皆さんこんにちは。

今回は漫画を描いているA先生(仮)に漫画の描き方についてインタビューさせていただきました。

A先生は「新人の方達の参考になれば幸いです」と色々な質問に答えていただいたので、これから漫画を描く人たちは参考にしてみてはどうでしょうか?

 

A先生は1話完結型の作品やギャグ漫画を多く手掛けています。限られたページ数でテンポ良く物語を進行させる極意読みやすい会話を演出するためのテクニック個性的なキャラクター達を生み出す極意、を教えていただきました。

 

 

問:話をテンポよくまとめるにはどうしますか?

優先順位を明確にして余計な描写を排除することが重要だと思います。まず冒頭の導入部分や後半の盛り上がり、物語のオチといった作品に必要不可欠なシーンのページを確保すれば、それ以外の場面に使えるページ数の逆算が容易になり、優先度の低い部分に不必要にページを費やしたり、余分な情報を詰め込み過ぎるのを防げます。限られたページ数では余計な情報やネタを省くことが大事ですね。

 

 

問:では物語冒頭で読者の関心を引くコツとは?

最低限「どんな話なのか」と「誰が主要人物なのか」が読んでいて分かり易いように気を遣います。その二つが読者により強いインパクトとなって伝わるような絵や台詞の演出ができれば理想的です。また「つかみ」とは違うかもしれませんが主人公の名前などの情報も早い段階で読者に浸透させられた方がいいと思います。

 

まとめると…

インパクトのある冒頭!冒頭1ページ目からテーマと登場キャラを読者に提示する!強烈な登場シーンで読者の関心を引く。

素早く本題へ!余計な情報は省き次のページから話の本題である部分に展開!テンポよく話を進め、読者を飽きさせない作りにする。

物語の目玉!話の山場である終盤は物語が大きく盛り上がる部分である。テンポよく話を展開していき、オチへと繋げていく。どこで山場を作り、それをオチへと繋げるかを明確に意識してこそ良い作品が出来上がるのである。

物語のオチへ!物語の終わり、山場での前フリがあるからこそオチへとスムーズに繋がる構成となる。

 

テンポよく話を展開するために、先生が気を付けている部分がよく分かりました。

 

 

 

問:作品を描かれる中で、キャラを喋らせる時に気をつけている点、または独自のコツはありますか?

可能な限り無駄な台詞を省いて、テンポよく会話を進めることを心がけています。自分は台詞からネームを切る(絵を決める)傾向が強いので、絵より台詞が主体になる部分も多くなりがちですが、そういった画面では吹き出しの形などで語調や感情の起伏が少しでも出せるように意識します。

 

独自のコツに関しては、語彙を増やして言葉の正確な意味を把握することですね。中々実践できないこともあるかもしれませんが、そうすることで台詞選びの選択肢は広がり捻った言い回しもやり易くなります。しかし同時に「分かり易く」というのも気を付ける点でもありますね。例えば、吹き出しごとに形や線の太さも変えるため、叫び声などの台詞では「尖った吹き出し」、楽し気な台詞では「雲形の吹き出し」といったように使い分けていますね

 

 

 

問:A先生の作品ではキャラを作る際、キャラデザで気を付けていることはありますか?

 

主人公をはじめ、頻繁に登場するような主要キャラクターのデザインをする時には、遠くから見たシルエットでも、反対に目元のアップでも誰だか分かるようなものが出来ればと考えています。漫画を読んでいて目線が集まりがちなのが登場人物の顔面・頭部なので、髪型のシルエットをいじるのが手っ取り早いです。また単純に描きやすいデザインというのも重要ですが、情報量の省略と見栄えの両立など中々難しい部分でもありますね。

 

つまり、見た目が同じキャラばかりだと読者は「誰が、どのキャラか」分からず、混乱してしまうのです。キャラのシルエットだけでも「誰か」見分けがつくくらいの個性を出しましょう、ということですね。

 

 

今回のインタビューでは漫画に関する貴重なお話を色々としていただきました。新人漫画家の方々、またはこれから漫画を描こうとしている皆さん、今回のお話をぜひ参考にしていただきたいと思います。