Primitivesと大江慎也+ONES、懐かしい思い出
1990年頃に大江慎也+ONESとPrimitivesのジョイントコンサートを東京で観た記憶があるのですが、ファンサイトの記録によると1990年6月に確かにライブを行っていますね。もう35年ほど昔になるので記憶も曖昧なのですが、場所はファンサイトで確認するとクラブチッタ川崎か日本青年館、おそらく旧の日本青年館だったと思うのですが、いわゆる地方によくある市民会館のホール的な作りであったと記憶しております。 肝心のライブの方はといいますと、まず最初にPrimitivesが出てきて数曲演奏しました。いまサブスクで当時の作品を改めて聞き直すとギターポップで適度にラフな部分とサイケな少し尖った部分と60'Sポップス的な感じが同居した様な楽曲群で、良質なアルバムを作っています。 演奏はとても良かったと記憶しています。ただ時代は丁度、エコー&ザ・バニーメンやアズテック・カメラあたりに代表されるような、80年代前半に始まったネオアコなんかのブームが下火になり始めていた時期で、タイミング的には不運だったかも知れないですね。加えて今振り返れば、日本人リスナーの洋楽信仰の様なものは丁度90年頃を境に薄れ始めてきていたのかな、という気もします。客層が大江さん目当てなのかPrimitivesなのか分からなかったですが、Primitivesを聴きに来る様な客はそれなりの洋楽マニアでややスノッブな方たちだったのではないでしょうか。 (どんな曲を演奏したのか全く記憶が無いが、一応代表曲とされているらしきものを) そして満を持して、次に大江慎也+ONESが出て来ました。もちろん私の目当てはこちらでした。演奏は良かったですよ。ステージ上の大江さんも客席から観る限りでは至って健康的な感じで、体調が良かったのか声もしっかり出ていました。でも誰一人立つ人はいなくて全く盛り上がっておらず、ただ淡々と重苦しい時が過ぎていく、そんな感じでした。 ライブ終わって出口の物販のコーナーで、大江さんが当時所属の徳間ジャパンの社員と思われる眼鏡にビジネススーツを着た、いかにも音楽そのものには興味が無さそうな雰囲気の男性(笑)がCDやらグッズやらを売っていたことが何かその日のライブを象徴するようでとても印象的でした。 私はルースターズ脱退以降の一連の柏木省三プロデュース(ルースターズ時代からのプロデューサー)によるソロ作品や大江慎也+ONESの作品も好きなのですが、後に大江さんが語ったところによると、この時期は完全に柏木氏の操り人形で作品は自分の本位では無かったみたいですね。それを知ってしまうと、いま当時の作品を聴くことは複雑な心境になります。この時期の大江さんは調子も悪く無さそうに感じていたんですけどね。柏木氏とは、後にルースターズ作品の版権などを巡り、喧嘩別れ状態だと聞きますが、氏のプロデュース能力や作品は否定しなくても良いかと思います。 でもONESに関しては自然なバンドでは無くて、完全に柏木氏の手によるユニットという感じですね。 ところで、わけあって私は今は手元にCDやレコードが残っていないのですが、大江さんの徳間ジャパン時代のソロ作品「PECULIAR」や大江慎也+ONESの「WILL POWER」はサブスクには無いんですよね。おそらく徳間ジャパンや当時の所属事務所との合意が出来ていないんでしょうね。買取型の配信にはあるので、いつかサブスクで流れる日もそう遠く無いと信じていますが。ちなみにルースターズがサブスク解禁されるのが遅かったのも、大江さんが語るところによれば、当時の所属事務所との版権を巡る複雑な大人の事情からだったらしいです。Primitivesの方はばっちしサブスクにありますから、興味ある方は是非聴いて欲しいです。Lovely - 25th Anniversary EditionAmazon(アマゾン)2,434〜6,618円${EVENT_LABEL_01_TEXT}WILL POWERAmazon(アマゾン)1,200〜3,180円${EVENT_LABEL_01_TEXT}