国家公務員だけではなくて、
地方公務員も天下り団体に丸投げだ。

濡れ手にあわ

天下り財団、市発注業務丸投げで利ざや7千万円 名古屋

2010年2月14日3時1分 朝日新聞

 名古屋市の外郭団体「市建設事業サービス財団」が2008年度、同市から約8億円で随意契約で受注した放置自転車の撤去・運搬や有料駐輪場の管理・運営の業務を、15の業者に「丸投げ」で再委託し、実際の作業は何もしないまま7千万円近くの利ざやを得ていたことがわかった。利ざやの分は、天下りした市OBら財団職員の人件費などに充てられていた。財団が、天下りのためだけの存在になっている実態が露呈した形だ。 

 財団や市緑政土木局によると、市は08年度、放置自転車の撤去・運搬(2億3221万円)と、約150カ所の有料駐輪場の管理・運営(5億5628万円)の二つの業務を、財団に随意契約で発注した。 

 しかし、財団に自転車撤去の作業員や駐輪場の管理員はおらず、運搬用トラックも持っていない。このため財団は、撤去・運搬などを2億2053万円で、駐輪場の管理・運営を4億9889万円で、民間業者や市シルバー人材センターに再委託した。 

 手元に残った約6900万円について、財団は「駐輪場の蛍光灯代などの消耗品代や、事業の調整に携わる財団職員の人件費に充てた」と説明している。 

 財団によると、自転車の撤去・運搬業務は、06年度までは、市から財団に派遣された作業員が行い、人手が足りない部分を民間業者に再委託して補っていた。運搬用のトラックは市の土木事務所から借りていた。しかし、07年度以降は、市の業務見直しに伴って市から派遣の作業員がいなくなったため、実際の作業は業者らに「丸投げ」してきた。駐輪場の管理・運営は、財団が市から請け負った1994年度から市シルバー人材センターなどに再委託し続けていた。 

 財団の職員数は09年7月現在で78人。そのうち、市OBが50人で、市からの派遣が14人。これとは別に12人いる理事は、全員が現職の市幹部と市OBで占められている。 

 実際の作業にあたる作業員や管理員がいない財団に市が業務を委託したことについて、市自転車駐車対策室の担当者は「財団に人的資源がなくても、在籍する市OBには行政能力があり、全体の調整役をしてもらうため」と説明する。財団の伊藤悦志・総務部長も「市全体の自転車対策を一括して担うために受注した」と話している。 

 一方、河村たかし市長は、外郭団体が独占的に受注していた市の業務の大部分を、新年度以降、民間業者に開放する方針を打ち出した。競争の導入による経費削減と民間業者の参入拡大が狙いで、プロポーザル(企画提案)方式の公募の結果、財団が新年度に駐輪場の管理・運営を担うのは全体の2割にとどまり、残りは民間業者が受注した。自転車の撤去・運搬についても、市は今月中にプロポーザル方式で決める予定という。(小山裕一) 

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 全国市民オンブズマン連絡会議事務局長の新海聡弁護士の話 名古屋市から随意契約で受注した仕事を「丸投げ」し、手数料だけ受け取るというのは、市建設事業サービス財団が市OBの「天下り」のための目的で作られたことを示す明確な証拠だ。外郭団体として存続させる必要があるのか、見直しの対象にすべきだ。