「秋ナスは嫁に食わすな」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
 
 
秋には美味しいものがたくさん店先に並びますが、中でも秋ナスは煮てよし、焼いてよし、とても美味しいものです。そんな美味しい秋ナスを「嫁に食わすな」なんて意地悪なお姑さんだ、と思ったら、それは誤解だそうです。
 
 
漢方の世界では、自然界のあらゆるものを陰と陽に分けますが、ナスは強い陰性を持った食べ物と考えられています。このため、これから子供を産まなければならないお嫁さんには、そんなものは食べさせられない。強く元気な子を産んでほしいという願いから出たのが、このことわざだというわけです。
 
 
実際、ナスにはソラニンという成分が含まれていて、これを体内にたくさん取り込むと、身体が冷えて流産しやすくなるともいわれています。
つまり、嫁の身体を思ってできたことわざなのに、嫁いびりのように受け取られているのは誤解だというわけです。

 

 
 

それと、ナス科の食物は、みなカリウム(K)という元素が多いのです。ナトリウム1に対し、ナスは1:220、と、カリウムが多さが際立っています。
 
 
ですから、ナス科の食物を食べるときは、収縮力(陽性)の強い塩分(ナトリウム)を用いて、塩漬にして食べるか、味噌漬とか、味噌と油を用いて妙めて食べるとか工夫すると良いそうです。
 

 

 
 
また、肉料理には塩分(ナトリウム)が多く含まれているので、トマト、ジャガイモ、ピーマン、ナスなどというナス科の食物が添えられます。
さらにナス科の植物にはタンパク質を溶かす酵素が多く含まれていますから、肉を軟らかくし、消化を助け、高力ロリーの肉類に対してカリウムの働らきで冷し調和(中和)するのです。
 
 
この蛋白質分解酵素を利用したのが肉料理の付合わせです。肉の蛋白質の消化を促進します。
そういう理由とは知らず、色どりとか飾りつけくらいに思われている方もおられるのではないでしょうか。

 

 
 
先人達は、栄養学の教えも無かったのに、長い間の経験から知っていたようですね。