを調達。なにはなくとも水分補給、これ“ハンカチちり紙”より大事。
さあ、いよいよ出発。コースは特に決めていないが、洞爺湖を半時計まわりに走ることにした。なぜかというと、左車線を走ると常に湖側だからである。
洞爺湖は、10万年ほど前に大規模火砕流台地を形成する噴火によってできたカルデラ湖。周囲43キロ、面積7000ヘクタール。カルデラ湖としては屈斜路瑚、支笏湖に次いで3番目の大きさだという。湖のまん中には3万年ほど前の活動によって隆起した中島も見える。アマ食が浮かんでいるように見えるのは食いしん坊のりん子だけだろうか。ところで、アマ食は知ってますよね、三角形のカステラ生地のパン。子どもの頃の定番おやつよ。
南側には有珠山、昭和新山があり、まさに、このあたり一帯の支笏洞爺国立公園は火山の博物館ともいえるそうだ。有珠山なんて、過去100年の間に4度の噴火が観測された、火山大国日本の中でも特に活発な活火山。最近では、2000年3月31日に水蒸気爆発が起こり、噴煙は上空3500メートルまで達したとか。周辺には噴石も飛んで来て、地元住民は避難生活を強いられた。火山の博物館なんて聞くと少し恐ろしいけれど、現在は小休止中だから安全なんだとか。
そんな地球の息吹を足の裏から感じることができる洞爺瑚の周辺には、その火山活動の恩恵として、北海道を代表する温泉も多数あるわけで、人間って、たくましいなあと思う。せっかく来たんだもの、地球の活力をいっぱい分けてもらっちゃおう、とペダルを踏みながら思うのだった。
エゾマツの間から湖面が太陽に反射してキラキラ光る。右側の山裾は一面黄色、ひまわり畑である。北海道は晴れていても空気が冷風扇風機だ。自転車で走るのにこんなに適した環境って滅多にお目にかかれないはず。気持ちよすぎる。
10分も走らないうちに、昭和新山の標識。むき出しの赤茶の頭がすぐ近くに見えた。なにしろ時間はたっぷりあるのだ。行ってみよう。信号を右に折れ湖に背を向ける。道はまっすぐ山に向かって伸びていた。もちろん遥か続く登り坂である。ゆっくりと時速7キロぐらいで車の通らない舗装路をペダリング。心拍数がとたんに上がり始めた。久しぶりのツーリングでからだが思ったようにサイクルモードに切り替わらない。息がきれ、もう太腿が固くなり始めた。情けないのおう。体力ないのおう。根性もないのおう。スタートからこれじゃあ一日がもたない。ヒルクライム早くも断念。昭和新山は湖畔から拝むことにするわ。Uターンして洞爺湖周回道路に戻る。
年間400万人も訪れる観光地だけあって、大型観光バスや自家用車の台数も多い。いつもは気になる車のエンジン音がちっともストレスにならないのはなぜだろう。札幌ナンバー、室蘭ナンバーはりん子を追い越す時、大きく右にスペースをあけ減速してくれるのだ。北海道の車は親切でやさしい。それとも、りん子がかわいいから? あっ、ヘルメットにサングラスで顔は隠れていた。ということは、そんなにあぶなっかしいのか? りん子の走りは。
ひとりぼけつっこみしながら自転車を快適に飛ばす。岸辺に寄せる波の音が心地いい。このぶんだとお昼頃には一周してしまうかもしれない。そうしたらゆっくり温泉につかろう。
のほのほ走っていると、一気に急な下り坂になった。時速45キロ。信号が見えてきた。T字路を左か、右か。運命の分かれ道、人生ゲーム。湖に沿って走ってるんだから当然左折。
平坦な道の両脇に、さくらんぼのノボリが目につくようになってきた。果樹園である。湖はどこに行ってしまったのだろう。不安に思いながらもさらに進むと、札幌まで90キロの標識。なんだ、この標識は。どう考えてもこの道まちがっている。というか、まちがっているのはりん子だ。いったいどこで選択を誤ったのか、人生ゲームの岐路は右のはずがないのに。謎である。草だらけのバス停に腰を下ろし、休憩がてら対策を練ることに。
10時46分。時間はまだたっぷりある。引き返して洞爺湖に戻るか。それとも・・・。
手にした観光パンフレットにふと目を落とすと、「伊達市」の文字が。伊達政宗の伊達なのかしら? さらに、「平成ふるさとの道」発見。「清流川のせせらぎの音、野鳥の声、梢の葉音が耳にここちよい」とな。これ、これ。行ってみるしかないでしょう。
