君が雨に打たれているのを見た
君はうなだれて
だたっ広いその空間の真ん中にいて
服の両襟を手で立てて
その間に顔を沈ませている
君は雨に打たれて
見えなくなってしまった目で
雨のしずくが形づける
次から次へと変わる足元の模様だけを凝視し
「あぁ
この規則性の無い
無秩序な
この子達の表現は
なんて美しいんだ・・・」 と、考えていた
雷の中の君は
少し怯えた様子
敏感になったその耳は
次から次に
予測もしなかった雷鳴によって
ゲージの中の小さな生き物みたいに
落ち着かない
君の足元には少し荒らされた大地
大きな雨粒がたたいた地面の跳ね返りで
君の足元は汚されている
だからと言って
それを見つめている君は
憂うでもなく
むしろ
それを涼しげに受け止める
一少女