昨年から約10ヶ月ぶりの鯊釣りである。鮎河川が軒並み増水したのが、その理由だった。少しいつもより時期早いが鯊調査を思い立った。

 例年釣行する豊川水系のポイントに早朝に到着。ハイシーズンにはかなり釣り人がいるポイントだが私の他に人影が見えず、季節的にまだ早かったかなと思った。

 梅雨の中休みの曇天だった。干潮から上げ潮に向かう時間帯でかなり水深は浅かった。いつも釣り始める少し下流で釣り開始。5.4m渓流竿の脈釣り5号袖1本針、餌は青イソメの垂らしなしで開始したが、本当に釣れるだろうかと少々不安だった。案の定、歩きながら数カ所で当たりがなく疑心がますます強くなった。三カ所移動後、もうちょっと上流に歩いて仕掛けを投入すると、やっと目印が振れた。鯊かなと思いあわせをいれたが、残念ながらすっぽ抜けた。魚信から確かに鯊の当たりと思われたので、周辺を攻めてみる事にした。すると、また同じ様な魚信が到来した。今度は少し食い込みの時間をまって竿を上げるとおとぼけ顔の鯊がお出ましになった。昨年ぶりで嬉しくなった。魚はいると分かったので、上げ潮が効いてくれば釣れるだろうとすぐに楽観した。

 すると、程なくして爆釣タイムに突入した。蛎殻の根掛かりを避けつつ、わずかに誘いを入れると面白いように食ってくる。針掛かりしないときもあったが同じ餌で4匹掛かる事もあった。

 驚いたのは、デキ鯊の他に14cm程度の秋に釣れるようなサイズの真鯊が混じる事だった。沖よりもヘチの方が魚信が多かった。面白さに熱中して釣っているとあっという間にバッカンに鯊が貯まった。平均は唐揚げサイズに9匹ほど天ぷらサイズが揃った。1コイン半分の餌で十分な釣果に達したが、餌が余り幸い曇天なのでもう少しやり続けることにした。

 水深は浅く、藻と蛎殻で根掛かりに泣かされる場所だったが、根掛かり前に魚信が来るので仕掛け1本、針の損失も数本で済んだ。本格的な9月が楽しみになったが、その前に数回来てみても良いかなと思わせる釣行だった。