地図をみると、さっきのT字路を右折ではなく、直進して16キロほど。車の往来もほとんどないのどかな道を口笛ふきつつ(ほんとは吹けないのでそんな気分で)走る。まったくどこを走ってもサイコーに北海道だわ。空気が澄みきっていてからだが浄化される。
伊達市は、明治3年(1870年)に、仙台藩一門亘理伊達家領主の伊達邦成とその家臣・領民たちが集団で移住して開拓したことからこの名がついたという。北海道の中でも、四季を通じて温暖な気候に恵まれていて「北の湘南」の異名をもつとか。
湘南って、サザンの歌に出て来るイケイケ波乗りのあの海岸? う~ん、ちょっとイメージわかないけれど、とにかく伊達家のみならず、現在も道内、道外から移り住むひとが増えているんですって。外から来るものをあたたかく受け入れる風土と歴史が息づいている町なのね。
市街地に入って、まったくわからない「平成ふるさとの道」を探索。どこにもそれらしき道は見当たらないし、案内標識も出ていないのだ。伊達市観光水産課に電話してみた。
「はあ・・・、聞いたことないですね。サイクリングロード? もしかしてあれかな。」
なんとも心もとない返事。本当に存在するのだろうか。不安。でも、パンフレットに写真つきで掲載されているのだ。絶対ある。とにかく教えられた道と思われる道路を進むことに。行けども行けどもそれらしき道が見つからない。困った。どうすりゃいいのよ。
セブンイレブンで1、5リットルのアクエリアスを買い、レジの女の子に聞いてみた。
「そんな名前、聞いたこともないです。」
へえ、地元の知名度低し。
こうなったら、おまわりさんに聞くしかない。伊達警察署はりっぱな建物だった。でも、おまわりさんは、平成サイクリングロードを知らなかった。何人ものおまわりさんが集まってきて、大きな地図を広げ始めた。
「ここのことじゃないのかい。」
「おお、きっとそれのことだ。」
「どっから入るんだあ。」
「目印はなんにもないなあ。」
わいの、わいの・・・。会議終了、答えがまとまったらしい。
そして、最初のおわまりさんがりん子に向かって、地図を指差した。
なんと! その道は、りん子が伊達市に向かってきた453号線の真横を平行して走っていた。なんのことはない、戻ればいいだけのことだった。
おまわりさんにお礼を言い、やっとこさ、念願の平成ふるさとの道に入った。
たしかに、川が流れ、白樺並木の自転車専用道路で、小鳥のさえずりも聞こえる。どこまでもまっすぐで泣きたくなるほど素敵な道だった。もちろん車は通らない。口笛を吹きつつ(ほんとは吹けないのでそんな気分で)堪能。
走りながら、こんなすばらしいサイクリングロードをどうして地元のひとは知らないのか、その理由がわかった。そもそも一般道自体ほとんど車が通らないし、木々の緑もさわやかで走りやすいことこのうえない。だから、わざわざ自転車専用道路と区別しなくても、一般道も気持ちよく走れるのだ。サイクリングロードと言ってもぴんとこないに違いない。
地元のひとは平成ふるさとの道の存在を知っていても、名前を知らないのじゃないかしら。
「なあんだ、あの道のこと!?」
さっきのセブンイレブンの女の子も普段何気なく通学道として使ってたりして。うん、きっとそう言うに違いないわ。
平成ふるさとの道は、とっても贅沢なサイクリングロードだった。
ひとり輪行の心得『道を尋ねる時は、目印の固有名詞を織り込むべし 』
行きたい場所や道路を尋ねた時、地元のほとんどのひとから「知らない」という答
えが返ってくる場合、それは、あなたの聞き方に問題があります。「国道○○号線
に出たいんですけど」とか、「さわやかサイクルロードはどこですか?」。この聞き
方はNGです。地元のひとは、道路の名前を○○号線という言い方をあまりしないし、施設の新しい名称を普段使わないので、それがどこを指すのかわからない場合が多いのです。「名物てんこ盛りラーメンがある通りはどこですか?」とか「新し
くできた自転車だけが通れる細い道知ってますか?」とか、なるべく具体的な名前
を出して質問をすると、「ああ、その道はね・・・」と親切に教えてくれるはずで
す。
洞爺湖へGO!
