あるく★Dior

あるく★Dior

the box filled with laugh

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目を覚ます。ぼくはベットのうえ。現在の場所はフランスのブルゴーニュ。


昨夜、目的地であるst jan pietro poを目指すも、目的地域の電車はすでに発車しておりこの町に泊まらなくてはいけないということが分かった。


外に出てみると昨夜の雨が嘘のように晴れていて、背中を押されているような感覚だった。


そのまま朝食も取らず、そのまま駅へと向かい、チケットを買う。


***


St jan pietro poに着いたにはお昼頃。周りの乗客の服装が気になる。


みんな大きなリュックを背負った人や修行僧のような格好の人もいる。


少しほっとして山の中にある田舎の小さな駅を降り、巡礼オフィスへ向かう。


旅行中知り合った韓国人にとりあえずオフィスに行けばその後の巡礼の仕方もなにもかもがわかる。だからまずオフィスへ行けといわれていたのでオフィスへ向かう。


しかし、いっこうにそのオフィスが見つからない。町の人は親切なのだがみな指し示す方角がばらばらでぼくは


途方にしまった。


すると、ぎょろっとした目で鷲鼻の白雪姫に出てくる毒入り林檎を売るおばさんのような方が現れ


フランス語でなにやら話しかけてきた。僕はとりあえず「巡礼か?」と聴かれているような気がしたのではいと伝える。


するとついてこいというしぐさをして視具歩き出した。ぼくはそれに着いていく。


ようやくたどり着き、おばさんに「ありがとう」と伝えようとすると彼女はもういなくなっていた。


オフィスの中に入ると今度は陽気なおじさんが居て、巡礼がしたいとの話をした。


「何の宗教だ」「ここから始めるのか」「今日は何日だ」「フランス語は話せるか」そして「どこの国の出身だ」の質


問の時に日本人だと応えるとおじさんの目が光った。わたしの孫娘が日本人と結婚したんだ、最近、日本の巡礼


者が少なくてさびしかったんだうんぬん、長く話され、そしてぼくはおじさんの孫と電話をする羽目になった。


そんなたわいもない話をひとしきり話してしまうとこの巡礼で重要なものである手帳とホタテを渡される。


手帳は巡礼者である証明であり、これをアルベルゲ(巡礼者用宿)で提示するとスタンプを押され宿に格安で泊


まれるというもの。


ホタテ貝は巡礼者のシンボルであり、なんでも首にさげて歩くのがいいそうだ。


最後に


あるく★Dior

これは2009年にぼくがスペインのサンティアゴデコンポステーラとよばれる巡礼路を歩いたときの話。


あれから時間はずいぶんとたった。


ぼくはあのときとはずいぶん変わったし、あの時目指していたものも変わってしまった。


でもそれは誰だって同じであると思う。


ただその歩いてきた道を自分でもう一度振りかってみたくなった。


今の自分に対して納得したくなった。


だからこの日記を始める。

アルバイトで貯めたお金で今日ディオールのズボンを買った。


コーティングのかかった黒のズボンは本当にかっこよくてこれから大切に穿いていこうと思ってた。矢先だった。


アルバイトから帰ってわざわざディオールに履き替えようと箪笥を開けてみると


そこに勝ったばかりのズボンはなくなっていた。