どうやら2023年にYZF-R15が国内販売される見通しらしい。現在の日本国内で販売されているYZF兄弟は長男のYZF-R1を筆頭に、R7、R3、R25となっている。今後、MT-09系の3気筒エンジンを積んだR9と、海外でのみ発売されていた小排気量の125ccと155ccが加わる、ということらしい。詳細は以下のリンクにて確認してほしい

 

 

 

 

このミニYZF兄弟はブルーコアエンジンを搭載したもので、R15に関してはWR155Rと同じエンジンを採用している。で、このモデルの国内販売が実現し売れ行きが好調であれば、WR155Rの日本国内販売も検討されるというのである。これが本当なら、非常に嬉しいニュースだ。

 

WR155Rは非常に良く出来たバイクなのだが、海外専売モデルということで純正部品の入手とメーカー補償、メンテナンスの面で不利だった。車体の品質に関しては自分で乗り回してみて、まったく問題を感じないので心配は要らないだろう。インドネシアなどから海洋上を運搬され、車両が売れるまでの期間にちょっとした金属部(ホースバンドやスイングアームの溶接箇所)に多少の錆が出る報告もあるようだが、それは業者の車両保管方法や取り扱いに問題があるのであって、車体の欠陥とは呼べない。各部の質感や強度も十分で文句はない。

 

XTZ125はさすがに設計の古さと製造国の問題で昔ながらのチープさが見え隠れすることもあったが、2010年代くらいまでの安い原付クラスは国産でも大体あんなもんである。当時を知ってるオッサン共(自分含め)なら、気にするようなことでもない。無論、車両による当たり外れは仕方がないが。

 

で、WR155Rが国内で正規販売されるとなれば、パーツの供給やメンテナンスの面、車両の購入と色々な面で大いに有利になれるので、是非とも実現してもらいたい。手前味噌になるようだが、WR1155Rはこのクラスにおいては傑作と呼んでいいオフロードバイクだと思っている。

 

 

 下から上まで気持ちよく回りパワーを発揮するエンジン、十分な強度を与えられたフレームとストロークの深い足回り、WRの名を冠するにふさわしいデザインと、ほぼ文句の付けるところがない。あまり目立っていないが、ライダーの腕さえあれば大ジャンプを決めて着地してもへっちゃらという高性能を与えられたマシンなのである。それなのに普段乗りでも非常に扱いやすく、急のつく挙動をしないので、運転していて恐怖を感じることがほとんど無く、乗り手に優しいバイクである。現状、ヤマハのオフロードはセロー250が生産終了して空白となっているが、WR155Rはセロー250の後継者として十分な資質を持っているので、しばらくはその後釜に座ってもらうとありがたい。

 

 足つきだけはシート高888mmという値でちょいと凶悪だが、正直なところセロー250が乗れた人間ならWR155Rも乗れる。足の短い自分が普通にコイツを乗り回して何の問題も感じていないのだから間違いない。このバイクで立ちゴケするのは、尻をずらすことを知らず両足を地面に付けようとする初心者くらいだろう。何度も言うがオフ車は慣れであって、普段の扱いやコケるかどうかに足の長さなど大した問題ではない。

 

のんびり走ってもエンジンを回しても楽しく快適に遊べて、高速道路を使ったちょっとした遠出も出来てしまうWR155Rの今後が楽しみである。

 

そんなわけで今回はここまで

先日慣らし運転を終えてオイル交換も行ったので、エンジンの調子を確かめるべく早朝から走り回ってきました。もう距離を稼ぐ必要は無くなったので、道中はコーナーの立ち上がりでVVAが作動する7000回転以上まで回してみたりしながら、比較的近い場所にある林道を軽く走ってみることにした。

 

なお、特にスピードを出したりもせず大人しく通り抜けただけなので悪しからず。

 

 

距離としては短いが、傾斜と凹凸がなかなか良い場所なのでサスペンションの具合を確かめるには向いている。少なくとも普通のオンロードバイクで走るにはしんどい路面が続く場所だ。ざっと走ってみた感想としては、WR155Rのサスは良く動くので路面のショックを上手く吸収し、ギャップを超えてもケツが跳ね飛ばされるようなこともほとんどなかった。装着されているIRCのGP-21/22で、林道を走るにはちょうどいい。エンジンパワーも低速から扱いやすく、ギクシャクしたりすることもないし、その気になればアクセルを回して一気に加速することも可能。

 

なにかとエンジンに目が行きがちなバイクだが、足回りのストロークの深さは特筆すべきものがあると思う。

 

当然だがWR155Rは最初から『オフロードバイク』として設計されているので、林道程度なら水を得た魚の様にスイスイと走ってくれる。XTZ125は『オフも走れる通勤バイク』であって、この辺が根本的に異なるところ。もちろん普通の林道程度なら余裕で走れてしまうが、乗車時の安定感は車体の差でWR155Rの方がずっと上だと感じました。

 

機嫌よく朝の林道を走っていたが、最後は大きな水たまりに行く手を阻まれて引き返した。

 

 

『神は言っている ここで突っ込むべきではないと』

 

一応、左端を渡れなくもなさそうに見えるが、ひどくぬかるんでいて乗り込む気にはなれない。タイヤもグチョグチョになるし、安易に乗り込むと滑って水たまりへ転倒する未来が見えたので、ここで大人しくUターン。足回りの具合を確かめるにはこれでも十分だったので良しとする。

 

 