洞爺湖輪行
サミット後の洞爺湖へゴー!
連日ニュースで報じられている洞爺湖サミット。上空からの俯瞰で撮った洞爺湖は深い碧に覆われて力強い美しさ。会場となっているウインザーホテルは湖を見下ろす丘の上に上品な佇まいで建っている。この絵に描いたような美しい場所に行ってみたい。テレビを観ながら洞爺湖への想いは深まって・・・。しかし。
出遅れた。夏休みの週末にマイレージで洞爺湖行こうなんて、どだい無理な話よね。あま過ぎたわ。おととい泣く泣く断念したのだ。ところが、往生際悪く、ダメもとできのう来週末のエアをリクエストしてみたら、なんと、あっさり取れてしまった。厳戒態勢の洞爺湖サミット直後だったせいである。あんまり警備が厳しいので観光客の足が遠のいていたらしい。ある意味狙いめだった。ラッキー。
で、あわてて札幌千歳空港から洞爺湖までの行き方を調べ始めた。どうもりん子のやることは順序が逆のことが多く、毎度のことながら机上スケジューリングで右往左往する。まず目的地を決め、次に行き方を確認し、最後に交通手段を決める。これが一般常識。それなのに、りん子ってば、洞爺湖がどこにあるかも知らないままエアチケットだけ取ってしまったのだ。行動派といえばかっこいいけどね。
びっくりした。千歳空港から洞爺湖まで車で1時間半もかかるなんて。がんばれば自転車で行ける距離だろうと高をくくっていたのだが、荷物も結構あるし、そもそも夜の走行は怖くて無理である。
レンタカーがお薦めとガイドブックに書いてある。でも、たとえ車でも、夜ひとりで知らない道を走るのは絶対イヤだ~。
そっ! りん子は暗いところがごっつう苦手なのだ。ホラー映画だって絶対観ない。CM予告ですら目をつぶる。友達同士の会話がコワい話特集になろうものなら、帰る。お化け特集のナレーションなんて、モニター画面見ないで原稿読むんだから。
まっ、そんなわけで、道南バスに電話してみた。すると、飛行機の到着時刻が洞爺湖行きのバスの最終便に間に合わないことがわかった。ありゃりゃ困った。どうしよう。
電車はどうかしら? JR北海道に問い合わせてみると、スーパー北斗というのがあるらしい。しかも、S切符が往復で割安。空港からひとつめの駅で特急に乗り継ぐそうだ。時間的にも到着時刻とうまくリンクしていることがわかった。これで決まり。今回は電車旅情輪行だわ。
羽田のJAL手荷物預かりの係の方はとても丁寧に自転車を扱ってくれた。
「機内で立ててお預かりしていますが、万が一横にする場合、どちらを下にいたしましょうか?」
石垣島に行くときも同じように聞いてくれた。JALは、ハワイで開催される自転車のロードレース、ホノルルセンチュリーライドを提携しているせいか、航空輸送にとても手慣れていて安心なのだ。
予定より一便早い飛行機に登場できた。すさまじく有り難い。なにしろ、電車輪行は初めてである。ベストなタイムスケジュールを組んでいるものの、なにしろ大きな輪行袋を抱えての移動である。千歳空港で自転車をピックアップし、そこからJR千歳空港駅に移動。みどりの窓口でS切符を受け取り、指定時刻の電車に乗り換えるという一連の作業。これを短時間で行う自信はあるような、ないような。いや、確実にない。
おまけに、仕事以外で時間に追われることが滅法苦手というか、ひとりで行動する場合、心にも余裕がないと嫌なのである。行動に余裕があるといい女に見える。立ち居振る舞いのすべてが優雅に見えてくる。たとえ、輪行袋を担いでいてもである。そして、いい女にはまわりのひとがとてもやさしくしてくれる。これりん子持論。
