今年の年始、一月の下旬に琵琶湖南西岸、大津市の陵墓を参拝してきた。自家用車で新名神高速に乗り名神高速の大津インターで降りて北上した。まず向かったのはJR比叡山坂本駅の近くにある下坂本陵墓参考地。被葬者は天智天皇の皇后、倭姫王(やまとひめのおおきみ)だ。天智天皇は白村江の戦いで敗れた後、唐の反撃を恐れて九州から瀬戸内にかけて防御拠点をたくさん築き、都を飛鳥からここ大津に遷された。天智天皇が崩御されたのち倭姫王が政務をとられたという説もあるそうだ。参拝した後、次に訪れたのは大津市歴史博物館だ。入場は無料であったが大津京についての展示はそれほど多くはなかった。五年余りで廃都となったため、あまり残っているものが多くないのであろう。博物館を出てすぐ北側にある、天智天皇の皇子、大友皇子すなわち弘文天皇の長等山前陵を参拝した。それから博物館の裏山の中にある後水尾天皇の皇子である道寛親王のお墓と後西天皇の皇子である永悟親王のお墓を参拝した。博物館の裏山は三井寺こと園城寺の敷地の一部でフェンスで囲まれている。しかし弘文天皇陵のあたりまで行くとフェンスもなく山へ入っていくことが可能であった。草木をかき分けかき分け進み、案外簡単に見つけることができた。今回の参拝予定の陵墓は以上である。予想していたより早い時間にノルマを達成できたので、明日参拝予定であった近江神宮を参拝した。御祭神は天智天皇。何度となく近江神宮の前を素通りして山中越えをしたが、今回が初の参拝だった。
愛知県本部事務局 松川秀康