霞流の火縄銃の砲術演武
今日の砲術演舞で,関流姉妹の二女が使用したのは,騎馬武者用の騎銃として用いられたものと考えられる米沢の霞流の五匁火縄銃である。
全長88.8 センチ 銃身長58.9 センチ 口径1.5 センチ 山形県登録
無銘であるが,火皿横に源と刻まれていることから,米沢藩の代々御鉄砲張である磯源右衛門の作と考えられる。
銃口に,堺筒等に見られるような装飾はなく,照星も現代風である。銃口の下に差し込まれているさく杖(弾薬を押し込めるための棒)は,鉄製である。
鉄製のさく杖の一方は,ネジのキャップになり,これを外すと,弾丸が詰まったときの処理や筒内の汚れ落としの洗い矢として活用できるようになっている。ただし,このようなさく杖が残っているのはとても珍しいことである。