久しぶりに読書感想文。
もちろんこの間もコンスタントに読んでいたけど。軽めの読み物を一気読みしたので。
須藤靖貴という作家のランニングもの。
群馬出身の主人公が東京の大学で箱根を目指し、大阪の実業団でオリンピックを目指す。最後は2020年の東京オリンピックでマラソンの金メダルを取るまで。
この手の小説によくあるように、どうしてもファンタジーっぽくなるが、主人公を中心にした人間関係が多面的で泣かせるものがある。
レースの場面も、箱根の5区、8区、10区。東京のマラソンコースと出てくるが、短い言葉で繋がれた風景描写、心理描写がリアリティを持って感じられてなかなか良い。
大学、実業団の監督の指導の言葉も良い。具体的な練習メニューは出てこない。しかしマラソンは頭と心のスポーツだと言って、メンタルを高めていく指導は興味深い。
ランニングを趣味とするレベルの人でも楽しめるだろう。
ちなみに、私は時崎太郎が好きだ。彼なら仕事もできるだろう。そして4年後の活躍も期待したい。