デカールにも書いてあるように、エンジンオイルはヤマルーブシリーズを使ってやるのが一番だろうと思う。

 

最後にエンジンオイルを入れ替えた感想としては、回転の伸びがスムーズになり、高回転まで気持ちよく回ってくれる。VVAが作動する7000回転以上まで回すと、エンジンが心地いい高回転音を出すので、乗っていてその気にさせてくれるバイクである。排気量が155ccなのでエンジンを回した所でスピードは知れているが、一般道で高回転まで遠慮なく回して遊べるのは実に楽しい。コーナーの立ち上がりや少し早い車の流れもしっかり加速して駆け抜けていけるし、高速道路でも常識の範囲内なら十分に走っていられる。

 

普通のオフロード用空冷シングルエンジンでは、高回転まで回すとエンジンがしんどそうな状態になり速度も伸びてこないものだが、このエンジンはレッドゾーンまで息継ぎをすることなく回ってパワーも付いてくるという、感心するほど良くできたエンジンである。200ccくらいまでのクラスなら、間違いなく最高ランクの傑作エンジンかと思う。

 

 

燃費も1Lで45km前後とかなり優秀

様々な点で長く付き合っていけそうなバイクだ

 

そんなわけで今回はここまで

今週末は晴天で具合が良いので、さっそく早朝ツーリングを敢行。もはや自分の中で定番になりつつある宮ヶ瀬ダムまで足を伸ばしてきた。XTZ125の頃はここまで来るのが結構しんどくて億劫だったが、WR155Rなら苦もなく辿り着けてしまうので、やはりエンジンや車体の違いは大きいんだなと実感。夜明け直後のダムを眺めてから帰宅した。山の上は寒く、気温は16℃なのでちゃんとした上着が必要だ。

 

 

そしてちょうど慣らし運転終了の1000kmに到達したので、朝食を摂ってからエンジンオイルとフィルターの交換に手を付けることにした。

 

 

オイルドレンボルトはエンジン底部にあり、フィルターは丸で囲んだカバーの中に納められている。三本のボルトのサイズは8mmで規定トルクは10Nm。手締めで力を込めすぎると簡単にネジ山が潰れるので十分注意しよう。エンジンはデリケートな機械です。まずはアンダーガードを外してエンジンオイルを抜くところからスタート。

 

 

外したアンダーガードにはちょっとした汚れが跳ねているので、中性洗剤で水洗いしておいた。

 

 

綺麗になったのでオイルを抜く作業に移る。

 

 

オイルドレンボルトのサイズは19mm、締め付け規定トルクは30Nm

ネジ山の破損を防ぐためにも取り付け時はトルクレンチで締めるように。

 

 

ドレンボルトを外すと中にはスプリングとストレーナーが入っている。ストレーナーには特に目立つゴミや金属粉は無かったが、ドレンボルトの窪んだ部分などに金属粉とガスケットの破片らしきものが付着していたので、綺麗に清掃して拭き取っておく。XTZ125はボルトが横に付いていて作業がしやすく、手も汚れにくかったので、こればかりは向こうが羨ましい。

 

 

交換用に用意したフィルターとOリング。しかし実物を確認してみるとOリングの状態は良く、しっかりグリスも塗ってあったので、今回はOリングの交換は見送り。ちゃんと弾力があり劣化もしておらず、まだ十分使えるものをわざわざ変える必要もない。新品は在庫として手持ちに残し、次の次くらいにでも交換すれば良いだろう。

 

 

フィルターカバーを外すと結構な量のオイルが溢れてくるので、養生シートなりで受けておくのを推奨。古いオイルはきちんと拭き取っておくこと。スタンドを出して傾いた状態ではオイルがきちんと抜け切らないので、時々車体を垂直に立てたりしながらオイルを排出させる。画像では分からないが、オイルフィラーキャップも緩めてオイルの抜けが良くなるようにしてあるので念のため。

 

 

新旧のフィルター比較。オイル汚れを吸って黒く汚れている。これでもまだ使えはするだろうが、実際に見てしまうともう一度使う気にはならないのが人間のサガなのだ。新品はデイトナの純正同等品だが、フィルターの折り目が多く面積が増えている、というのが売りらしい。効果のほどは不明だがちゃんと使えればヨシ。

 

 

オイルが抜けたらフィルターを交換し、フィルターカバーとオイルドレンボルトを規定トルクで締め付け、エンジンオイルを補充。WR155Rは高回転も良く使うので、XTZ125よりひとつグレードをあげたヤマルーブスポーツを使うことにした。通常の交換量は850ml、フィルター交換時は950mlの指定。要するにフィルター交換も行った今回は、1本丸ごと使えばOKである。正確に50ml残すのも面倒だし、わずかな量であるので、この程度なら気にすんな! という剛毅な気持ちでいく。小さなエンジンだがこのくらいでオイル上がりは起こさないだろうし、量が足りないよりはマシだと思っておく。不具合があればちゃんと規定値で補充するようにしますが。

800mlほど先に補充したら、一旦オイルフィラーキャップを締めてエンジンを始動させ、30秒~1分程度回してオイルをエンジン内に循環させる。その後、残ったオイルを補充したらオイル交換は完了である。

 

今後は自由にVVAを効かせた走りが解禁となるので、走り回るのが楽しみである。今まで行けなかった遠くへ足を運びたい気持ちも大きいので、色々と楽しみが増えて嬉しい。

 

そんなわけで今回はここまで