フィラリアの治療法いろいろ | ととのブログ ~岡山の保護犬猫応援ブログ~

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うちのワンコのこともたま~に書いてます♪

 

 

フィラリアは最終的に犬の命を奪ってしまう怖い病気です。

 

ですが、治療をすることで完治することのできる病気でもあります。

 

 

フィラリアの治療は感染の度合いや緊急度によって選択肢がいくつかあります。

 

フィラリア治療法をまとめてみました。

 

 

 

クローバー外科手術による治療法

吊り出し手術と呼ばれる、犬の頸動脈から、アリゲーター鉗子という器械で

心臓内のフィラリア成虫を直接摘出する方法があります。

 

フィラリアの急性症状である大静脈症候群(VCS)を起こした時や、大量の

成虫が心臓内に寄生している場合以外には選択されない治療法です。

 

いしじま動物病院のHPに吊り出し手術の画像が載っていますのでリンクを

貼っておきます右矢印吊り出し手術の画像

(気持ちのいい画像はありませんので自己責任でご覧くださいねあせる

 

 

クローバー薬剤で成虫を駆虫する治療法

イミトサイドと呼ばれる、ヒ素化合物製剤を注射することで血管内の

フィラリア成虫を殺すという方法です。

 

2014年ごろにイミトサイドは日本での発売は中止されたのでこの

治療法を採用しているところはないんじゃないかなはてなマーク

でもネットでぐぐると結構出てくるので一応紹介しておきます。

 

この方法は死んだフィラリア成虫が肺動脈に詰まって急性症状を起こす

可能性があり、入院治療のあと2~3週間は絶対安静が必要な程

リスクのある治療法ですが、うまく行けば半年で駆虫が完了する治療法でした。

 

 

クローバー予防薬を長期投与する治療法

フィラリアの予防として飲ませる薬を年間を通して投薬し続ける治療法です。

 

フィラリア予防薬は幼虫を駆虫する薬で、年間を通して予防薬を投与することで

新しく感染した幼虫や成虫が生んだ卵から生まれた幼虫を駆虫してフィラリアが

増えるのを防ぎつつ、成虫が死ぬのを待ちます。

 

この治療法は、成虫が比較的少なく、症状もあまり出ていない初期の段階の

場合に多く採用されてきました。

 

ただ、この方法だと成虫が死ぬまでの間(5~6年)、ずっと肺動脈や心臓を

傷つけつづけることになりますが、上の2つの方法に比べてリスクは少ないです。

 

 

クローバーバルボキア菌を殺すことで成虫の寿命を縮める治療法

ここ数年で出てきた新しい治療法です。

 

バルボキア菌とは、フィラリアに寄生する細菌で、フィラリアからバルボキア菌を

取り除くとフィラリア成虫が早く死ぬことが分かっています。
 

また、バルボキア菌がいなくなった成虫は卵が産めなくなるので、フィラリア症の

症状が進むのを防いでくれます。
そのため、バルボキア治療をすることで早くフィラリア症を治すことができるのです。

 

 

 

AWAでは、このバルボキア菌を殺す抗生剤を

投与する方法を採用しています。

 

 

クローバーこんな風に治療しています

バルボキア菌を殺す抗生剤(ビブラマイシン等)を朝晩1カ月間飲んで、2か月間休薬を1クールとして、1クール終了するごとに検査をして、フィラリアがいなくなってるかどうか検査をします。
早い犬なら1クールで陰転します。

 

クローバー陰転しても残ってしまう症状もあります

フィラリア症はフィラリアがいなくなれば完治となり、あとは毎年の予防を

キチンとすればもうフィラリア症になることはありません。
 

ですが、完治したからと言ってもう大丈夫!という訳にはいかない場合もあります。

 

 

ブーケ2咳の症状が出ている場合

咳が出ると強心剤、利尿剤、降圧剤などを使いますが、完治後も

投薬を続けなければならないケースが多いです。

 

 

ブーケ2血管が傷付けられている場合

フィラリアの寄生場所である肺動脈の内側は、成虫が動いて傷付けたり、

排せつ物などに反応して炎症を起こしたりすることで分厚く固くなります。

 

傷付けられた血管はフィラリアが居なくなったとしても元の健康な状態に

戻ることはなく、重度だった場合は心不全が残ります。

 

 

症状が出ていない段階で治療をすれば、健康な子と変わらない生活を

送ることができます。

 

そのため、感染が確認されたら一刻も早い治療が大事なのです。

 

 

注意フィラリア治療には、どの段階であっても、どの治療法を選んでも

リスクがなくなることはありません。

 

フィラリア陽性だった場合は血液検査だけでなく、エコーやレントゲン

などで成虫の有無や居場所を確認して、獣医師とよく相談の上で

その子にとって一番良い治療法を選択してあげてくださいお願い

 

 

 

ビーグルしっぽ 最後に ビーグルあたま

 

 

フィラリアは、治療をすることで完治の期待できる病気ですが、

その間に傷つけられた血管や心臓は元通りにはなりません。
 

ですが、完治をすることで確実に寿命は延びます。

 

犬の命を奪う病気はフィラリアだけではありませんし、今健康な子でも

いつ、どんな病気にかかるかは誰にもわかりません。

 

本当のご縁かもしれない子を、『フィラリア陽性』というだけで

候補から外さないで、その子自身を見てもらえたらと思います。

 

 

保護犬であっても、ブリーダーからであっても、ペットショップからで

あっても、フィラリア症から守ってあげられるのは飼い主だけですよビックリマーク