とにもかくにも札幌行きの機上のひととなった。コーヒーを飲んで一息。少し揺れているが気になるほどでもない。たまにしか飛行機に乗らないひとには、これくらいの揺れが旅感を実感できてうれしかったりする。
札幌行きは空席も目立つ。あらためて東京脱出の解放感が湧いてきた。多少の無理を強いても、時間と人間間の枠を越えて息をすることが、時には必要なのよ。
「あんまり無理するなよ。限度を忘れて行動して、帰ってきてから熱出したりするんだから。」
羽田まで送ってくれる途中、ハンドルを握りながら強い口調で言ったY氏の顔が浮かんだ。そうそう、初めての八重山諸島ひとり輪行から帰った直後、気が緩んで風邪ひいたのだった。はいはい、ご忠告ありがとうございます、と生返事。そんなふうに心配してくれるひとがいることをうれしく思い起こしながら機内爆睡。
新千歳空港到着。輪行袋は出口でりん子を待っていた。無事ピックアップ。第一関門クリア。空港内は乗客も少なく閑散としていた。ラッシュ時間帯に到着したため、大荷物を抱えて迷惑がられることを予想していたのだが、少し安心する。
エスカレーターで一階に降りる。みどりの窓口発見。ここにもほとんどひとがいない。どこもかしこも待つということがなく快適である。電話予約していたS切符を受け取る。第二関門通過。ついでに、1本早い特急に変更してもらう。
「自転車の切符をお持ちですか?」
JRの改札で駅員さんに呼び止められた。あら、そんなものが必要なんですか? とびっくりして尋ねると、
「ちょっとお待ちください。」
少年のような駅員さんは、なにやらマニュアルのファイルをペラペラ捲り始めた。そもそも自転車を手荷物として車内に持ち込んでいいものなのかどうか、不安に思ったらしい。おいおい、電車で輪行できないなんて聞いたことがないわよ~、と心の中でつぶやきつつ、その、自転車切符とやらはいくらなんですか?と聞いてみた。すると、
「あった~! だいじょうぶです。」
うれしそうな駅員さん。車内規定マニュアルにちゃんと載っているのを発見したらしい。あったりまえよ、フフンと心の中で鼻の穴をふくらませつつ、笑顔で、よかったですね、と交わす。
「洞爺湖まで270円です。」
安かったので安堵。
特急乗り換えの南千歳駅まではひと駅である。乗降口が広かったのでそこに輪行袋を下ろす。ふあ~、電車に乗れた。第三関門突破。
「どこ走ってきたの?」
振り向くと、背広姿の紳士。いえ、これから洞爺湖に向うんです、と答えると、
「いいねえ、ウインザーホテルに泊まるの?」
と紳士。あんな超高級ホテル、ひとり輪行にはもったいなさ過ぎて泊まれないわよっ。と心の声がつぶやく。でも、紳士がそうおっしゃるのも無理ないわ。だって、りん子の醸し出す雰囲気がセレブですもの、おほほ。心の声が気高く笑う。
そこで、りん子はこう答えた。ウインザーホテルはテレビのニュースでたっぷり観飽きましたからもういいんですの、おほほ。
セレブなりきりりん子の答えをスルーして、カバンの口を開けた紳士、
「帰りはバスもいいよ。」
と言って、道南バスの時刻表を取り出した。
「持っていると、役立つこともあるだろうからあげるよ。」
北海道のひとは優しい。ありがとうございます。りん子は大切にポケットにしまった。
南千歳駅で降りると、ホームの向い側が特急列車の乗場だった。階段の上り下りなし。ついてる。函館行きスーパー北斗に乗車。第四関門制覇。
