相手に対する肯定的な評価を伝えることが「ほめる」ということですから、以前から興味や関心を持っていた相手に対してその事実を伝えることは、それだけでほめ言葉になり得ます。
 
というのも、人間には誰かに注目して欲しいという根本的な欲求があるため、そこを満たされると嬉しく感じるからです。
 

 
前から注目していたという事実を伝える

「実は面接官として初めて会ったときから君には注目していたんだよ」「君の型破りなところが前から気になっていてね」といった言葉は、どちらかと言うとほめ言葉には聞こえないかもしれませんが、思っている以上に心に響く言い回しなのです。
 
ちょっと恋愛の告白フレーズにも似ていますが、ほめるという行為はもしかすると好きという想いを告白するのと同じなのかもしれません。
 
ほめることで部下のやる気がアップしたときが、晴れて「両想い」になった瞬間ということでしょうか。
 

 
同じことをほめる場合でも相手によってほめ方を変えてみる
 
・励ますためには部下の性格も知っておくべき
 
同じ人間に対しても状況に応じたほめ方があるように、個性も考え方も違う相手をほめる場合、誰に対しても同じほめ方をしたのでは効果は望めません。
 
相手のタイプに合わせて、心に響くほめ方をしなければなりません。
 
例えば、打たれ弱いタイプを励ますためにほめる場合、「大変だと思うけど君の実力ならきっとできるはずだから」と、まず困難があるという状況に理解を示したうえで、能力を評価してほめるのが効果的です。
 
一方、物事に中々動じない図太いタイプを励ますためには、「この程度のことができなくてどうするんだ。これまで自分がやってきたことを信じろ!」と、人によっては怒られているのではと感じるくらい、強い口調で叱咤激励したほうが心に届いたりするもの。
 
ほめるためには、部下の性格もしっかり把握しておかなければなりません。