WR155Rはまだまだ慣らし運転中。エンジン回転数も5000~6000回転程度までしか回さず、時間を見つけてそこら辺を走ってます。で、慣らし運転中の乗り味とか車体の特徴などを適当に書いていこうと思う。なお、直前に所有していたXTZ125との比較も多めとなるのでご了承を。

 

 

まずはこのバイクを検討する人の大半が気にするであろうシートとシート高について。WR155Rのシート高はスペック表によると888mmで、XTZ125の840mmと比較しておよそ5cmほど高い。この数字の違いは確かに大きく、WR155Rに跨るとXTZ125のような気安さや足つきの良さから来る安心感はなく、股下77cmという短足な自分では、両足がつま先でつんつんな状態が常である。が、オフ車は基本的に両足を地べたに付けて乗るような状態を想定してないので、左足をステップに乗せて右足を地面に付けば問題なく足が付くし、車体も軽いのでしっかり支えていられる。よく言われることだが、オフ車に乗るのは慣れなので、XTZ125に乗れる人ならWR155Rもおそらく問題なく乗れるだろうと思う。

 

続いてシートについてだが、これはXTZ125の座布団みたいなシートに比べて明らかに固い。しかし形状が功を奏しているのか、角が立っていないおかげで固くても尻が痛くなりにくく、快適に乗っていられたりする。もちろん個人差はあると思うが、XTZ125のシートはフラットながら両サイドのエッジがけっこう立っていて、これがケツに食い込んですぐに痛くなったので、個人的にはWR155Rのシートは良くできていると思う。

 

 

続いて車重について、WR155Rは134kgとXTZ125より15kgほど重く、セローと同等の車重となっている。しかし駐車場など普通の場面での取り回しについてはほとんど違いは感じず、やや重いかなと感じる程度。ただしバイクに跨ったまま足でえっちらおっちら向きを変えようなどというのは、足つきの悪さも手伝って非常に厳しいので、自分含め両足がツンツンな足付きの人が方向転換する時などは、横着せずバイクから降りて向きを変えよう。もちろん、走り出してしまえば重さの違いなどまったく感じない。ヒルクライムだのゲロアタだので毎度バイクを倒しては起こすような乗り方をする場合については分からないものの、そういうアタックをするなら、そもそもハイパワーかつ軽量な2ストマシンを中古で探し当て、カネと時間を注ぎ込み氏ぬ思いでメンテして乗るしかないだろう。

 

 

ハンドル回りもしっかり作りこんであり、フロントフォークのキャップやトップブリッジなど安っぽさは感じない。フラットなハンドルを採用しているからか、ハンドルポストは背の高いものが採用されている。乗車姿勢やハンドルの距離はちょうど良く、特に違和感や不満は感じられない。液晶メーターの視認性もよく、必要な情報を見やすく表示してくれる。

 

ただしXTZ125と違う点として、WR155Rはしばらく乗っていると手が痺れる。

 

これはエンジンの性格やパワーが違うことによる振動の質の違いかもしれないが、XTZ125では数時間乗りっぱなしでも手が痺れたことはなく、明らかに腕の疲れに響いてくる要素である。急ぎではないにしろ、何かしら振動対策を行いたいところ。

 

 

ブレーキについては前後ニッシンのディスクブレーキが装着されていて、十分な制動力を発揮。特にリアブレーキの効きとタッチはXTZ125のドラムブレーキとは比べるべくもなく、コーナー手前での減速などで車体のコントロールが非常にしやすい。ウェーブ形状のディスクもカッコいいし、ブレーキ周りに不満はない。

 

 

サスは前後ともストロークが深く、よく動いてくれる。跨った時の沈み込みもあって、ある程度足つきの悪さを緩和してくれている。リンク式のリアサスもショックをうまくいなしてくれて、オンロードのみではあるが乗り心地は良し。コーナリングについてもしっかり踏ん張るし、不安はまったくない。

 

そして最後に一番の違いであるエンジンについて

 

 

水冷4バルブ単気筒 VVA155cc 6速MT

ブルーコアエンジン

 

日本ではNMAXなどで大量に出回っているものだが、ミッションはWR155R専用でまったくの別物である。現在は慣らし中でVVAを作動させられないので、最もよく使う5000~6000回転程度での乗り味について。

 

まず一言でいうと、非常に扱いやすく乗りやすいエンジンである。パワーの出方は低速域では穏やかで、XTZ125とあまり変わらない印象を受ける……かと思いきや、スルスルとスムーズに加速していき、5000回転も回すだけでXTZ125と同等以上の走りが出来てしまう。エンジン音も水冷なおかげで静かで、代わりに排気音が力強いサウンドを出すのだが、この音のバランスが非常によくて心地いい。そして個人的に一番好ましく感じたのは6速MTで、街中の運転でまったくギクシャクすることがない、操作フィーリングも含めて非常に良くできたミッションである。エンジンブレーキも程よく、シフトダウンでガクンと急な制動がかからないので、5速のXTZ125と比べて走り回るのが非常に楽。同じ距離を走った時の疲労感はWR155Rの方が遙かに少なく、この差は本当に大きい。

 

ここから高回転域のおいしい部分がまだ残っているのだから、期待値は高いし、これからの遠出についても楽にこなせるはず。

 

最後にひとつ気になる点について。

 

 

WR155Rのマフラーは、オフロードバイクであるにも関わらずエンジン下部から曲げて取り回してある。通常のオフロードバイクはもっと高い位置で曲げてあるので、これは排気管の距離を稼いでトルクを増すための形状だと思う。途中でエキパイが膨らんでチャンバー状になっているのもそのためだろう。ただし、エキパイがこの位置にあると飛び石が当たりやすかったり、段差でヒットする懸念がある。あるいは低価格な純正マフラーだし、凹んだり傷が付いたら交換してしまえということだろうか。自分はエキパイやマフラーを交換するつもりはないので、エキパイを損傷させないように気をつけたいところ。

 

純正のアンダーガードも注文しておいたので、納品されたらすぐに装着したい。さすがにフレームとエンジンむき出しのままで河原や林道に挑む気にはなれないので。

 

WR155Rは慣らし運転の現状でも乗るのが非常に楽しいバイクです。デザインもかっこよく、とにかく全体のバランスが良い。日本での正規販売ではないバイクなのでメンテナンスや耐久性については未知数な部分もあるものの、そこはマメに面倒見てやれば、よほどのことがない限り大丈夫だろうというのは車体の作りを見てれば分かるので、長く大事に付き合ってやりたいところ。まずは慣らしを終わらせるのを目標にします。

 

そんなわけで今回はここまで