自転車は自動ドアと座席の隙間に押し込んだ。ちょうど指定席の真後ろでよかった。座席は満席。でも、車内はシ~ンと静まり返っている。りん子の叩くパソコンのキーボードの音が響き渡るくらいである。そ~っと叩く。北海道のひとは礼儀正しくお行儀もいい。
やっと来た、ワゴンサービス。これを楽しみにしていたのである。いかめしとお茶で610円。安い。蓋を開けるとかわいいらしいいかが2杯。ほどよく味がしみておいしい。満足。そして、絶品はバニラアイス。乳脂肪率16%の濃厚な味わい。270円。電車の中でこれぞまさに北海道!を満喫する。
午後8時。洞爺駅到着。あたりは真っ暗でなんにも見えないが、2008北海道洞爺湖サミット開催記念の石碑と各国の国旗だけがまぶしく輝いていた。
洞爺湖はここからタクシーで10分ほど。湖で打ち上げられた花火がりん子を出迎えてくれた。長い飛行機~電車輪行一日め無事成功。
ひとり輪行の心得 『鉄子の心得も必要です!』
電車の乗り継ぎ、乗り換えは事前にしっかりタイムスケジュールをたてておくことが肝心です。実際の様子を想像しながらデスク上でする作業は、それだけで相当楽
しいですが、ここで大事なポイントがあります。フツウの電車の旅と大きく違う点を考えてスケジュールを組む必要があるわけ。それは! 輪行袋を担いでの移動と
いうこと。空港内の移動だけなら、カートもあるしエレベーターもあるし、距離た
いしたことありませんが、電車に乗り継ぐ場合、通勤通学客に交じってけっこう歩
かなければならなかったり、階段の上り下りがあったり、これがばかにできない重
労働なのです。身一つでほいほい歩くのとわけが違い、えっさえっさと時間もかか
ります。5分で歩ける距離も10分かかってしまうかもしれません。きつきつのス
ケジュールを組むと、乗り遅れたりあわててとんでもないミスを引き起こしかねま
せん。余裕のあるスケジュールを組むことがとても大切なポイントです。
篠井サイクリングロケハン
自転車で遊ぼう倶楽部 略して「自遊倶楽部」![]()
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ゆる~く自転車を楽しむ部活動
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今日は、自遊倶楽部初サイクリングに向けて
ロケハンサイクリング![]()
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子どもの森冒険活動センターでメンバーのひとりSさんと待ち合わせ。
地元のSさんに案内してもらいます![]()
さっそく出発![]()
篠井は、ストレスフリーの里山ロードが自慢![]()
榛名山が水田に映ってる![]()
感動![]()
ポピー畑に思わず、下車。
色鮮やかな自然色にみとれちゃう![]()
これ、なんと![]()
アスパラ![]()
春アスパラの収穫が一段落し、
来年のために土壌に栄養分をたっぷり吸収させるんですって![]()
森のトンネル![]()
森林浴だ~![]()
いいね~!
とにかく、きもちいい![]()
篠井は、宇都宮ブリッツェンも好んで練習走行する
知る人ぞ知る 自転車ビレッジ![]()
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もちろん、初心者にもおすすめです![]()
もうちょっとリサーチして報告しますね~![]()
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