永遠の0 | 独創的未来の創造と発見

独創的未来の創造と発見

創作活動と建築現場の独自調査・省力工法、等を紹介します。

お正月4日過ぎました。いかがお過ごしの事でしょうか・・・


温かいお正月で良かったですね。


さて本日は映画『永遠の0』を観てきました。


とても涙が出ました。こんなに泣いたことは近年ありません。


私は戦後生まれで戦争の体験はありません。


しかし平和な日常であっても、まさに戦時中と同様の極限を体験する事はしばしば在ると思います。


生きること・・・人を愛すること・・・別離・・・


この映画に託されたテーマが、自分へのメッセージとなって心に蘇るものがありました。




解説
百田尚樹の同名ベストセラー小説を、「V6」の岡田准一主演、「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズを手がけてきた山崎貴監督のメガホンで映画化。司法試験に落ち続け、人生の目標を失いかけた青年・佐伯健太郎と、フリーライターの姉・慶子は、実の祖父だと思っていた賢一郎とは血のつながりがなく、本当の祖父は太平洋戦争で特攻により戦死した宮部久蔵という人物であることを知る。久蔵について調べ始めた2人は、祖父が凄腕のパイロットであり、生きることに強く執着した人物であったことを知る。そんな祖父がなぜ特攻に志願したのか。元戦友たちの証言から祖父の実像が明らかになっていき、やがて戦後60年にわたり封印されてきた驚きの事実にたどり着く。健太郎を三浦春馬、久蔵の妻・松乃を井上真央が演じる。(パンフより)


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永遠の0  感想文
戦後まもなく生まれた私にとっては感極まる場面が多く、最初から最後まで涙が止まりませんでした。


私の故父は大正十年生まれです。白黒テレビが普及し始めた小学生の頃『学徒出陣』の記録映画が映し出されると、父はテレビを指差しこの中に父さんはいたんだよと当時中央大学法学部に在学中軍に招集されパレードに参加した話しをしてくれました。学生服に足にゲートルを巻いて鉄砲を肩に歩く姿の映像が記憶にあります。

熊本の松橋駐屯地に陸軍将校として配属され激戦地に転属命令が出て、トラックに乗り込み向かう途中内地で玉報が流れ終戦を迎えたそうです。

幸いにして父は戦地に行かずに命を繋ぐことができました。私は父が戦死していたなら命の存在は無かったと思います。


戦争に負けた国の国民の生活は想像を絶するものがあったと思います。
戦後母と結婚し仕事を転々とし、当時の厚生省に入庁し熊本県衛生部に転勤になり熊本で人生を送る事となりましたが・・・戦中を生き抜き戦後を活き抜く、極限の中で見せる人間は国の組織という圧力(統制)に翻弄されながら自己を見失ってしまいます。


映画の中の宮部久藏は集団統制のきびしい中、命の大切さや生きる事の意味を伝えようとしますが理解されず弱者扱いにされてしまいます。しかしその真実は国に対する思い家族に対する愛、そして下士官に対する戦後復興への期待、そうした硬い思いが徐々に隊内に伝わるようになり最後は特攻を自ら志願し敵艦に突撃し命を絶ちます。


横須賀に寄港した時自宅に戻り翌朝軍隊に帰る際、『松乃』に言い残した言葉は・・・
『生きて帰って来ます。・・・必ず帰って来ます。・・・死んでも必ず帰ってきます。』
この言葉に涙が止まりませんでした。


私は21歳の頃恋心を抱き交際していた女性の友だちが突然自殺しました。
彼女の突然の死に食事も取らず3日3晩泣きました。

彼女は当時18歳でした劇団四季の女優で純粋に交際していました。誕生日に時計のネックレスをプレゼントしたこともありました。彼女とお芝居を観に行ったり、お芝居の話を聞くのがとても楽しみで喫茶店で時間の経つのも忘れてデートしていました。


ところがそこに・・・離婚歴のある当時36歳の劇団の代表が彼女に交際を求めてきました。
私が旅行をしている間に・・・彼女は睡眠薬を飲みガス栓を開き自殺しました。

この出来事は・・・映画のシーンと重なり新たな彼女への愛しさが蘇りました。


『生きて貴男の元へ行きたい・・・死んでも貴男の元へ行きたい・・・』

まるで彼女が僕にいい残して死んでいったように重なり聞こえてきました。


彼女の『霊(純愛)』を43年抱き人生を共に生きてきた私にとって、このシーンは彼女の『純愛死』と重なり溢れる涙を抑えられませんでした。1月21日43回目の彼女の命日が来ます。


生きるということに純粋だった主人公の『宮部久藏』は最期は死を持って思いを遂げました。


愛することに純粋だった彼女は死をもって『純愛』を通しました。


日本という国で現在平和に生きていられることは、過去の歴史(戦争)に運命を翻弄された人々がいたことを忘れてはならない。


この映画は生きることの大切さ、愛することの大切さを・・・深く考える機会となりました。



是非機会がありましたら『永久の0』の映画鑑賞をお薦め致します。