公式ハッシュタグ 令和6年5月7日 骨董品ランキング1位
ゴールデンウイーク前半,年若の友人が山形県米沢市の上杉神社に奉納される上杉砲術隊の古式砲術演武を見学に行った。その際,上杉砲術隊の隊長さんから金山城伊達・相馬鉄砲館への預物があったとのことで,上杉神社の紙袋を届けに来てくれた。紙袋には,上杉神社及び松岬神社のお札と御神饌,お神酒が入っていた。世の中に私のような者を気にかけてくださる人がいるということは,とてもありがたいことである。上杉砲術隊さん,どうもありがとうございます。
上杉神社及び松岬神社のお札と御神饌,お神酒
山形県米沢市には,米沢藩上杉砲術を伝承する二つの火縄銃演武団体がある。一つは,宮坂考古館に事務局がある米沢藩古式砲術保存会,もう一つは,上杉神社社務所に事務局を置く上杉砲術隊である。いずれの団体も,米沢藩に伝わる10匁から30匁の火縄銃の大筒を用いて立ち射ちと膝射ち、腹ばいの体勢での伏せ射ちなどの米沢藩の実戦射法を継承練磨している。
上杉砲術隊による霞流砲術「伏せため
(腹ばいため)」の射撃姿勢とその練習
写真提供 若旦那提供(インスタID) takenoko.no.yama
写真提供 若旦那提供(インスタID) takenoko.no.yama
その中でも,私は腹ばいの体勢での伏せ射ちに強い興味を感じている。なぜなら豊臣家が採用した南蛮流砲術の伝書に描かれた「伏せかまえ」の射撃姿勢と上杉砲術隊の伝承する「伏せため(腹ばいため)」と呼ばれる射撃姿勢がよく似ているからだ。
南蛮流砲術「伏せかまえ」の射撃姿勢
藤井一二斉の興した南蛮流砲術と米沢藩の砲術との間には何か繋がりがあるのかもしれない。上杉神社のお札を見ながら,私はそんなことを思った。